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クリエイト礼文はD&I経営で山形から全国へチャレンジしています。

株式会社クリエイト礼文 / お客様の幸せをトコトン追及する住宅営業

インタビュー記事

更新日 : 2023年08月31日

山形には、「山形から全国へ」という熱い思いで全国展開をし続ける会社が多くあります。そのひとつが、不動産会社のクリエイト礼文さんです。こちらの会社では、2019年に社長が変わり、引き継ぐことと変えていくことのバランスをとりながら、多様性と個性を活かすマネジメントを基盤に、さまざまなことに挑戦されています。今回は、現社長である大場友和さんに実際にどのようなことをされているのか、現場で働かれている社員の方はそのことについてどう感じていらっしゃるのか、詳しくお話を聞きました!

株式会社クリエイト礼文 事業概要

「QOL住宅で縁ある人々を幸せに」がコーポレートメッセージ。住まいに関することすべてに携わっている。2008年に「土地+建物2000万」というコンセプトをもとに、ユニテハウスという商品を開発し、山形県にとどまらず、全国にフランチャイズ展開中。ターゲットを明確にし、マーケティングに徹することで発売開始から14年連続、県内の着工棟数1位に輝いている。 クリエイト礼文は、不動産・建築分野の本業以外に、蔵王温泉でのカフェの運営や、こどもたちへの環境教育など、地域貢献も積極的に行っている。経営面でも多様性や個性を大事にする改革などを行い、従来の建築業界にはなかった新しい風を起こしている。 成功しているユニテハウスに関しても、現状維持では衰退すると考え、2022年秋ごろに時代に合わせた変化を行う予定。 「失敗を恐れずに挑戦する」というのがこの会社の大きな特徴だ。

1.クリエイト礼文のユニテハウス、着工棟数14年連続1位

三浦ーー大場CEO、今日はよろしくお願いいたします!

大場CEOーーよろしくお願いいたします。

三浦ーーまずは読者にクリエイト礼文さんがどんな会社なのか知ってもらうために、大場社長から事業分野についてお話いただけますか?

大場CEOーーはい。クリエイト礼文では、不動産賃貸、賃貸管理、売買仲介・ユニテハウスという一戸建てやユニテラスというアパートの建築、建売事業を行っています。住まいに関するほぼすべてに関わっていますね。

三浦ーー創業当時からすべての事業を行っていたのですか?

大場CEOーー当社は平成2年に創業しまして、賃貸管理業からスタートしました。その後、平成9年に建築事業へ参入して現在に至ります。建築事業は、最初は輸入住宅のFC(フランチャイズ)に加盟し、地元工務店と協業して進めましたね。それから自社制作に乗り出し、実績ができてきた平成14年ごろに、レモンハウスシリーズを開発しました。レモンハウスシリーズは、「土地+建物2000万」というコンセプトで、現在のユニテハウスのもととなる最初の自社ブランドですね。そして平成20年にユニテハウスをリリースする、という流れです。

三浦ーーユニテハウスはクリエイト礼文さんの代表的なブランドで、県内の着工棟数が14年連続1位ですよね。ユニテハウスの特徴をあらためて教えてください。

大場CEOーーユニテハウスの何よりの特徴は、もともと医療用語であったQOL(Quality-Of-Life)と住宅をかけあわせた「QOL住宅」で、住まいを通じて人びとを幸せにすることを理念としていることです。地方都市に圧倒的に多い「アパートに住んでいて、世帯年収300万〜400万円の20〜40代前半の家族」が無理なく買えて、幸せな生活を送れるようにするには何が必要か。自分たちが売りたいものを売るのではなく、お客様の姿をイメージし、そこから逆算するという考え方が根底にあります。14年連続No.1なのも、それをお客様が高く評価してくださっているからだと思います。

2.事業承継に伴う新しいマネジメントの形

三浦ーー大場社長は、ご自身のお父様から会社を継いで社長になられたとお聞きしました。実際に事業を承継する、という話が出たときにどんな思いでいらっしゃいましたか?

大場CEOーー2019年に父から事業承継したのですが、社長になる3年前から準備をしていました。前社長のときまでは、建築業界にありがちな昭和型の工務店経営で、「この体質を変えることが自分の使命だ!」と考えていましたね。

三浦ーー具体的にはどのように変えていこうとされているのでしょうか。

大場CEOーーこれまでは「考えなくていい。黙って言うこと聞いとけ」という方針だったのですが、いま一番大切にしたいことはD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)で、多様性と個性を重視したマネジメントです。とくに社員教育は、これまでは悪いところばかりをなくすように指摘する短所消去法でしたが、よいところを伸ばす長所伸展法に切り替えました。多様性を大事にして、いろんな意見を取り入れていきたいと思っています。

三浦ーーどうしてその方針で変えようと思ったのですか?

