山形のみならず、東北の人間なら誰もが知っている「オランダせんべい」。米の風味を活かした、庄内のソウルフードとも呼べるせんべいだ。そのオランダせんべいを作っているのが、昭和26年(1951年)創業という歴史を持つ酒田米菓。素材にこだわり地元山形県庄内産をはじめとした国産の米を使用している。ただし、古くからの伝統を守っているだけかといえばそうではない。精力的に新商品を開発するほか、一般公開している工場「オランダせんべいFACTORY」や米粉を使ったパンケーキなどが食べられるカフェ「cafe de ola」などさまざまな展開を試みている。その根底にあるのは「ユーザー・イン」という考え。老舗米菓会社がこれから庄内でできること。その未来を聞いた。
酒田米菓株式会社 事業概要
昭和26年(1951年)創業。70年近い歴史を持つ、老舗スナックメーカーだ。米どころ山形。創業者の佐藤栄一が「地元の特産品を守りたい」との想いから、庄内の米を使ったせんべいを売り出したのがはじまりだという。代表商品は「オランダせんべい」や「鏡せんべい」。特に昭和37年に発売された「オランダせんべい」は広く愛され、山形のみならず東北に住む人なら誰でも知っている銘菓となった。米の風味を活かすために、出荷まで自社工場で一貫して生産するこだわりようだ。また、機械製造だけでなく重要な工程はいまだに職人による手作業で仕上げており、安心して食せるふるさとの味を守りつづけている。 ただし、長い伝統を守るだけではない。精力的に新商品を開発。米菓だけでなく、チョコレートを使った商品や、国産米のせんべいが入った酒田米菓オリジナルのグラノーラなど幅広い商品を展開。そのほか一般公開している工場「オランダせんべいFACTORY」や米粉を使ったパンケーキなどが食べられるカフェ「cafe de ola」などさまざまな展開を試みている。「会社の資産、資材を使って生活を楽しくしたい」と代表取締役社長の佐藤栄司が言うように、常に新たなチャレンジを続ける老舗スナックメーカーだ。
商品開発のみならず、一般公開している工場「オランダせんべいFACTORY」の開設や米粉を使ったパンケーキなどが食べられるカフェ「cafe de ola」など、老舗メーカーながら常に新しいチャレンジを試みる酒田米菓。その精神は現場ではどのように生かされているのか。企画室リーダーの小野賢人と企画室で商品開発を担当する大沼茉衣子の2人に話を聞いた。
米菓を含めた商品開発だけでなく、一般公開している工場「オランダせんべいFACTORY」の開設や米粉を使ったパンケーキなどが食べられるカフェ「cafe de ola」など、さまざまな方面でのチャレンジが目立つが、根本にはやはり“おいしいものを作ること”という想いがある。
「米をご飯として食べるときは“おいしいご飯”“安全な米”とこだわりますよね。それと同様にせんべいの素材として使う米にもこだわりを持っています」という。酒田米菓では地元山形県庄内産をはじめ、すべて国産の米で安全な商品を作っている。そのクオリティをクリアしたうえで「買った先にある楽しさ」を想像しながら、日々チャレンジが続いている。