地域社会のニーズに応える
株式会社新庄・鈴木・柴田組は、山形県新庄市に本社を構える総合建設業者だ。2012年に、株式会社柴田組、新庄建設株式会社、鈴木建設会社、柴田重機運輸株式会社の4社の事業を承継し、現在の体制となった。社員は180名を数える大所帯だ。
事業内容は、土木事業、建築事業、住宅事業、舗装事業、運輸事業、不動産事業など多岐に展開している。特に、災害復旧工事や公共インフラ整備、エコ住宅の提案など、地域のニーズに応える多角的な取り組みが同社の特徴だ。
たとえば、2024年7月の最上地域での水害では、被災地の住民生活を守るため、翌日から堤防修復に着手。猛暑の中、昼夜を問わず作業を続け、わずか1週間たらずで堤防亀裂の修復を完了させた。この迅速な対応力と地域への強い責任感が同社の真骨頂と言える。
「3つのS」で支える働きやすい環境と成長機会
新庄・鈴木・柴田組は「Satisfaction(満足)」「Symphony(調和)」「Safety(安全)」の3つの「S」を基本理念に掲げ、「技術力」×「チームワーク」を重視している。この理念のもと、社員一人ひとりが同じ方向を向き、結束して働ける環境づくりに力を入れている。その一環として、充実した研修制度が設けられ、社員のスキルアップを支える。この制度は、新入社員から中堅社員、さらには専門技術者まで、それぞれのキャリア段階に応じた支援を提供し、社員のスキルアップを全面的にバックアップする。
新入社員研修では、社会人としての基本的なマナーや業界知識、業務に必要なスキルを学び、会社の理念や事業内容への理解を深めることができる。その後も定期的にフォローアップ研修が実施され、先輩社員が伴走しながら現場での実務スキルを磨く機会が提供される。
そして入社2~3年目を対象とした研修では、これまでの経験を振り返り、今後の目標を明確に設定することを重視している。自分自身の成長を見つめ直し、さらなるステップアップを目指すキャリアプランを具体化する。
また、専門技術研修では、吹き付け断熱工事などの最新技術を学ぶことができ、実際の業務に直結するスキルの習得が可能だ。さらに、自己啓発支援制度を活用することで、社員は自主的にキャリア形成に取り組むことができる環境が整えられている。
さらに、建設業界において特に重要な安全管理研修では、入社から5年目までの社員を対象に、安全意識を高める教育が行われており、全社員が安全な作業環境を維持するための知識と技術を学んでいる。
これらの研修を通じて、新庄鈴木柴田組は、社員が現場で即戦力として活躍できるだけでなく、長期的な成長を見据えたキャリア形成を支援する仕組みを提供している。
地域の未来を見据える
建設業界の魅力を若い世代に伝えるべく、学生を対象としたインターンシップを実施。建築、施工管理をはじめ、経理や営業といった幅広い職種を体験できる。実際のプロジェクトに携わりながら、先輩社員からの指導やフィードバックを受けられるこのプログラムは、業界のリアルを知る貴重な機会だ。
インターンシップを経験した参加者からは、「会社の雰囲気が良く、実務を通じて業界理解を深められた」「この経験が就職活動に役立った」といった声が多く寄せられている。代表の吉田秀夫は「建設業が地域にとっていかに重要で、やりがいがある仕事かを伝えたい」と語る。地元のインフラを支え、まちをつくる実感と喜びを若い世代に共有することが、地域の持続可能な未来を築く一歩と考えているのだ。
SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みにも積極的だ。リサイクル活動やエコ住宅の普及だけでなく、性別や年齢を問わず働きやすい職場づくり、地域の学校への教育支援など、多岐にわたる活動を展開。地域全体の発展を視野に入れた取り組みを進めている。
これからも、地域の声に耳を傾け、挑戦を続ける同社の取り組みは、多くの人々に安心と希望を届けるだろう。そして、未来を共に築く仲間とともに、新庄鈴木柴田組はさらなる飛躍を目指していく。