故人と家族を繋ぎ、自分のルーツを知る墓石
古くから人々の生活や文化を支えてきた石工の仕事。
人類誕生以来、木材と並び最古の建材として用いられてきた石は頑丈で風化しにくいメリットから重宝されてきたが、加工しにくいというデメリットもあった。そのため、昔は城壁や宗教施設、道路、橋梁など特に重要な分野に用いられてきた。現在は加工技術も飛躍し、庭先を飾るモニュメントなど様々なシーンで見られ、中でも、石工の仕事として人々の生活に密接に関わるものの一つに墓石が挙げられる。
人の暮らしと共に形を変える石材店
石材店として、名前・戒名彫刻 納骨のサポート、墓石の傾き直しや修理・リフォーム・墓石の引っ越しなども手がけている増木石材店。
近年お墓に対する意識が変化しつつあるのを感じるという増木さん。変化の軸となっているのが少子高齢化と住宅の変化ではないかという。
従来のお墓といえば寺院や霊園の管理のもと決められた区画に墓石を建て、永代供養料を支払うタイプが一般的なスタイル。都会に移住し、地元へ墓参りに帰るのが困難であるなどの理由から先祖代々が眠るお墓を維持していくことが難しいという方は、納骨堂などを選択する方も増えているそう。
そんな中でもやはり先祖代々が眠る墓を維持したい、大切にしていきたいという方の声に応えるべく、定期清掃や管理、お墓周りの雑草対策として砂利入れ直し、防草土、石貼りなどの対策も行っている。「毎回の草抜きが負担になっている方には防草シートや砂利などを提案し、呉の地形的に階段が多くお参りに行くのが大変だと言う方にはお引っ越しを提案するなど墓石に携わるものづくりだけでなく、関わる方が負担なく、長くお墓を維持できるよう、サポートを行っています」。
「石材店は時に力仕事も必要ですが、石という自然物に触れることができ、人のためになれるものづくりに携わることができる魅力的な職業です。現在は機械を導入している部分もあるのでやる気と学ぶ気持ちがあればものづくりが初めてという方でも大歓迎です。私たちの技術を必要としている方の手助けを一緒に頑張ってみませんか」。