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ものづくりに究極のスピードを。

株式会社 グローバルマシーン / 機械加工 製造スタッフ募集

インタビュー記事

更新日 : 2024年05月17日

 

今回伺った金属加工会社、株式会社グローバルマシーンは創業から50年以上の歴史のある会社。こちらで高い評価を得ていることのひとつは、受注から納品までの「スピード」だ。それを可能にしているのは、最新鋭の設備だけでなはなく「人の力」だった。

株式会社 グローバルマシーン 事業概要

1972年創業の金属加工会社。東京・町田市にして開業し、2年後の1974年からは神奈川県相模原市に本社を置いて事業を展開した。自動車部品の製造などで高い評価を得ながら、その後、一般産業用機械部品の製造も手掛けるようになった。現在はその分野での業務が主力となっている。1991年に庄内工場を新設し相模原市の本社とともに製造の拠点として稼働を始めた。2011年には業務拡大のため、宮城営業所を新設するとともに、本社を相模原市から庄内町へと移し2015年には組立専用の工場を新設した。会社の最大の特徴は、超短納期でも対応を可能にするため「究極のスピード」。一般的な加工会社と比べ約1/3程度という短期間で加工部品を完成させることができる。それに加えて加工から組立、電気配線、設置まで行う一貫生産をとっているため、クライアントから高い評価を得ている。今後はさらに規模と業容を拡大し、さまざまなニーズに応えることを目標としている。また、会社組織の刷新にも着手し、より働きやすい職場を目指して改革を進めている。

 

 

人から人へつなぐ技術

株式会社グローバルマシーンの歴史が始まったのは、いまから50年以上前。創業者である代表取締役会長の菅原勝安氏は、山形県で生まれ育ち、学校を卒業したのち、関東で技術を磨いた。そして、1972年に東京都の町田市で起業をした。のちに神奈川県の相模原市に本社を移転し、自動車部品などの加工、製造を主業務とし、質、スピードともに高い評価を得ていた。1991年には故郷の庄内町に新工場を設立。2011年からは本社を庄内町に移し、事業を展開している。グローバルマシーン最大の特徴が、「究極のスピード」だ。「金属加工という点においては、技術革新などが進み、どの会社も横並びという一面があります。極端な話をすれば、ある一定のものはという限定はつきますが、同じ機械があれば、同じものを誰でも作れてしまうんです」と話すのは三浦勝広代表取締役社長。そのなかで、グローバルマシーンが加工スピードで抜きんでている理由は「人の力」だ。最新の機械だけでなく、これまで使ってきた機械を含めて、その力を十分に発揮するにはやはり人の力が必要なのである。
加工製品のなかには、1ミリの1/1000という、ミクロン単位で削りださなければいけない製品もある。それは人の手によって作り出すことが必要になる。その際には、いってみれば職人的な技術力が求められ、経験がものいう世界なのである。

 ただし、ここでいう「人の力」というのは総合力の事である。金属加工は、お客様から製品の図面をもらうことから始まる。それを読み、加工方法を考え、材料を手配、段取りを立てる。これを一貫して行うことができる人間が必要になるのだ。
「同じ部品でも人によって作り方が違うというのが金属加工の世界です」と話すのは、汎用旋盤で加工している製造部加工課の相馬佑紀係長だ。「機械を動かすマニュアルはありますが、最終的な製品を作るためのマニュアルはありません。何を使ってどう削りだすかといったことは、上司や先輩から教わったこと、そして日々の経験を積み上げていって、さらにそれらを常に自分のなかで反芻しながら、例えば『なぜこうなるのか』といったことを考えながらやらないと前に進めません。お客様の部品は常に形の違うものです。言ってみればすべてオーダーメイドです。だから、段取りも常に変わってきます」と言う。
それに柔軟に対応できる「人の力」が必要だ。超短納期の依頼にも、常にストックしてある材料を切断し加工対応する等、マニュアルのない世界での、人から人へ伝わる技術継承ができている。それが「究極のスピード」という存在感を生み出しているのだ。
その技術継承は、グローバルマシーンのもうひとつの特徴である「どんな形状のものでも作れる」というものにも通じている。相馬係長が話すように、部品加工はオーダーメイドでその形状もさまざまだ。全てが単純なものではない。なかには曲面切削といった特殊な形状のものもある。グローバルマシーンは、それら全てに対応できる技術力を持っている。そしてそれは切削機械の技術力だけではなく、人の力、さらにいえば、50年という長い歴史で培われてきた技術が可能にしていることなのである。

高い評価を受けているワンストップ体制

超短納期を可能にするスピードを実現し、どんな形状にも対応できる技術力がグローバルマシーンの特徴。そしてもうひとつ、クライアントから高い評価を得ているのがワンストップでの生産体制が確立されていることだ。中小金属加工会社の多くが、部品製造を手掛けている企業だ。そのなかで差別化を図るために、グローバルマシーンは、加工から組立までを一貫して請け負う。それに加え、電気配線まで行うことができ、装置一式の製作から設置までワンストップで進められる。そのため、工程ごとに行われる会社対会社の煩わしいやり取りが弊社1社で済むため、お客様のニーズは高まっている。
それが差別化、そしてニーズの高いものだということは、2015年に組立専用の工場を新設したその3年後にさらに新工場を増設せざるを得ない状況となったことが証明している。
今回話を聞いた製造部組立課の渡邊崇允係長はまさにその中心で働いている。「受注して加工したものを組み立てる。そして受注時の機能をチェックしてお客様に納品する。その際には、お客様の現場に赴き、電気配線など全て完全な形で設置します。部品を渡して終わりではなくて、しっかりとお客様の仕事につながるような形で納品いたします。私たちはあくまでも部品製造業ですが、ひとつのモノとしてカタチが見えるのは充実感のある瞬間です」と話してくれた。お客様の要望に応えるカタチで発展した「一貫生産体制」はさらに進化し、現在は、溶接物や大板関係が容易に加工出来る五面加工機の導入など、多種多様な設備を有した総合力でさらなる発展を遂げている。

より幅広い業界へ羽ばたく

未経験から加工の仕事を始めたのが、製造部加工課の渡會隆氏。「さきほど相馬係長が『常に考えて仕事をする』といったのは、会社の文化のようなものかもしれません。私も先輩から教わるときに、『どうやって何ができるか、常に想像して仕事をしたほうがいい』と聞かされました。また、弊社は横のつながりが強いのもいいところだと思います。加工だけではなく、組立、それに品質管理、生産管理と、常にコミュニケーションがとれています。そのため、仕事にとても充実感があります。自分は加工を担当しているのですが、それだけでなく、仕事全体のことを感じることができるのがやりがいにつながっています」と話してくれた。

「弊社はつまるところ、人の力が支える会社。だから技術継承をスムーズにしていかなくてはいけない」と三浦社長は最後に話してくれた。
「そのために、働く環境を整え利益を上げる。そして地域貢献する事が会社としての責務だと考えています。そのために会社の体質強化を図り改善を進めているところです。社員の満足度を上げることで、生産性などもアップしていくはずです。そうすれば、さらに幅広いお客様の要望に応えることができるようになる。将来的には、環日本海エリアで弊社の存在感が不可欠と言われるような企業を目指しています。繰り返しになりますが、そのためには働く環境を整えること。そして、人から人へ技術をつないでいくことが大事なんだと思っています」
1972年。モータリゼーションの幕明け期の高度成長期に、京浜工業地帯の片隅で始まったグローバルマシーンは、のちにUターンという形で、山形の庄内に戻ってきた。技術革新は進むが、それを生かすために必要なのは「人の力」だった。