大場CEOーー建築業界は縮小傾向にあります。職人不足、監督不足に高齢化による跡継ぎ問題。つまりこのままでは衰退していきます。それに、これから活躍するのはZ世代とよばれる人たちです。その人たちに昭和型経営は向かないですよね。お客様も20代〜40代前半なので、時代に合わせて会社を変えなければならないと思いました。……と言っても、私が社長になってからまだ3年なので、まだまだという感じですけどね(笑)。

3.大事なのは社員自身が幸せかどうか

三浦ーーいま、まさにさまざまな挑戦をされていて、少しずつ変化が出始めているというお話でしたね。新しいマネジメントに取り組むなかで、会社としてとくに大事にしていることがあれば教えてください。

大場CEOーー会社の理念として、「QOL住宅で縁ある人々を幸せにする」というのを掲げています。先代のときから理と利の統合が大事だと言われていて、理念として志していることと実際の活動が本当に一致している企業にしたいと思っています。
そのために、社員に一貫して言っているのが、「まず自分が幸せでなくてはいけない」ということです。自分が不幸だったら人を幸せにできないし、それは偽善になってしまう。人を幸せにする前に、まず自分が幸せになりなさいと徹底して伝えています。

三浦ーーすてきな考え方だと思います。社員に幸せでいてもらうためにされていることはありますか?

大場CEOーー人が幸せと感じるときは自分の欲求が満たされるときだと思います。ただ、いまの時代、人の欲求はいろいろですよね。健康や長生きという生存欲求もあれば、お金儲けや蓄財の欲求もある。
愛や所属の欲求もあれば、出世や承認欲求、趣味への欲求もあります。これらをバランスよく拡張できていることが大切だと感じています。
そのためには、やはり自分の時間の確保が重要です。ですので、例えばなかなか仕事が終わらず、これまで毎日夜10時に夕飯を食べていたような社員が定時に帰れるようにはどうしたらいいのか、常に考えるようにしています。
県内でも高い水準の給与を出して、「残業代がもらえなくなったので生活が苦しい」とならないようにもしていますね。それ以外にも趣味・楽しみの時間の充実のために、SUP、サッカー、山登りなどの社内クラブがあったりもします。

4.失敗は「ナイストライ」、挑戦することが大切

三浦ーー読者のなかには、いまのお話を聞いてクリエイト礼文さんで働いてみたいな、と考えている人もいると思います。大場社長としては、どんな人材にきてほしいと思いますか?

大場CEOーー経営者として大事にしていることがもう一つあります。それは「人軸経営」です。前から人を踏み台にしてまで、出世しようとすることに違和感を持っていました。だから、隣の席の人の痛みが分かる人であってほしいと思うし、そのうえで自分も成長できる人がいいなと思います。
あと、職場を「生活の糧」と考える人とは合わないと思っています。生活のために我慢して仕事をやりますという人ではなく、ここにいて、会社を自己実現の舞台と考えられる人だとうれしいですね。

三浦ーーちなみにクリエイト礼文さんの強みは何でしょうか?

大場CEOーー地方企業ではありますが、失敗を恐れずに常に挑戦していることです。山形県の特徴としてどちらかというと引っ込み思案な部分がありますし、始める前にはそんなの失敗すると言ってきた人もいました。けれど、実際は地方発FCとして全国で勝負できています。
社員に対しても、失敗したときには必ず「ナイストライ」と声を掛けています。失敗はどんどんしてほしい。なぜなら失敗から学ぶことは大きいから。失敗をけなす文化ではなくて、ほめる文化にしていきたいですね。
多少やけどしてもいいから、自分の思うことに挑戦したいというアクティブな人にはぴったりの会社です。

三浦ーー向上心があり、実際に取り組む行動力があれば、とてもやりがいが感じられる会社ということですね。貴重なお話、ありがとうございました!

社員にも聞いてみました!実際、どうですか?
今回の取材では、クリエイト礼文さんの魅力をより探るために、2人の社員の方(小座間さんと相澤さん)にもお話をお聞きしました!

三浦ーーこんにちは。小座間さん、相澤さん、今回はよろしくお願いします。まずはお二人の部署と業務内容を教えてください。

小座間さんーー建築営業部で入社5年目です。新築住宅を建てたいお客様に展示場を案内し、土地の紹介から図面打ち合わせまで行っています。

相澤さんーー経営戦略室で入社2年目です。大場CEO直下の組織で立ち上げから関わっています。会社全体の経営目的・目標達成に向けて、中期経営計画の策定や新しい人事考課制度、新規事業立ち上げの構想など、体制作りをしています。

三浦ーーありがとうございます。入社のきっかけと働いてみての感想はお聞かせいただけますか?

