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株式会社データシステム米沢 / システムエンジニア

インタビュー記事

更新日 : 2024年07月31日

地域の良きパートナーとしてIT技術を未来へ繋ぐ

データシステム米沢は、自治体と連携して住民税や所得税、マイナンバーなどの住民情報を迅速かつ正確に対応できるソフトウェアの開発・導入・保守運用を主な業務として行なっています。ITの力で地域を支え、貢献する会社です。今回は代表取締役社長(現会長)の髙橋孝二さん、社員の髙橋光さん、丹治佑哉さん、髙橋果歩さんにお話を伺いました。

株式会社データシステム米沢 事業概要

1966年に自治体行政事務の効率化と地域経済の発展を目的に「株式会社米沢電子計算センター」として設立されました。効率化が最大の目的ですが、米沢市をますます発展させるために電子計算機の導入は欠かせないと考え、米沢市も筆頭株主として出資。第三セクターとしてスタートしています。
1991年に社名を「株式会社データシステム米沢」に変更。事業は創立当初と変わらず、行政事務の仕事がメインで、それ以外に学校、図書館、医療関連のほか民間の仕事も請け負っています。

富士通との連携を強化する中で、現在もFCA(富士通系情報処理サービス業グループ)に加盟。大都市圏の税関係システム開発、導入、保守など置賜地域以外の仕事にも繋がっています。

ソフトウェア開発が主ですが、システムの運用やコンピュータ及び関連機器の販売も行なっています。

自治体の行政事務を効率的に運用するシステムを提供

データシステム米沢が設立した1966年時は、コンピュータではなく「電子計算機」と呼ばれていました。それもまだ普及し始めたばかりの時代で、会社設立は行政事務効率を上げるための画期的な動きであったと言えます。

「米沢市が行政事務を合理化するためには電子計算機の導入は必要不可欠ということになり、そこで使うシステムを運用するために弊社は設立いたしました。例えば、家族が新しく増えたり、亡くなったり、入学、転居などのときには、役所に届けを出しますよね。その基本的な住民情報をデータ化し、正確かつ迅速に管理できるシステムを作るのが我々の役目です。納税通知書や入学届けなどの作成も弊社で行なっていて、一部は印刷も請け負っています。行政が対住人と関わる仕事を効率よく行なうためのシステムのほとんどは、我々が提供したものです。この仕事の大変なところは、税法や仕組みが変わる度にシステムも変更しなくてはいけないこと。所得制限が上がったとか、逆に下がったとか変わることも多いので、システムの修正は頻繁にあります。例えば、マイナンバーの導入は、大きな変化を伴いました」

創業時から58年以上、自治体と共にシステムを運用していることが最大の強み。行政事務に対するノウハウは他社以上に心得ているという自負があります。それに対するプライドは競合他社に負けないと、髙橋社長は話します。

「行政の仕事は対住民との関わりなので、問題があれば重大なミスになりかねない。例えば、納税通知書の金額を間違ったとなれば大問題になります。最近でいうとマイナンバーカードの紐づけ登録に誤りがあったというニュースがありました。全国に提供したマイナンバーシステムの根幹で構造的問題があったせいで、全国の市町村に影響が出ましたよね。完全なものを提供しなければ、社会問題になる。私たちは、そのことをしっかりと認識して仕事をする必要があるんです。私たちがお客様から要請されるキーワードは『正確さ』。間違ったものや内容不備なものを提供するわけにはいきません。また、丁寧で迅速なことも心がけています。お客様との関係も誠実に、社員同士であっても誠実に対応することも大事です。『正確、丁寧、迅速、誠実』の4つの軸は長年引き継がれている企業理念です」

 

コミュニケーション力がいい仕事を生み出す

システムエンジニアと聞くと、技術さえ極めればいいというイメージが強いと思いますが、技術プラスお客様との会話やプロジェクト内でのコミュニケーションスキルも重要になります。

「弊社のシステムは米沢市と連携していることもあり、お客様の要望を受けとめることが重要です。技術を磨くのはもちろんのこと、求めていることをしっかりと聞きとるためのコミュニケーション能力は大切です」

納期を守ることと完全なものを提供することは重要項目。限られたスケジュールの中で仕事を行なわないといけないので、時間外が必要な時期もありますが、他社に比べて休暇が多いのが大きな魅力です。

「弊社は、有給休暇のほかにリフレッシュ休暇や体調不良などによる休暇を別に取れる制度にしています。同業他社の方に『そんなに休暇を与えていいの?』なんて言われることもあります。納期を守ることは優先ですが、社員のメンタルケアも同じように大切。時間外が多くなったら休みましょうとか、いろんなことを試行錯誤も含めてやっているところです。産業医と連携を取り合いながら、しっかりと対応しております」

 

変化を受け止め、継続することに力を注ぎたい

2025年、これまで各自治体で運用していた住民情報のシステムを全国で統一することが決定しています。それはデータシステム米沢にとってターニングポイントになるだろうと考えています。

「これからは、全国標準システムを運用していくことになります。正直なところどうなるかはわかりません。しかしこれも大きなチャンスと捉え、準備していく所存です。自治体業務は堅実さが求められるので、その変化を見据えて技術力を上げ、対応していくことが今後の大きな課題です」

髙橋社長は、入社して50年以上のキャリア。社員から社長になったのは、初めてです。長年、この会社を見ているからこそ、新しい世代に想いを繋げていきたい気持ちも強いと話します。

