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人と人がつながって、中小企業を支え、まちを支える仕事

特殊法人山形県信用保証協会 / 【中途採用】山形の中小企業を支える総合事務職

インタビュー記事

更新日 : 2025年03月28日

全国各都道府県にある「信用保証協会」。信用保証と経営支援を両輪に中小企業の支援を行っている「公的機関」である。
今回は山形信用保証協会に話を聞いた。すると見えてきたのが、信用保証、経営支援という仕事は決して事務的な仕事ではなく、人と人のつながりという体温を持った仕事だということだった。

特殊法人山形県信用保証協会 事業概要

信用保証協会とは、国の定める信用保証協会法に基づき設立される認可法人で、全国に51協会設置されている。山形県は、1949年に財団法人として認可設立され業務を開始。1954年に信用保証協会法に基づき、特殊法人に組織変更認可を受け現在の法人格となった。
 信用保証とは、中小企業が銀行等の金融機関から事業資金を調達する際に「公的な保証人」となり資金調達のお手伝いをすることである。実に山形県内の中小企業の約4割が山形県信用保証協会を利用している。
 経営支援業務においては、創業期、成長期、再生期など企業のライフステージに応じた各種支援を行っている。一般的なコンサルタント業務とは違い、金融機関とも密に連携をとり、各種専門家も交えながら、より企業に寄り添い、中小企業の抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。


山形県の縁の下の力持ち

 信用保証協会という名前を聞いても、具体的にどのような業務を行っているのか、すぐに思い浮かぶ人は多くないだろう。金融機関に関わる組織なのだろうとは推測できても、誰に対してどのように保証をしているのか、その内実まではほとんどの人が知らないだろう。山形県信用保証協会の総務統括課長を務める、加藤も「新卒で入社しましたが、それまではまったく存在を知りませんでした」と笑って話す。
「私たちは信用保証を主な業務としています。中小企業の方が金融機関に事業資金の相談をして、その金融機関から私どもに保証調査依頼が来るというのがオーソドックスなパターンです。そのため、経営にかかわる方以外にはあまり知られていない仕事かもしれません」

 しかし、山形県信用保証協会は、現在、県内にある中小企業の約4割にあたる、約1万5000社の保証を行ない、スムーズな事業資金の調達を支援している。加藤の言葉を借りれば、決して表に出るような「派手な仕事」ではないけれども、中小企業の方にとっては「必要な仕事」である。

経営支援も行い、山形県の企業を活性化させる

 山形県信用保証協会が行っているもうひとつの大きな業務が経営支援業務だ。創業支援も含めて、中小企業のライフステージに応じた支援業務を行っている。資金面での支援だけでなく、例えば創業支援では創業計画書の立て方といった業務の支援活動を行っている。また成長期においては、社内体制の整備や新規事業の立ち上げなど経営に関する課題が多岐にわたるので、専門家を派遣し、金融機関と連携したりして総合的な支援を行っている。「私たちが目指しているのは、伴走支援ともいうべきものです」と言うのは、企業支援部経営支援課主査の武田だ。「創業期に資金繰り支援をして終わり、といった形ではなく、中小企業が直面する課題の解決や描いた未来への到達のためにずっと寄り添って支援ができればと考えています」と話してくれた。

 本店営業部で主に信用保証業務に携わる菅野は「金融機関の担当者とコミュニケーションを密にし、保証審査を行っています。決算書等、相談先企業の実績値を参考にしつつ、より具体的な事業計画が描けているか、内包するリスクなども都度協議し案件組成に取り組んでいます」と言う。

人の想いを実現する仕事

 続けて菅野はこうも言う。「特に創業者の場合、まだ実績がない状態なので、業種や市場動向の理解を深めるとともに、より現実的な創業計画の作りこみを大切にしています。また、創業者の想いという部分は事業成功のカギになると考えています。担当者としても創業者と直接会って、お話をして、想い描くビジネスビジョンを共有することが大切だと感じています。入社した当初は、信用保証業務というと事務仕事のようなイメージがありましたが、実際はとてもコミュニケーションが必要で、人と人とのつながりが重要な仕事だと感じています」と話してくれた。

 武田も同じく「菅野の言った『想いを実現する』というのはまさにその通りだと思います。そうして山形の中小企業を支え続けるのが私たちの仕事だと思っています。それはまちづくりにもつながる仕事だと感じています」と話してくれた。

 信用保証協会の業務は、経済的な危機時にそのニーズが高まる仕事でもある。2019年から始まった新型コロナウイルスの流行の時期も、信用保証申込が殺到した。一方、経営支援業務においては、「コロナ禍は何とか落ち着いたといえますが、コロナ禍を経て変化したライフスタイルや消費マインドなどの環境変化もあり、経営支援ニーズはむしろ高まっているのが現状です。世間的にコロナ禍が終わっても、中小企業としてはこれからがもっと重要になるからです。だからこそ経営支援は終わっておらず、今はまだ伴走を続けるスタート地点にいるという認識で、中小企業の方を支えていきたいと考えています」と武田は話してくれた。

キャリアも私生活もどちらも大切に

 金融機関における審査は日々変化している。また、経営支援は様々な状況を見極め、新しい情報にも対応していかなくてはいけない。当然、職員の成長も必要な仕事となってくる。そのため、職員のキャリアアップに対して山形県信用保証協会は大きな支援をしている。階層別・課題別の研修はもとより、資格取得をサポートする体制は充実している。武田も国家資格である中小企業診断士の資格を取得したが「対策講座や受験料などの金銭面のサポートももちろんですが、資格取得のために時間を割くことに対して、周囲の職員が応援してくれる前向きな雰囲気がすごくいい、気持ちが楽だと感じましたし、その期待に応えたいという気持ちが強くなりました」と言う。

 また、福利厚生の充実はもちろん、例えば産休、育休を取るといったことにも、武田の言う社内的な雰囲気はとてもいいと言う。菅野は「私も産休、育休を取らせていただきました。その間、周囲の職員の方々にはご負担をおかけしましたが、他部署の方も含めて全体でカバーしていただいたので、気持ちに余裕を持った状態で産休に入ることができました」と話してくれた。武田も育休を取得しており、「男性で育児休業、それも半年という長期で取ったのは私が初めてだそうです。いまどき男だ女だとかいうそんな時代ではないと言われそうですが、残念ながらまだまだ世間的にはそういう部分は残っているかもしれません。でも、私の場合はまったくそんなことはなく、むしろ育休に入るときに、みんなが集まって笑顔で送り出してくれました。『いや、辞めるわけじゃないんですけど』って笑ってしまうぐらいでした」と武田は当時を振り返り話をしてくれた。

 「仕事一辺倒になるべきではないと私たちは考えています。支えてくれる家族があって、そして自分があって、健康がある。だから、いい仕事ができる。そんなふうに考えています」と、このエピソードを話すと加藤は笑っていた。それを聞いて、その気持ちはもしかしたら山形県信用保証協会の理念に大きく関わっているのかもしれないと感じた。中小企業は企業として利益を上げることだけが目的ではない。創業者や働く人の想いがあって、それぞれの家族があって、それぞれの生活がある。結果的にそういったことすべてを総合的に支援するのが、この仕事の究極の目的なのかもしれない。