ずっと好きだったパンの世界に飛び込もうと社会人の頃に一念発起した店主の桧垣弥生さん。

それまで勤めていた会社を辞め、専門学校に入学、

自身が理想とする天然酵母でパンを作る女性オーナーの元、神奈川県で１年半の実績を積んだ。

「オーナーさんがとても素敵な方で、勤務１日目からパンの成型など重要な仕事に関わらせていただきました。

忙しかったけど、おかげでノウハウがしっかり身に付きました」。

その後、地元である吉浦にＵターンし、２０１５年12月に実家を改装、「うみねこベーカリー」をオープンした。

お店は閑静な住宅地にあり、店内の窓からは穏やかな海辺の風景が広がる桧垣さんの小さなお城だ。

早朝３時から仕込みを始め、開店の10時にはほぼ全てのパンが並ぶ。

選ぶ楽しさも感じてほしいという思いから、パンのレパートリーは約45種類と豊富だが、

数に限りがあるため、午前中の来店がオススメ。

桧垣さんが作るパンは天然自家製酵母（小麦・ライ麦の酵母）で油や砂糖をほぼ使用せず、

カロリーが少なめなハード系パン。

全粒粉のカンパーニュなど噛めば噛む程味わいが深くなり、

オリーブオイルやジャムなどアレンジもしやすいものが多い。

朝食だけでなく、スープの付け合わせなど、〝食事パン〟としても活躍する。

「辺鄙な場所にあるパン屋ですが、ＳＮＳで見つけて下さって、遠方から訪ねてきてくれる方もいます。

近所の方も定期的に通って下さって本当にありがたいです。

お年寄りの方にもヘルシーなパンなので、お客様の日々の生活のお手伝いができれば嬉しいですね」。

がりっとした固い皮に、麦の芳醇な香りが広がるハード系パンは華やかな見た目ではないけれど、

素朴なパンの一つひとつに桧垣さんのパンへの愛情と食べる人への優しさが詰まっている。
 

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もちもちもっちじゃがいもパン
マッシュしたじゃがいもを生地に練り込んだもちもちの生地でサンドイッチのアレンジもオススメ（500円）。

全粒粉カンパーニュ
小麦粉を丸ごと粉にした全粒粉を使用。芳ばしさをしっかり感じられる。そのままでも軽く焼いても美味（430円）。

レーズンバターサンド
レーズンのカンパーニュにラムレーズンバターをサンドした大人のおやつ。冷やす、包み焼きと楽しみ方色々（250円）。

※材料費高騰のため値段の変動する場合あり。