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地域のインフラを担う。

株式会社ニューメディア / ネットワークエンジニア

インタビュー記事

更新日 : 2022年10月17日

放送と通信から地域に夢を提供し
自らの成長と、人々の豊かな生活を創造して

「NCV」「9チャンネル」の愛称で地域に親しまれる株式会社ニューメディア。ケーブルテレビという先入観にとらわれず、新しいサービスを創る会社として挑戦を続けています。取締役米沢センター長兼映像統括本部担当の伊藤優子さん(前左)と、人事部の川島美由希さん(前右)、米沢センター技術課の八巻洸都さん(後右)、システム開発部の村上祐樹さん(後左)にお話を伺いました。

株式会社ニューメディア 事業概要

昭和61年に山形県米沢市に設立した株式会社ニューメディアは「ケーブルテレビ事業」「システム開発事業」「メディア事業」の3つを柱とする総合サービス企業です。地域情報を発信するコミュニティ番組の制作・放送、専門チャンネルサービス、インターネット、固定電話、無線ネットワーク、アプリケーションの開発、コミュニティFM放送など様々な事業に取り組んでいます。
現在米沢センターの他、北海道の函館センター、新潟県の新潟センター、福島県の福島センターという4つの営業所を運営。その中でも米沢センターは山形県置賜地域の2市2町(米沢市・南陽市・高畠町・川西町)にケーブルテレビのエリアを持ち、加入率は6割を越えています。地域に夢を提供し、より豊かな生活を目指してチャレンジを続けています。

技術者が築いた基礎から
時代と共に進化を

—— 株式会社ニューメディアはどのような会社ですか?

米沢センター長 伊藤優子さん

平成元年の開局当初は、テレビ事業からスタートしました。
当時山形県は、民放が2局しか見られないという時代。西吾妻山の天元台にアンテナを立て、仙台から民放の電波を受信し、地域に届けるということから始まりました。自社制作のコミュニティチャンネルでは、地域に密着した番組やニュースを放送。その後、映画やドラマ、アニメ、スポーツ、音楽、バラエティなど複数の専門チャンネルの放送を始めました。そして繋いだケーブルから、テレビだけではなくインターネットや固定電話への活用に広がりました。

実は会社を立ち上げた際、経営の中心となってきた方のほとんどが技術者でした。高い技術力を持つ社員が、ニューメディアの基礎を創ってきたのです。「ないなら自分たちで創ろう」となんでも自前で創ってしまうのがニューメディアの社風です。ソフトウエアを購入して導入すれば、メンテナンスやアップデートに料金がかってしまいます。しかし自分たちで創れば、使いやすいようにコントロールできるし、時代に左右されず更新ができます。より良いソフトをと開発を進めるうちに、近年はそれを外に販売するまでになりました。技術力が高く、さまざまなノウハウを持っているのも、強みの一つですね。

 

地域のすぐ隣にいるような感覚と
サポート力が選ばれて

—— 米沢センターのケーブルテレビ加入率は、6割を越えていると伺いました。加入率の高さの理由はどんなことがあげられますか?

一つはコミュニティチャンネルで発信している地域情報の魅力だと思います。県庁所在地にあるケーブルテレビですと、地域密着番組を制作しても民放との違いが出しにくい。しかし米沢センターはそうではない分、他では得られない身近な内容を提供。そんな土地柄もあるかと思います。加えて知っている方や、自分、家族が、テレビに映ることも。ニュースをはじめ様々なオリジナル番組に興味を持ってご覧いただいています。
また、特に日常に欠かせないのが、ライブカメラチャンネルです。ニューメディア独自で設置した約30カ所に加え、国土交通省が管理する道路や河川カメラと繋ぎ、約40カ所の今を知ることができます。冬には市内にあるスキー場の様子。春には桜が咲き誇る様子も。福島県の相馬海岸にも設置しており、お正月には初日の出をLIVEでお楽しみいただきました。お出かけ前に、そして災害時に、日々の生活に欠かせないチャンネルになりました。

もう一つ、地域の方に選んでもらえるポイントは「サポート力」だと感じています。一般的にサービスに不具合が生じてサポートセンターに問い合わせると、うまく繋がらなかったり、理解が難しかったりということがありますよね。「インターネットが繋がらない」「パソコンの電源が入らない」等当社はお電話いただければすぐ担当に繋がり、お困りごとの解決にすぐ対応できるよう努力しています。人件費や手間暇もかかるのですが、これは地域密着ならでは。
もちろん、地域のインフラを守るのも私たちの仕事です。自然災害などサービスに不具合が生じた際にも、できるかぎり早く現場に行き復旧できるようにしています。

 

学びから常に業界のトップを走り
地域を支え続ける使命

—— ニューメディアが大事にしていることはなんですか?

