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庄内のライフラインを守り続ける

五十嵐工業株式会社 / 送電工事員

インタビュー記事

更新日 : 2024年04月12日

土木工事と電気工事を手掛けている五十嵐工業株式会社。電気工事では電気が発電されてから利用者に届くまでの過程の工事を一貫して行なっている。地域に根ざした会社であることをめざし、長年に渡り庄内のライフラインを支え続けている同社の思いを聞いた。

五十嵐工業株式会社 事業概要

1971年に酒田で創業した五十嵐工業株式会社の事業は、電気工事、土木・建設工事など多岐にわたる。その中でも中心となっているのが電気工事。東北電力グループである株式会社ユアテックの協力会社として、発変電所の工事から、大きな鉄塔をつなぐ送電線、街中でよく見かける配電線の工事、その配電線を景観に配慮して地中に埋める土木工事、そして家庭やオフィスに電気を通す内線工事と、電気が発電されてから一般利用者に届くまでの全ての過程の工事を請け負っている。
災害時には全国各地に応援に出向き、電気の復旧に一役買うこともある。庄内地域をはじめ、全国のライフラインを支えている。

発電されてから利用されるまで全てに関わる

五十嵐工業は土木・建設工事や電気工事を手掛ける会社だ。土木課、送電課、発変電課、配電課、内線課の5つの課に分かれており、それぞれ専門性を持っている。課の名前からもわかるように、全ての課で電気に関わる工事を行なっている。土木課では道路や上下水道など一般的な土木工事に加えて、管路工事と呼ばれる電線を地下に埋設する工事も行なっている。発変電課では、発変電所の建設工事や、変圧器などの設備の点検を行う。送電課では、発電所から変電所へ電気を送るための鉄塔を建設したり、送電線の整備をしたりと、最大で100mの高所での作業も行う。配電課では、変電所から送られる高圧の電気を家庭に届けるために、街中でもよく見る電柱や電線の施工や点検・修理を行なっている。そして内線課では、家庭にある電気設備の施工や、工場・オフィスに電気を通す工事行なっている。
このように、電気が発電されてから利用者に使われるまでの過程の工事を一貫して手掛けていることが五十嵐工業の特徴だ。当たり前に使っている電気だが、その当たり前の日常を作り出すことが五十嵐工業の仕事なのである。

社員のことを思う

電気を扱い、高所で仕事をする場合もあるため、危険と隣り合わせな仕事も多いが、入社時点での経験や知識は全く問わないという。理由は充実した教育制度があるからである。五十嵐工業は株式会社ユアテックの協力会社であるため、入社後はユアテック主催の技能講習に参加することができる。期間も最長で1ヶ月以上と、丁寧にじっくりと基礎から学ぶことができるため未経験でも職人になることが可能なのである。また、スキルアップのための資格習得も支援しており、通信教育の費用を負担している。

五十嵐工業では最近、新デザインの作業着を導入したのだがこれも社員のことを思ってだという。代表の五十嵐由美は「新しいデザインの作業着は従来のものよりも細身でスタイリッシュ。かっこいい作業着を身につけることで、社員の皆さんが楽しく働ける環境を作りたかった」と語る。この新デザインの作業着は社内でアンケートを取ってデザインが決まった。社員の声に耳を傾け、寄り添う企業風土が根付いている。

庄内のライフラインを支える

当たり前に毎日使っている電気は、発電されてから多くの過程を経て私たちの元へ辿り着くが、その過程に従事する仕事をイメージすることはそう多くはないだろう。五十嵐は「私たちの仕事は皆さんからすると馴染みがない仕事かもしれないが、いつも通りの日常を送るためにはなくてはならない存在。私たちが庄内の生活を支えているんだというプライドを持って仕事をしている。これからも庄内の皆さんが安心していつも通り電気を使える世界を守り続けたい」と力強く語ってくれた。
当たり前に電気が使える日常が送れている内は五十嵐工業の仕事は目立たないかもしれない。それは普段から安全を守ってくれていることの裏返しとも言える。これからも、五十嵐工業は庄内の当たり前の日常を陰から支え続けていく。