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鶴岡信用金庫 / 総合職

インタビュー記事

更新日 : 2024年10月25日

「自分が生まれ育った地元のために仕事をしたい」という思いで鶴岡信用金庫に新卒入社した吉住潤は、入社以来、融資渉外担当として外回りの営業活動を続けている。地域行事にも積極的に参加し、地元の人々から話を聞くことが何よりの勉強だという吉住に、仕事のやりがいについてインタビューを行った。

鶴岡信用金庫 事業概要

創業は1926(大正15)年。庄内地方全域と新潟県村上市を事業区域とし、地元の中小企業者や住民が会員となって互いに助け合い、発展していくことを運営理念とする相互扶助型の金融機関だ。愛称は「つるしん」。 経営理念として掲げているのは、「信用・信頼・しんきん感」の基本理念のもと、「地域の中で最も、身近で、便利で、頼りになる」地域の金融機関として評価を得ること。地元のお客さまからお預かりした大切な預金積金を、地元で資金を必要とする中小企業や商店の経営者をはじめとするお客さまに融資し、事業や生活のお手伝いをするとともに地域経済の持続的発展に努める。 2016年より、東北公益文科大学 経営コースの平尾清教授を塾長に迎え、地域貢献できる人材育成を目的に「鶴岡信用金庫若手経営者塾−マネジメントキャンパス−」を創設。起業を予定する人物など毎期30人の参加者を募り、年間8回の講義を開催し、10年かけて300人の卒塾生を輩出する長期的な取り組みだ。卒塾生には、WAKAZE代表取締役の稲川琢磨や瀬尾医療連携事務所代表取締役の瀬尾利加子などが名を連ねるなど、早くも一定の成果を上げている。本店営業部長を務める藍博之執行役員は、鶴岡信用金庫での仕事について次のように語る。 「信用金庫に入社して営業を始めると、1年か2年の間は売上金額や融資の件数などで手一杯かもしれません。しかし、徐々に慣れてくると、数字のために無理をするのではなく、お客さまが何を望まれているのかをきちんと理解して、そこに自分が何をご提案できるのかを考えられるようになってきます。そうなれば業績は後からついてきます。お客様への情報提供と連携を通して地域に貢献できることが、鶴岡信用金庫の仕事の醍醐味だと考えています」

「生まれ育った地元で、せっかく地元のために仕事をするのなら、できるだけ多くの業種に関われる仕事をしたいと考えました。私が就職先として金融機関を選んだ大きな理由の一つです。様々な業種の方とつながり、そのお手伝いをすることによって広く地元に貢献できるのではないか。最も携われる分野の幅が広く、多くの業種に関われる仕事として思い浮かんだのが金融機関だったんです」

金融機関を就職先として選んだ理由についてそう語る吉住潤。さらには、銀行ではなく営業範囲が限定された信用金庫だからこそ、自分がお客さまのために何かをすれば、形となって地域に還元することができる。地域の方々からお預かりしたお金を、地域で資金を必要とする方々に融資という形で循環させ、貢献できることが信用金庫に入社した動機であり、日々の原動力になっていると語る。

「お客さまとお会いしたら、まずはお客さまからお話を伺えるようになるために、いかにして信頼関係を築けるのかを考えます。自分が何者なのかをわかっていただくために、自分の仕事内容や背景などをお伝えするようにしています。自分のことを少し知っていただけたら、徐々にお客さまにもご自身のことを話していただけるようになると考えています。そうして信頼関係を築けたら、お客さまのために何をできるか、次の段階に進むことができます」

鶴岡で感じる人のつながりの深さ

鶴岡信用金庫の営業地域は庄内地方であり、かつて渉外担当は、商店街を集金して回ることを主な業務としていた。しかし現在は、商店街に現金が日々集まる時代からは変わった。例えば郊外型の商業施設であるイオンモール三川に庄内全域から人が集まるようになり、元は水田だったエリアにサイエンスパークが生まれて学術と産業の拠点となったように、時代に応じて渉外担当者の活動領域と内容は変化を続けている。ただ、活動の原則は変わっていない。