小座間さんーー不動産をやりたいなと思ったのがきっかけで、山形県内で不動産業を探していました。規模が大きく周りの人からの評判もよかったため、この会社を選びました。不動産業は、労働環境などが厳しそうなイメージがあったんですが、思っていたより働きやすいです。

相澤さんーー入社前は東京の大学で大学生を7年していました。将来の想像がまったくできていなかったとき、父の同級生である創業者に相談したことがきっかけで、山形にUターンし、入社に至りました。経営戦略室の立ち上げから関わり、「会社全体の方向性を私がやってもよいのだろうか……」という思いはありますが、とてもやりがいを感じています。

三浦ーーお二人のお話から、御社が働きやすい職場であることが伝わってきました。2019年に社長が大場友和さんに変わり、大場社長はこれまでのマネジメントの形を変えるべく、さまざまな取り組みを行っています。その一つにはD&Iがありますが、ご自身のほうで何か実際に取り組まれていることがあれば教えてください。

相澤さんーー経営戦略室では、ダイバーシティ委員会を発足させました。委員会で最初に取り組んだのは、服装の自由化です。その背景には、人にはそれぞれ個性があり、業務前、業務後の生活スタイルが異なっていることがあります。その多様性に合わせられるように、服装の自由化を実施しました。
もう一つ、現在は勤務時間の自由化に取り組んでいます。生活スタイルは本当に人によって違い、親の介護や子どもの有無などでも変わってくるので、時間の自由度が重要だと考えています。職種も大工や営業、事務など多岐にわたります。それぞれの仕事、ライフスタイルに合わせた勤務時間にしていけたらいいなと思っています。

三浦ーー大場社長は、失敗を恐れずにチャレンジしてほしいと思っているようですが、このあたりはいかがですか?

小座間さんーー営業は契約できないことのほうが多いです。成功率は10件に2件とか、それくらいですね。ただ、以前と比べて、攻めた失敗をしたことに対して怒られなくなりました。これからも引き続き、住宅を通して、家族みんなで楽しく喜んで住んでもらえるような提案を1棟でも多くしたいと思っています。

相澤さんーー経営戦略室という部署自体が新しいため、やること全部が新しいです。すべてチャレンジと言ってもいいくらいですね。ESG経営の取り組みも、大場社長から、地域貢献や社会貢献をもっと行っていくために、未来の担い手である「子ども」をテーマにして何かやりたいという話があり、ゼロから企画・実行をしました。

三浦ーー縁ある人々を幸せにするために、自分がまず幸せになりなさいと伝えられていると思うのですが、どんな風に考えていますか?

小座間さんーーお客様と直に接する部署なので、自分自身のQOLの充実は大事にしています。年間休日がきちんとあり、仕事とプライベートのメリハリを付けられるような仕組みを作ってくれているのは、ありがたいです。趣味はゴルフで、休みの日にはよく蔵王カントリークラブに行っています。春先と秋はとても気持ちがいいですよ。

相澤さんーー仕事面では、社内のQOLをいかに向上させるかが社員のQOL向上につながると実感しています。全社アンケートをもとに、本当の働きやすさを追求していけたらと思っています。アンケートのなかには、自分が通常業務のほかに新しくチャレンジしたことに対して、評価してほしいという声がありました。チャレンジした人が報われないのではチャレンジも生まれないのでその辺りの仕組みをこれから整えていきたいですね。
趣味はバイクで、県内をぐるぐる走ってます。とくに作谷沢の辺りの、田んぼと山があって、それ以外何もない雰囲気がいい感じです。

三浦ーーお二人ともQOLをいかに充実させるか、ということを大切にされているのですね。ご自身の趣味を楽しむ時間もしっかりあって……私もクリエイト礼文さんで働いてみたくなりました(笑)。お二人とも、本日はありがとうございました!

5.不易流行で変化し続ける

今ユニテハウスは、一つのターニングポイントにきているそうです。大場社長がおっしゃっていたのは、松尾芭蕉の「不易流行」という言葉にもあるように、ユニテハウスの変わらないコンセプトに加えて、今の時代に合わせたパーソナルにカスタマイズできるようにこれからマイナーチェンジを行うとのこと。既存の事業もやりながら、時代に合わせた変化をし続けるクリエイト礼文さんは、ユニークで目が離せない企業です!