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ICTで地方にスムーズなビジネスと豊かな暮らしを提供する

パイルシェイプスルパン株式会社 / 【未経験者歓迎】システムエンジニア

インタビュー記事

更新日 : 2024年11月06日

神奈川県藤沢市にあった本社を2021年に酒田市へと移転したパイルシェイプスルパン株式会社。地方人材の確保という意味合いの強い移転だった。しかしそれとともに、地方の生活とともに成長するという側面もあった。ICTで地方によりスムーズなビジネスと豊かな暮らしを提供する。その強い想いは社名にすでに現れていた。

パイルシェイプスルパン株式会社 事業概要

 山形県酒田市に本社を置くシステム開発会社。2020年に神奈川県藤沢市に設立された。東京に本社を置くアクロスペイラというICT関連会社から、システム保守業務を担うことを主事業として分社化されたのが設立の経緯。アクロスペイラの親会社であるアクロホーディングスが将来的には東京だけでは人材の確保は難しくなるだろうということから、全国に拠点を築いていくという構想を持っていた。そのなかで東北地方の拠点のひとつとしていずれ酒田に移転することを視野に入れて設立された。  設立の翌年2021年に酒田に本社を移転。メンバーはプログラマー、デザイナー、ディレクターから構成され、創業当時はシステム保守管理の仕事を中心に様々な分野の開発に関わっていた。アクロスペイラとのつながりも持続し大型案件も抱えており、地元と全国、ミクロとマクロの両方を視野に入れて事業を進めている。

社名に込められた想い。

 パイルシェイプスルパン株式会社。この社名には重要な意味がある。今回はその意味を紐解いていく形で、この会社の魅力を紹介していきたい。パイルシェイプスルパン(以下PSルパン)という名前は、パイル、シェイプス、ルパンの3つの部分に分けられる。それを1つずつ見ていこう。

 まずは「パイル」。これはもちろん英語のpileから来ている。直訳すれば、積み重なりといった意味や、本や書類の山という意味がある。PSルパンは、2021年に神奈川県の藤沢市から移転してきた会社で、現在設立から3年を迎えようという若い会社だ。しかしすでに「積み上げた」ものは多い。

 PSルパンはもともと、東京に本社を置くICT関連会社アクロスペイラから、システム保守業務を担うことを主事業として分社化された会社だ。そのため当然ながらアクロスペイラ及びその親会社であるアクロホールディングスと強いつながりがある。本社を酒田に移した現在でも、アクロスペイラとの関係は続いており、東京を中心とした関東の首都圏の案件も多い。そのため百貨店のECサイトの運営、保守など、規模の大きな案件も抱えている。

 この「つながり」がPSルパンの積み上げてきたものの1つだ。代表取締役を務める板垣伝佳は25歳までは全く違う業界の仕事をしていた。「あるとき、父の務める職業訓練校でマイコンピューター科というのが始まると聞いて、やってみようかなと思ったんです。いまから30年ほど前ですかね」と板垣は言う。

「いま思うと自分に合っていたんだと思いますね。学校で作ったのはゲームのプログラミングだったのですが、まず自分で作ったものが画面の中で動くというのが何より面白かった。そして、自分とほかの人とは動きが違うというのがまた面白い。そうしてこの業界に入るきっかけができました」

 カリキュラム終了後、板垣は地元酒田のシステム関連会社に入社し、すぐに神奈川県の本社へと転勤となった。その会社はハードウェア関連会社であったが、将来的にソフトウェア事業にも拡大していくということで、訓練校でソフトウェアを学んだ板垣がチームリーダーを務めることになった。その後29歳で独立し、事業を拡大していった。そのキャリアのなかで最も大事にしてきたことを聞くと「出会い」と板垣は答える。

「現在、この会社以外の会社でも複数の会社で役員を務めていますが、それもこれまでの出会いによるものです。面白い仕事もやりがいのある仕事もすべて人との出会いからだと感じています」

 これも「積み上げて」きたものだろう。

ICTで「形作る」。

 つながりが山となる。もちろん「つながりがあるから仕事がたくさんくる」とだけ言うつもりはない。積み上げてきたのは「経験」もそうだ。設立の経緯から当初はシステムの保守をメインに行っていた。しかし、チームメンバーが元々はエンジニアだったこともあり、その後システム、ソフト開発をするようになった。逆に言うと、メンバーが保守管理を行っていた経験が豊富だったので、開発から実装、そして保守作業までワンストップでスムーズに対応することができたのである。

