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有限会社金原ダイカスト工業 / ダイカスト鋳造工員

インタビュー記事

更新日 : 2024年03月19日

「アルミダイカスト」という事業を山形市内で行っている「有限会社金原ダイカスト工業」。

みなさんは「ダイカスト」という言葉をご存知ですか?なかなか聞き馴染みのない言葉かと思います。

 

どんな事業をおこなっているのか、会社を経営する上でどんな思いを大切にしているのか、金原社長へお話を聞いてきました!

有限会社金原ダイカスト工業 事業概要

平成4年に「有限会社金原ダイカスト工業」を設立。

設立当初から現在に至るまでダイカスト事業を一貫して行っている。

 

ダイカストとは、金型鋳造法のひとつであり、精密な金型に溶融した金属を高速高圧で圧入することにより瞬時に成形する技術および製品のことである。

特にアルミダイカストは、軽量かつ耐久性に優れ、リサイクルも可能なので省エネルギー・省資源など環境保全に役立っている。

 

少人数で経営していながら、工場内の作業は全員が一通りできるなど全社員が最前線で活躍している。

安孫子ーー金原社長!今日はよろしくお願いします!

 

金原社長ーーよろしくお願いします!

 

1.少人数ならではの強みと課題

 

安孫子ーー会社が設立してから何年になりますか?

 

金原社長ーー設立したのが平成4年ですので31年になります。創業は昭和55年なのでまもなく44年です。

 

安孫子ーー事業内容を教えてください

 

金原社長ーーダイカスト事業を行っています。金型鋳造法のひとつであり、精密な金型に溶融した金属を高速高圧で圧入することにより瞬時に成形する技術、製品のことを言います。そして、高気密高品質の部品です。私たちがつくっているダイカスト製品は、実は皆さんの身近な生活の中で使われているモノが多いです。例えばフライパンやホットプレートなどもダイカスト製品です。その他にも外観では見えない部分で使用されています。仕事は親会社から頂いて、弊社自社工場で鋳造を行い親会社へ納品するという流れです。その後、各メーカーに納品します。

 

安孫子ーーいろんな分野の部品を作っているんですね!


 

安孫子ーー社員数は何人ですか?

 

金原社長ーー私含めて8人です。少人数で事業を行っていますが、ならではの強みもあります。意思疎通が取りやすいというところです。私自身から社員に対して何かを伝えるときもそうですが、社員からの意見や要望などもダイレクトにもらえるのでスピード感を持って対応できます。

 

安孫子ーー素晴らしいですね!逆に課題などはありますか?

 

金原社長ーー現状リーダーがいないので、作業の指示やトラブル対応は基本私が軸となり行っています。様々なことに気を配れて、現場をまとめ指示ができるようなリーダーを育てなきゃいけないというのが課題です。

2.会社の転換期

 

安孫子ーー朝礼や終礼などは行っていますか?

 

金原社長ーー朝礼のみ行っています。

 

安孫子ーー朝礼ではどのようなことを行っているのですか?

 

金原社長ーー工場は24時間稼働しているので、夜勤のメンバーと作業内容など引き継ぎを行ったり、日勤のメンバーが出勤したら、13の徳目を日替わりで発表しています。

 

安孫子ーー工場は24時間365日稼働ですか?

 

金原社長ーーいいえ、土日は休みです!GW、お盆、年末年始もしっかり有ります!(笑)平日は溶かしたアルミを効率よく使用し、エコの為に工場を停めず24時間稼働しているということです。

 

安孫子ーーこれから会社を変えていかなければならないと思うことはありますか?

 

金原社長ーー数年後に新工場を建て移転する計画がありますので、将来のことを考えると親会社から仕事をもらうだけではなく自分たちで仕事を取ってこなくてはいけないと感じています。

 

安孫子ーー方針を大きく変えるんですね!

 

金原社長ーーそうですね!転換期かなと考えています。まずは私が営業をして案件を取ってきたいなと思っています。

 

3.自分さえ良ければ良いは✕

安孫子ーー会社を経営していくうえで社長自身が大切にしている思いや意識していることは何ですか?

 

金原社長ーー「自分さえ良ければ良いはやめよう」です。まずは自分たちが幸せになって、その幸せを他の人にも分けてあげようということが大事だと思います。会社でいうと、利益を上げるために業務の無駄をなくして一人ひとりのモチベーションを上げ、社員全員で利益につなげて幸せになろうということです。自分だけが良ければ良いという精神で働いていても、会社の利益には繋がらず、結果その人にも還元されず幸せになれませんから。

 

安孫子ーーなおさら少人数でチームプレイが大切ですからその考えはとても大事ですね!

