ブリラーノが、店名のキラ星の如くオープンしたのは今から15年前。オーナーの本間夫妻は、奥様がイタリアで料理を学び、ご主人が関東や関西で中華、薬膳、フレンチと腕をふるった経歴を持つ。「一店でいろいろな国の料理が楽しめる」そのメニューは、パスタ、ピッツァ、魚介・肉料理、デザートと、どれも本格的な中に独自のセンスが光る。「地産食材を生かした料理を基本に、珍しいイタリアの郷土料理などを楽しめるのもうちの個性です」。

また、器使いも創作的で、赤や黒の色皿をいち早く使いこなし、SNS時代以前から“映える”料理を提供してきた。それが功を奏して、オープン当初から若い女性客が多く足を運び、今では彼女たちが子どもや両親を連れて訪れるという。「そういうお店になることが理想でした」。かつてのカフェブームに止まらず理想を叶えることができたのは、“他とは違うものを”との想いを貫き、常に発想し、オリジナリティを磨いてきたからだろう。この店で他国の味を知り、食材を知った人も多いのではないだろうか。
「いろいろな食材、さまざまな料理をもっと地域に伝えたい」。庄内でこんな野菜が?! この料理は初めて食べる味! 発見と驚きがあり、洒落っ気があり、ちゃんとおいしく、がブリラーノの流儀。「食べることはたのしい」を知る食体験は、きっと誰かと分かち合いたくなるはずだ。