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想いをカタチにする。住みたい家、住みやすい街を現実にする創造性と専門性

株式会社丸高 / 建築および土木技術職

インタビュー記事

更新日 : 2024年08月20日

「街を作るためには、モノやカタチを作るだけではだめ」と話すのは、創業から70年の歴史を持つ株式会社丸高の代表取締役・高橋剛だ。一般の住居や事務所、工場などの建築工事、道路工事などの土木工事を手がける建設会社が“モノを作るだけではだめ”と言う。「我々は、街づくりという観点をもって仕事を考えています。そこから始めることで、機能性だけでない、住みたい家、住みやすい街が生まれると思っています」。建築、建設を街づくりと捉える会社で、建築の現場、土木の現場、さまざまな会社と関わる経理の各々のステージで働く三人に、それぞれの仕事が街づくりとどう関わっていると考えているか聞いた。

株式会社丸高 事業概要

昭和23年(1948年)に創業。70年の歴史を持つ建設会社だ。時代と共に変化する住環境のニーズをとらえ、「お客様が今何を一番望まれているか」をとことん追求しカタチにしてきた。地域特有の気候風土で培われてきたノウハウをもとに、現在は住居や事務所の建築や、道路工事や河川工事などの土木インフラの分野でも活躍している。酒田に本社を置きながらも、山形支店(山形市)、仙台支店(仙台市)を持ち、広く東北エリアにおいて建設工事を行っている。 代表取締役の高橋剛は「モノ、カタチを作るだけでなく、常に街づくりの観点から仕事をしたい」と話す。また「現在は時代の変わり目。だからこそ建設業の出番」とも。現在の都市の状況を冷静に見つめ、これからの都市のあるべき姿を創造して“街づくり”を見据えながら住居を建て、道路を作る。そうすることが結果的に“より快適な生活”につながる。ただモノを作るだけでない、想いをカタチにする建設業を担うのが丸高だ。

-株式会社丸高は、住居の建築から土木工事まで手がけていますが、みなさんのご担当を教えていただけますか。

佐藤一志:わたしは建築の現場監督です。住居やビル、事務所、工場といった建築物全般ですね。

佐藤拓己:わたしは公共工事を主に、河川の工事や土砂崩れ対策の工事など、土木工事の現場監督をしています。

奥山秀:ふたりは現場に出てモノづくりを主として働いていますが、わたしは経理業務を担当しています。

佐藤一志:建築は、お客様が直接使うものが多いので、「ありがとう」といった利用者さんからのレスポンスが早いのでうれしい。土木はどうなの?

佐藤拓己:たしかに土木は公共工事がメインなのでそういう利用者さんの直接的な言葉が届くことはほとんどないです。技術力や現場力といった多くの項目で評価をされるので、「次も頼みたい」といった言葉をいただくことはあります。

佐藤一志:でも、地域生活への貢献という意味では土木の方が影響が大きいですよね。

佐藤拓己:最近では平成30年3月に開通した、余目酒田道路工事に携わっていました。渋滞緩和の目的だけでなく、災害時の緊急輸送路の確保や救急医療体制の充実を図る道路でもあります。加えて、この道路が開通することで庄内、最上両地域の連携強化が期待できるという目的もあります。そういうニーズを実現することで生活が変わる、つまり街づくりの一旦に関わることができたといううれしさはあります。もちろんひとりで作った、ひとつの会社で作ったというものではないのですが、その道を通ったときに「ここは自分が仕事をした」というふうに思うこともありますね(笑)

-丸高は“街づくり”ということを意識された建設工事をされていますが、みなさんはどのように感じていますか?

佐藤一志:いまはこれまでに建てられてきた住居、ビルが、年数も経ており建て替えなどの変わり目だと思っています。酒田大火が1976年ですから、40年以上経つんですね。その災害により新たに建てられたものも築40年以上ということになります。それはひとつの象徴的な例ですが、そのほか住居やビルなどが多く建てられた時期でもありました。それらの老朽化が進み、補修・改修が必要となる。もしくは取り壊して新たに建設する。そういう変わり目だと思います。

佐藤拓己:それは土木などのインフラも同じですね。自然環境が厳しいのもあるかもしれません。海があるので津波対策もするし、風の対策もしなくてはいけない。冬になれば、大雪と地吹雪もあります。そういった要因で補修が必要になることもあります。それに加えて、生活様式が変わることで新規に道路や河川の工事、土砂崩れの工事などのニーズも増えています。

佐藤一志:そういう、生活が変わる時期というのは、“街づくり”の出番なんですね。

奥山:わたしは経理なので、ふたりのように現場で実際にモノづくりをしているわけではありませんが、この会社が地域に育てられているという感覚があるんです。弊社は住居から公共工事まで幅広く手がけているので、経理の仕事をする上で、一個人から規模の大きな会社まで、さまざまなお客様とお話をする機会があるんですね。そういうお話を聞いていると、地域があって、生活があって、といろいろな視点があって、それぞれと向き合うことで会社もいっしょに育っているという感覚がします。だから街づくりという視点を持って、ある意味で恩返しのようなことができたらと思っています。

-これからどのような街づくりをしたいというビジョンはありますか?

佐藤拓己:難しいですよね。土木工事の担当としては、まずは目の前の工事を地道にやっていくということしか言えないかもしれないですね。土木工事は生活に密着したものなので、それによって生活が変わっていく。工事を終えることで、生活がきっと快適なものへと変わっていくと思っています。

奥山:工事をしている人間として、普段気がつくこともありますか?

佐藤拓己:ありますよ。車で走っていてここを直したほうがいいなとか。生活している人の多くが感じることかもしれないですけど、ここに道路が通ったら便利になるなとか。ただ、話に出た余目酒田道路は、計画決定が2003年で完成したのが2018年なので15年もかかっているんです。その間にも生活様式みたいなものは変わっているでしょうから、難しい問題だと思うときもあります。

佐藤一志:県外の大学に行ったんですね。長男だったのでいつかは酒田に帰って来るんだろうなとは思っていましたけど、実は帰ってくるときには「まだあそこには帰りたくない」と思っていたんです。つまらない、寂しい街とか思っていたんですかね。あまり覚えてはいないですけど、少なくともあのとき思っていた“あそこ”がいまは“ここ”で、さらには“ここをどのような街にしていくか”ということに携わっているわけですよね。わたしは生きていく中で一番に考えているのが「家族」。そのあとに地域と仕事というのが来るという感じなのですが、家族、地域、仕事というのがすべて合わさって思うのが、最後には戻ってきてもいいと思える街づくりですね。息子が学校や仕事でどこか県外に行きたいといえば、反対はしないですけど、最後には戻ってきてくれるような街にしたいと思っています。