ニューメディアは社訓として「先見邁進 地域密着」を掲げています。この業界はどんどん新しいことが出てきて、変化の激しい分野。ですから、どんどん新しいことを覚え自分たちがリーダーとなり、この地域のDXのトップを走って行かなければいけません。人のやらないことを想像し実行、そして地域に密着し届けてくことを大事にしています。よく社内では「過去の成功体験にとらわれるな」と言われます。失敗してもいいから、やりたいことを応援。かえって何もチャレンジしないと叱られたりします(笑)


中学校でのSDGs出張授業

新しいことに挑戦していく中での取り組みの一つとして、全国のケーブルテレビ局が自社制作した番組をサービスエリアの枠を超えて配信する「ロコテレ動画」を開発、スタートさせました。現在全国各地30局が参加し、地域ならではのコアな情報を配信していますが、各地の観光振興に役立つ事を期待しています。

 

変化や学びにわくわく。
一緒に成長できる人材を

—— 今後どのような方と一緒に仕事がしたいですか?

ニューメディアは一人ひとりがマルチプレーヤーとして活躍しています。番組制作スタッフであれば、アナウンサーであり、記者であり、カメラを回したり編集も。やりたいと思うことがどんどんできて、それぞれの力を伸ばし、可能性を広げることのできる会社です。資格を取得したい方には支援し、合格すればそれに対する手当ても。チャレンジ精神があって、変化や学びにわくわくし「面白そうだな」と一緒に成長してくださる方とお仕事がしたいですね。

—— 日々新しいこと、人々が求めることを追い求める時、心の活力となっているのは何ですか?

街で「いつも見てるよ」と言われたり、サポートで伺った時に「ありがとう」と喜んでもらえるところが一番のモチベーションではないでしょうか。地域の方と近いからこそ、同じ目線、同じ言葉・方言で話せるし、コミュニケーションが取れる。お客様や取材先で野菜や果物を頂くことも。それが本当にうれしくて。自分たちが行うサービスを地域に役立てたい、もっと喜んでもらいたい、そんな使命感があるのかもしれません。


自主制作番組 キャンディボックス


中学校でのSDGs出張授業

 

社員が見つけた、株式会社ニューメディアの魅力

—— 現在担当されているお仕事と、入社されたきっかけを教えてください。

川島さん:私は入社し5年になりました。現在人事部におります。岩手県出身で、高校を卒業後山梨県の大学に進学。就職はできるかぎり実家に近いところがいいなと考えていた際、興味を持っていたメディアの仕事が米沢にあり、入社を希望しました。もともと実家の地域にもケーブルテレビがあり、コミュニティ放送を見ていたのでとても馴染み深かったのです。実際就職してみると、想像以上に地域と近い。愛されている会社だなと、うれしくなりました。

八巻さん:私は地元米沢出身で、入社し7年になります。技術課でニューメディアの心臓部となるサーバー等を管理しています。ずっと高校・専門学校と、技術的なことを学んできたので、ネットワークやサーバー関係の仕事をしたいと思い志望しました。米沢は米沢牛にはじまり、おいしい食べ物がたくさんありますよね。雪はたくさん積もりますが、私はウインタースポーツが好きで、地元ライフを楽しんでいます。

村上さん:私は入社2年目。システム開発部でアプリの企画開発をしています。飯豊町出身ですが、大学卒業後は山形にある車両関係のシステム開発の仕事に就職しました。前職では東京や名古屋に出向するなどしていたのですが、コロナウイルス感染症が流行した際、地元に帰れなくなったことがきっかけで、転職しようと思うようになりました。新しいことに挑戦しつつ、今までの経験が活かせる仕事はないかと探し、ニューメディアに入社しました。日々挑戦を楽しんでいます。

—— ニューメディアで働くやりがいと、地方だからこその魅力を教えてください。

村上さん:米沢センターとしてのサービスは、置賜地域の2市2町のお住まいの方に限定してますが、私はシステム開発の担当として米沢から全国に提供している「ロコテレ動画」のアプリ開発に携わっています。クラウドの仕組みを使って米沢という地方から、全国に発信できる仕事で、やりがいがあり、魅力だと思っています。
私が担当している「ロコテレ動画」は、現在全国の30社のケーブルテレビが参加している動画視聴のアプリです。参加しているケーブルテレビ会社が自社制作した番組が視聴でき、在りそうでなかったサービスとなっています。参加している各社も、弊社同様に自社制作した番組を全国に発信したいと考えていたようで、ニーズがあると実感しています。特にローカルな観光情報としての発信になると、とても喜んでいただいています。
日々の業務は、オンラインでの打ち合わせが多いですが、実際に全国の方と距離を感じることなく進めています。今後は、現在新しい機能の追加などの開発を考えています。