 設立当初よりメンバーであり、現在でも第一線で活躍する中村大悟は百貨店のECサイトや行政機関のシステム関連の案件に関わっている。

「ソフトウェアやシステムなど、基本的に開発をしたものに関しては保守までやることが多いんです。だからゼロから最後までお客様と関われる。自分が作ったものが動くこと、そしてそれがお客様の役に立つというところが嬉しいです」

 そう話す中村の言葉のあとに、入社2年目の佐藤裕太はこう話してくれた。「高校を卒業後、専門学校でWeb制作などを学びましたが、現場で覚えることはかなり多いと感じています。そこで自分のキャリアアップを実感しているというのが現状です。そして、例えば顧客データを使ってCRMの部分でさらなる提案をするといった、仕事の広がりも現場で感じることができています。それらを経験としてさらにキャリアアップしていきたいと考えています」

 この2つがシェイプ=形作るということなのではないだろうか。主事業として展開しているソフト、システムなどの開発、運用、保守は、当然お客様のビジネスを形作る。そのなかでさまざまな経験をすることで、働く人のキャリアアップも「形作る」ことができているのだ。それはミニマムなメンバー体制でやっているからこそと板垣は話す。

「私たちはエンジニアだけで数十人いるような会社ではありません。だからこそ、部分的に仕事に関わるのではなく、仕事を俯瞰して見ることができます。何がお客様に必要か。どうしたら使いやすいか。どうしたらよさをわかってもらえるか。そして経営者的な視点など、さまざまな経験をすることができます。そのため未来のキャリアの広がりを実現できる場だと考えています」

酒田という土地

 パイル、シェイプス、そしてルパンだ。このルパン、少し説明の必要がある。もともとPSルパンは地方に移転することを考えた上で設立された会社だ。アクロスペイラから分社化された経緯は話したとおりだが、そのほかに親会社であるアクロホールディングスの意向で、東京だけで人材を確保するのは今後困難になることが予想されるため、地方に拠点をいくつかおきたいというものがあった。当初すでに北海道には拠点があったが、そこと東京の間、つまり東北地方に1つ拠点を建てたいと考えていた。そこで選ばれたのが山形だった。そして板垣が酒田出身だったということもあり、本社を酒田に置くことになったのだ。

 とはいえ、である。地理的な戦略もあったとはいえ、やはり酒田という土地で活動をする以上、地域との関わりも絶対的に必要となる。そこで板垣は社名を付ける際に最初に「鳥海」と調べたのだという。

「酒田であるということを社名につけたかったんです。そこで鳥海山の鳥海を英語なり、フランス語なり、そのいわれなりを調べてみました。でもこれといったものが見つからず、bird seaで検索したんです。そうしたらフランスの競走馬「シーバード」がヒットしたんです。その馬が6馬身という圧倒的な差をつけて優勝したレースがルパン賞というものでした。そこからルパンという名前をとりました」

 そうして鳥海という名前を社名に込めた「パイルシェイプスルパン」が出来上がったのだ。では酒田で何をするか。板垣は「現状、ICTに対するリテラシーは首都圏に比べて決して高くはないと言わざるをえません。ICTでビジネスも生活ももっと豊かで楽しいものになる余地はあります。まずはその底上げに協力できればと思っています」と話す。

 中村は「もっと酒田に関わっていきたいと考えています。これまで、酒田市が開催した子ども向けのeスポーツイベントに協力させていただきました。そういったことを進めて例えば、プログラムの勉強会なども催したいと考えています。私は茨城の出身なのですが、酒田へ来ていろいろな人と会うと、いろいろなことを考えている人がすごく多いなと感じています。それを実現するために私たちの領域でできるお手伝いがあれば積極的に参加していきたいなと考えています」と話してくれた。

 パイルシェイプスルパン。この社名に込められた想い。これまで積み上げてきたもの。これから積み上げていくもの。そしてつながり。それらを組み合わせて形を作ることで生活を豊かなものにしていく。そのなかでは人間も形作れていく。それが酒田、山形と関わり合いながら大きなくなっていく。ICT関連事業を展開しているが、その根本には「人と生活」があったのだ。