置賜地方ならではの「食文化」
山形おきたま伝統野菜 特集置賜地方ならではの「食文化」
山形おきたま伝統野菜 特集置賜地方に住み始めて、その土地ならではの食材・料理を食べてみたいですよね。今回は置賜地方の伝統野菜の中でも、「山形おきたま伝統野菜」に認定されているものを厳選してご紹介していきます。
置賜地域の市町等から推薦のあった伝統野菜のうち、次の2つの要素を持ち、「山形おきたま伝統野菜振興協議会」が認定したものです。
✅置賜地域で概ね昭和20年以前から栽培されている在来種
✅置賜地域の歴史と食文化を伝えるもの
現在、19品目が認定されています。
今回ご紹介する伝統野菜は、出荷時期であれば生産地域周辺のスーパーや直売所でも手に入りやすいものを6品目厳選しました。
👆おかひじき
出荷時期は3月下旬〜11月下旬。主に南陽市和田地区で生産されています。アカザ科の一年草で、見た目が海藻のひじきに似ていることから「陸のひじき」、「おかひじき」と呼ぶようになったと言われています。独特のシャキシャキとした食感がありますが、葉物特有の青臭さやクセがないため、美味しく食べやすい食材となっています。ビタミンAやカロチンが豊富で栄養満点な野菜です。
定番の食べ方はおかひじきの「おひたし」です。カラシ醤油やショウガ醤油、マヨネーズ醤油といった味付けで食べられます。また、サラダ・酢の物・和え物・天ぷらなどにも使われます。
👆うこぎ
出荷時期は5月下旬〜8月下旬。主に米沢市で生産されています。食用として流通しているのは「ヒメウコギ」という種類です。従来は、生垣にしているうこぎを収穫していましたが、現在スーパーや直売所で売られているうこぎは、畑で栽培されたものが一般的になりました。うこぎは独特の香りとほろ苦さを持ちますが、食物繊維や、ポリフェノール、カルシウムといった栄養を豊富に含んでいます。
伝統の食べ方は、うこぎの「切りあえ」です。味噌と砂糖を鍋で温め、茹でたうこぎと混ぜながらみじん切りにした料理になります。また、「うこぎご飯」も定番料理となっており、米沢市内の小学校の給食でも出されています。
👆小野川豆もやし
出荷時期は11月下旬〜3月下旬。主に米沢市小野川地区で生産されています。この地区では、温泉街としても有名な「小野川温泉」があります。この温泉の熱を利用した温室で栽培されるため、豪雪地帯となる米沢の冬でも生産できる作物として「小野川豆もやし」は重宝されてきました。小野川豆もやしは長さが24〜27cmもあり、独特の歯ごたえがあるのが特徴的です。
代表的な食べ方は、郷土料理の「冷や汁」です。ほうれん草や干ししいたけ、凍みこんにゃく、干し貝柱などを具材に、しょうゆ・酒などで味付けした出汁と混ぜ、味をなじませたものになります。
👆雪菜
出荷時期は12月中旬〜3月中旬。主に米沢市上長井地区で生産されています。全国でも珍しい雪の中で育つ野菜です。夏に種をまいて冬の前に収穫されると、稲わらと土で囲んだ雪室に入れられ、冬の雪に覆われながら雪菜はここで成長を続けるのです。雪菜は、無機質(カリウム、リン等)が多く含まれており、冬の貴重な栄養源でした。生の雪菜は、クセが無く、ほのかな甘味と苦味をもち、そのまま味噌につけたりサラダにしても美味しくいただけます。
また、代表的な食べ方は「ふすべ漬け」という漬物です。雪菜は湯通しをすると独特の辛み成分が出てきます。これを塩漬けにしたものが「ふすべ漬け」となり、こちらは米沢市内のスーパーや直売所の漬物コーナーでも売られています。
👆薄皮丸なす
出荷時期は6月下旬〜9月下旬。主に南陽市で生産されています。収穫時期になると、置賜地方内の多くのスーパーで取り扱っており、比較的購入しやすい野菜です。一口サイズ(3~4cm)の丸茄子となっており、皮が薄くて柔らかいのが特徴です。
漬けるとパリッとした食感に変わるため、食べ方としても「一夜漬け」が定番になっています。各家庭で味や漬け方も様々なため、代々伝わる家庭の味です。
👆小野川あさつき
出荷時期は1月上旬〜2月下旬。主に米沢市小野川地区で生産されています。小野川あさつきは、日本に広く自生しているユリ科のわけぎの仲間で、タマネギに似た球根性多年草になります。「小野川豆もやし」と同様に、 小野川温泉の熱を利用して栽培されています。
辛味・苦味が少なく、シャキシャキとした歯ごたえが特徴です。薬味代わりに使われることが多いですが、あさつきを茹でて味噌・砂糖・酢で和えた「酢みそ和え」は、食感を活かした料理として、好んで食べられています。
この記事では、山形おきたま伝統野菜6品目をご紹介しました。最近ではスーパーや直売所などで、伝統野菜やそれらを使った料理を取り扱うお店もあるため、消費者にも手に入りやすい環境になっています。見かけた際にはぜひ購入して、置賜地方ならではの「食文化」を味わってみてはいかがでしょう。
📔参考文献
👉おいしい山形ホームページ
👉おきたま食の応援団
👉おきたま旬の食材カレンダー
👉山形おきたま伝統野菜 | 山形県