 

金原社長ーー本当にそのとおりです!

 

安孫子ーー社員さんに対して意識させていることはありますか?

 

金原社長ーー「自分の目で確認する」です。例えば、今目の前にテーブルがありますが、拭いたか拭いていないか分かりますか?

 

安孫子ーーパッと見分からないです

 

金原社長ーーそうですよね。確信が持てないと思います。こういった場合は自分で拭けば良い話です。そうすれば拭いたことが証明されますし、誰かに聞かれても「拭きました」と堂々と言えます。これを「誰かが拭いたと思います」業務に置き換えれば「誰かが確認したと思う」「確認したと聞きました」と確証が持てず、トラブルのもとになります。だから、「自分の目で確かめる」ということは常日頃から意識させています。

 

4.みんなで登山!

 

安孫子ーーどんな人に入社してほしいですか?

 

金原社長ーー人として成長したい人です。仕事だけできても、中身がだめだと人に優しくできなかったり、自分さえ良ければ良いというふうになってしまうので、そういった方は面接時にお断りしています。少人数ですので、協力していく中で技術の面でも人としても成長していけると思います。

 

安孫子ーーどちらも磨いていけるのはとても良い環境ですね!

 

金原社長ーーそうですね!未経験でも構いません、モノづくりが大好きだという方も大歓迎です!

 

安孫子ーー入社した後はどういった流れになりますか?

 

金原社長ーーまずは必ず先輩社員を付けて、作業方法であったり様々なルールなどをしっかり教えていきます。時間をかけ1人でもできるようになるまでサポートをしていきます。

 

安孫子ーー社内のイベントなどはあったりしますか?

 

金原社長ーー花見会や芋煮会、忘年会など様々行います。また、健康経営の一環で登山を行っています。

 

安孫子ーー登山!?どこの山に登るのですか?

 

金原社長ーー今のところは蔵王です!足腰が強くなりますし体力がつくのでとても健康に良いです。登山は、一歩一歩無心になれる感じがします。自然の中には、沢山の気づきがあり、それを仲間と共有しています。そして目的地の頂上へ到達した時の達成感は格別です!さらにチームとしての繋がりが強くなるので今後も続けていきたいと思います!

 

安孫子ーー貴重なお話、ありがとうございました!

 

5.社員の方々にもお話を聞いてみました!

 

今回の取材では、有限会社金原ダイカストさんの魅力をより探るために、社員の阿部さんと円香さんと白坂さんにもお話をお聞きしました!

 

安孫子ーーこんにちは。阿部さん、円香さん、白坂さん今回はよろしくお願いします。まずは阿部さんの部署と業務内容を教えてください。

 

阿部さんーー検査部でラインの末端で製品に不具合がないかどうかをチェックしています。

安孫子ーー実際に目で見て確かめるんですか?

 

阿部さんーーそうですね。ゲージやノギスを使用して目視で検査しています。

 

安孫子ーーかなり目を酷使する作業ですね!

 

阿部さんーー1日の後半は目がしょぼしょぼしてくるので、遠くの山を見てリセットしています(笑)

 

安孫子ーー山が見える土地で良かったですね(笑)

 

阿部さんーーどこ見ても山が見えるので助かってます(笑)


 

安孫子ーー入社したきっかけは何ですか?

 

阿部さんーー前の職場で転職を悩んでいる時に、夫が通勤路でよくこの会社の前を通っていて、私に「いつも電気点いてて忙しそうな会社があるよ」と教えてくれたんです。そして夫が直接伺ってくれたんですが、夫と同級生だと発覚し是非力になりたいと思い入社を決めました。

 

安孫子ーーすごい運命的ですね!


 

安孫子ーー仕事のやりがいはどんな時に感じますか?

 

阿部さんーー納品から帰ってきた社長から返品0クレーム0の報告を受けたときです。安心もしますし、自信にもなってまた次も頑張ろうという気持ちになります。それに自信もついてくると仕事を楽しめるので、本当に今の仕事は大好きです!

 

安孫子ーー仕事を楽しめるのは素敵ですね!