八巻さん:ケーブルテレビとしてのサービスは、テレビとインターネットと電話という3つのサービス提供です。3つのサービスの大元となる設備を支える部署で働いており、裏方ではありますが、ここがしっかりしていなければ、全てのサービスをお客様に届けられません。先日地域に雷が落ちた時、土砂降りで雷がガンガンなっている中、ケーブルの復旧作業にいきました。もちろん危険な現場ですが、災害時こそメディアからの情報を得なければいけません。迅速に復旧しお客様にサービスを提供するという使命を全うし、やりがいを感じました。
他にも大きなインフラの会社がありますが、ニューメディアはエリアが絞られている分チャレンジするスピード感があり、それがNCVならではの強みだと思います。また、地域密着という点から、お客様と接する機会が多い。直接意見を言って頂いたり、感謝の言葉を頂くとそれが力になりますね。


川島さん:人事部に所属しているので、社員を支えるという役割から、働きやすい環境づくりに力を入れています。若い社員の話を聞いたり、コミュニケーションが円滑に回るよう、気にかけたりも。日々それがやりがいですね。
よく思い出すのは、入社の最終面接の日の出来事です。米沢に訪れるのは初めてで、面接前、少し緊張しながらスーツ姿で近くのファミリーレストランで1人でご飯を食べていました。すると、隣に座っていた知らないおばちゃんに話かけられたのです。学生と間違われたんでしょうね。「こんな昼間に何しているの?」って。「今からNCVに面接にいくんです」って話したら「すごくNCVはいい会社よ」って、番組の内容から、出演している人の面白さまで教えてくれて。ご契約者は丁寧にサポートしてもらえることまで教えてもらい、そのまま面接にいきました。地域に愛されている会社だと実感し、ますます興味が湧いたのを覚えています。

 

社員が目指す、これからの未来

—— これからチャレンジしてみたいことは?

村上さん:システム開発をしていて、どういうものをどういう企画でつくるか、どうやって広めるのか、そういう業務もしています。販売を目的に展示会に出店して、来てくださった方に紹介したりも。私はまだついていっているだけなので、今後新しいシステムの企画や広報にもチャレンジしていきたいです。またニューメディアは、いろんなことをチャレンジできる会社で、たくさんの可能性があります。新しい技術、新しいものを追いかけ、新しい仕組みをどんどん提供していきたいですね。


技術展示会に出展した様子

八巻さん:今インターネットが世の中に普及し、なくてはならないものになっています。その分業界の技術も進化する速度がものすごく早い。最新の情報には常にアンテナをたてながら、ニューメディアでも新しいサービス、技術をお客様に提供し、皆さんにより便利に生活していただくのが大事だと思っています。ネットの速度もどんどん上がっていますよね。5Gが出てきたら無線の方が有線より早いんじゃないか、と言われていますけれども、そのバックボーンには有線がありますので、有線がなくなるということはありません。しかし有線がその先をいかなければいけないのです。世の中に対応できるように、新しいことに挑戦していかなければいけないと感じています。

川島さん:社会保険労務士資格の資格を取りたいと勉強しています。知識もつけ、技術がどんどん新しくなるように、自分の力をアップデートしていきたい。そうすれば社外に協力依頼をしていたことが社内ででき、もっと社員に貢献できると思うのです。採用では就職活動の仕方も、学生の意識の置き方も近年変わってきているなと感じます。そういった所もいろんな角度から見て、良い方向に進められるよう検討し取り入れていきたいです。
また、総合職で入社しているので、今後所属も変わってくるかもしれません。ジョブローテーションしながら、別の部署にチャレンジできる機会があれば希望したいです。



自主制作番組 キャンディボックス

 

地域のインフラを守り情報発信を続ける株式会社ニューメディア。地域密着のコミュニティ番組が人気で、出演者を見かければ誰もがついつい話かけたくなるほど。「昨日の番組について教えてほしい」といった電話が直接くることもあるそうです。親しみのある企業のサービスを使用している人々が知らないところで、実はたくさんの苦労と、挑戦が行われていました。これからの展開にも目が離せません。

取材・文_阿部薫