「預金を入れてくださるのが庄内の個人や企業の方々で、それを資金としてご利用いただくのもまた、庄内の個人や企業の方々です。相互扶助が基本にあって、融資審査をした上で地域の資金の循環を担うのが私たち金融機関の役割だと考えています」

以前、市内で一軒の飲食店の拡張工事が行われた時のことを話してくれた。

「最初はそのお店のかたから、『もう少し席数を増やしたいんだけど』とざっくりとしたご相談をいただきました。お店の隣が駐車場だったので、そこに増築できないかこちらの方で試算しました。1日に平均で何人ぐらいのお客さんが来ていて、平均単価がいくらぐらいで、という話を伺いながら、工事費用などの試算を行ってご提案したわけです。

『ぜひやりたい』とおっしゃったので、実際に融資をして拡張工事も無事に完了しました。その時には、『親身になって相談に乗ってくれてありがとう。吉住さんに相談してよかった』と言っていただけて、この仕事をしていた本当によかったと思いました。地域の人々のお役に立てた時の喜びは非常に大きいです」

吉住は高校卒業までを鶴岡で過ごし、宮城県の大学を卒業して再び鶴岡に戻ってきた。地元にこだわる理由に、地域内での人々のつながりの深さがあるという。

「宮城で人と人とのつながりが希薄だと感じたわけではありませんが、例えば高校時代に私は野球をやっていて、よく試合に大勢のOBが見に来てくれていたんですね。すごく親身になってチームを見てくれて、みんながとても楽しそうに応援してくれるんです。その感じがすごく好きで、鶴岡では深い人付き合いをして、幸せに暮らせるんではないかという思いがあったので、鶴岡での就職を目指したのです」

もちろん単純に人のつながりの度合いを地域ごとに比較することはできない。しかし吉住は、仕事を続けながら、鶴岡での人間のつながりの特徴についてひとつ確信を持ったという。

「困ったことがあったときに相談できる人が大勢いて、また相談してくれる人も大勢いる、と感じている人はおそらくこの地域に多くいらっしゃると思います。人から頼られて相談してもらえるのはすごく嬉しいことです。私が仕事で色々なお客様に会うと、『家を直したいんだけど誰かいい人を紹介してもらえないか』と地元のおばあちゃんに相談されることなどがあるのですが、金融機関の職員とわかっていながらもそういう相談をしてくださるのは、もはや一信用金庫の渉外担当以上の感覚で接してくださっているということだと思うんです。そうして家族のように見てくださるというのであれば、こちらもそれに応えたいですし、親身に対応することを常に心がけています」

笑うことで気持ちを前向きにする

普段の営業活動の傍ら、吉住は鶴岡信用金庫の野球部に所属し、キャプテンを務めている。部員はおよそ20名。高校時代に野球部に入っていたメンバーがほとんどで、先ごろ福島県で郡山信用金庫と練習試合をしたときも、緊迫した試合展開だったという。

「鶴岡信用金庫の社員は200人ほどなのですが、野球部の活動を通じて他支店の社員と交流ができますし、試合を応援してもらって、信用金庫内で横のつながりができるのはいいことだと感じています。試合に勝たないと役員からのプレッシャーはありますが、それも励みになっています(笑)」

誠実に営業活動を行い、野球部をキャプテンとして率い、私生活では生後半年のお子さんを持つ父親としても責任感を持っている。色々な役目を果たすために心がけていることが一つあるという。

「私が大事にしているのは、笑うことです。仕事でうまくいかなくて落ち込むこともあるんですが、そういうときにはふさぎ込んでしまわずに、前を向くようにしないといけません。失敗を反省した上で、できるだけ笑うようにする。夫婦で夜泣きする赤ん坊に手こずっても、笑うようにする。自分が笑うと相手も笑ってくれるので、前向きな空気になると思うんです」

人と人とのつながりを大切にし、営業を通して融資の輪を広げることで、地元の発展に貢献する。鶴岡信用金庫の相互扶助の意識が、吉住の営業活動を支えている。