「何より大事なのは、繋いでいくこと、継続していくことです。変化を受け止めながらも、守るべきことは守ってチャレンジしていくこと。それにはもっと若い感性が必要だとも思っています。うまくバランスをとりながら、地に脚がついた会社でありたい。IT業界は、これから先、引く手あまただと思います。技術力があれば、成長していきやすい環境でもあります。地域の発展にはIT技術は必要不可欠です。弊社だけで地域を守るとは言えませんが、地域の魅力を繋いでいくことはできます。一丸となって頑張らないといけません」

自分の技術を通して地域が発展していく。それを経験できるのがデータシステム米沢で働く大きな魅力です。続いて、社員の3名にお話を伺います。

 

技術を掘り下げて、お客様に最適なプランを提供する

—— 仕事内容を教えてください。

髙橋光さん:2015年入社の8年目です。システムエンジニアとして、自治体のソフトウェア開発から運用、保守まで一貫して担当しています。前職は製造業のシステムエンジニアをしており、縁があって転職しました。

丹治佑哉さん:大学院を卒業後、2021年に入社して3年目です。私もシステムエンジニアをしていますが、主な担当はハードウェアの設定になります。米沢市内の教育機関や図書館などで使われるパソコンの設定作業であったり、サービスの導入設定を担当することが多いです。3年目になってからは、自分が主体となって仕事を担当することも増えています。

髙橋果歩さん: 2021年に入社した3年目で、丹治さんとは同期です。私は営業部で働いており、図書館や教育機関でのシステムの入れ替えやIT機器の納入の提案をさせていただいています。

—— 職場環境の良さはどこだと思いますか。

髙橋光さん:私は何社か経験していますが、この会社においては休みが取りやすいことに良さを感じています。有休のほかにリフレッシュ休暇もあり、結婚した際には「結婚休暇」も5日間いただきました。前職もその制度はありましたが、5日間もいただけるのは珍しいと思います。

丹治さん:私も休暇が取りやすい点が良さだと思っています。有休とは別に病院に行く休暇も取れますし、申請もしやすいです。お盆は休みではないのですが、代わりに部署内で好きな時期に長期休暇を取れます。余裕があるときに休めますし、行きたいところがあるときに合わせて休めるので、自分にはそのスタイルのほうが合っていますね。先輩も上司も親しみやすい方ばかりですし、やりたいことをさせていただいている感覚もあります。

髙橋果歩さん:社内の風通しがいいのを感じています。新入社員時には先輩が2名、悩みも含めた指導係としてついてくれる「メンター制度」があるんです。業務内容や仕事に対してどう思っているかなどの相談をしながら、キャリアプランを一緒に考えていただけたので、すごく励みになりました。

—— 仕事のやりがいはどこに感じていますか。

髙橋光さん:お客様と話をしてから必要な機能を提案し、実際に開発して導入。さらにその後のサポートも担当します。ずっとパソコンの前で作業するわけではなく、半分ぐらいはお客様のところに出向き、営業に近い仕事も行ないます。システムエンジニアの仕事でこういう体制は珍しいと思いますね。お客様とやりとりをする機会が多いので、さまざまな情報が得られ、非常に楽しいです。実際に使ってもらって「いいね」と言われると嬉しいですし、改善点を共に探って深めていけることにやりがいを感じています。

丹治さん:ハードウェアの作業というのは、例えば企業で新しいパソコンを購入されるとなったときに、人数分のパソコンを発注し、設定もします。その後、設置をして元々使っていたパソコンからのデータ移行もやります。もちろんサポートも私の担当です。そのときに「使いやすくなった」と言ってもらえたり、使い方の説明をして解決できたときに感謝されることに喜びを感じています。

髙橋果歩さん:顧客である学校を訪問した際に、提案した機器を使ってくださっているのを見たときには非常に嬉しかったです。教育現場はどんどんデジタル化が進んでいます。タブレットで授業を受けるのも当たり前の時代なんです。私には弟がいるのですが、会社で提案・導入を進めたIT機器を用いて勉強している姿を見たときは、より子どもたちの学びの役に立ちたいという思いが込み上げてきました。

—— これから挑戦したいことを教えてください。

髙橋光さん:AIに興味があり、最近新しくG検定の資格をとりました。お客様の中でもAIに興味がある方が増えているので、私も知識を身に着けたいと思ったんです。お客様に対して不確実なことは伝えられないので、技術を掘り下げていき、最適なものを提案できるようにしていきたいですね。また社内勉強会でも広めていければと思っています。

丹治さん:新規技術の提案ができるように、日々勉強をしています。社内勉強会でも、自分が講師になって進めることが増えてきたので、今後も新しい提案をできるようにしていきたいです。自分としても新しいものには興味あるので、お客様に提案するものは、常に最新技術であるようにスキルを身に付けたいと思います。

髙橋果歩さん:未経験でIT企業に飛び込んで、最初は不安でした。現状は上司に支えられている部分が大きいので、専門用語などをもっと勉強し、ひとり立ちを目指したいです。日々IT情報をチェックし、お客様に最適な提案ができるようになりたいと思います。進歩していく教育現場を感じながら、自分も成長したいです。

 

データシステム米沢は、「誠実」に対応する企業として長年、地域の発展を支えてきました。「お客様の声を聞く力」から生まれた“信頼”が深い繋がりを強固なものにしています。技術職という固いイメージもありますが、コミュニケーション力を高めていける職場ではないでしょうか。地域の未来発展を手助けする1人になれる仕事です。

取材・文_中山夏美