先程の社長への取材の中で「自分さえ良ければ良いはだめ」とあったのですが、阿部さん自身も心がけていますか?

 

阿部さんーー検査作業は結構没頭して周りが見えなくなってしまいがちなので、視野を広く持って他の人が困っていたら助けるということは常に心がけています。

 

安孫子ーーしっかり社員さんにも浸透していますね!阿部さんから見て社長はどんな人ですか?

 

阿部さんーーすごく社員想いです。「自分よりも社員」のように気を配ってくださるので、それこそ自分さえ良ければ良いという考えが全く無い方だなと思います。

 

安孫子ーー流石ですね...

 

安孫子ーーどんな人に入ってきてほしいですか?

 

阿部さんーー前向きで活発な人です。新しい刺激を与えてもらえると、負けてられない!と私自身も思うので共に切磋琢磨して成長できれば良いなと思います。

安孫子ーー次に円香さんにお伺いします。部署と業務内容を教えてください。

 

円香さんーー検査部で安部さんと同じく製品のチェックを行っています。

 

安孫子ーー毎日どのくらいの数をチェックするのですか?

 

円香さんーー約5,000個です。

 

安孫子ーーすごい数ですね!

 

円香さんーーそうなんです!さらに少人数ですので検査部だけではなくプレスを行ったり、他の作業のサポートも行っています。全員が同じくらい工場内の作業を全てできるような環境になっています。

安孫子ーー仕事をしていてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

 

円香さんーー自分にしか出来ないことを任されているときです。パソコンの作業を任されるときがあります。学生の頃勉強もしていて、社内の文書関係では私が1番使いこなせるので任されて頼りにされている時にやりがいを感じます。

 

安孫子ーーこれからチャレンジしていきたいことはありますか?

 

円香さんーー入社した頃は「おかしいな」「もっとこうだったらな」など社内の改善点を見つけて改善していたのですが、何年も勤めていると、あたりまえになってきて違和感をもたなくなってきてしまっています。会社を移転するタイミングで、全て見直し改善点を見つけていきたいと思います。

 

安孫子ーー今現在思う改善点はありますか?

 

円香さんーーもっとコミュニケーションを取りやすい環境やレイアウトなど、さらに働きやすい環境を作りたいなと思います。

 

安孫子ーー素晴らしいです...

 

安孫子ーーどんな人に入ってきてほしいですか?

 

円香さんーー作業自体は日々同じことの繰り返しになりますので、自分の中でやりがいを見つけられる人だと良いのかなと思います。繰り返し作業でも、どうやったら効率的にできるか、どうやったらミスを無くせるかなど考えていくべきことはたくさんあるので、常に考えながら作業できると尚良いのかなと思います。

安孫子ーー次に白坂さんにお伺いします。部署と業務内容を教えてください。

 

白坂さんーー鋳造部でダイカストマシンの操作やアルミの溶湯(アルミが溶けた状態)の管理、また後工程のプレス作業や仕上げ作業、金型メンテナンスなどダイカスト全般の業務に携わっています。

 

安孫子ーー入社したきっかけは何ですか?

 

白坂さんーー山形に来たかったというのが1番の理由です。出身は青森県でその後就職のために東京で暮らしていたのですが、結婚して妻の実家が山形にあるということもあり山形で暮らしたいという思いで就職先を探していたところ、この会社と出会い入社しました。

 

安孫子ーーJターンですね!山形に来たかったというのはとても嬉しいです!

 

白坂さんーー本当に来てよかったなと思います!

 

安孫子ーー休日はどう過ごされていますか?

 

白坂さんーー前はキャンプによく行っていましたが、今は子どもが生まれたので子どもの面倒を見ています。いつか大きくなったら連れていくことが夢です。

 

安孫子ーーすごく楽しみな夢ですね!毎日仕事が終わったら家族が待っているのは嬉しいですよね!

 

白坂さんーーそうですね!家族のために頑張ろうと仕事をするやりがいにも繋がっています!

安孫子ーーどんな人に入ってきてほしいですか?

 

白坂さんーー体力がある人です。鋳造となると立ちっぱなしで動き回り、力も使うので体力は大事かなと思います。やっていくうちについていきますけどね!

 

安孫子ーー気持ちの面ではどうですか?

 

白坂さんーー社長もよく言う「自分さえ良ければ良い」というような考えを持った人は合わないです。作業時間内に終わらせないと、次に交代する夜勤の人などに付けが回りますし、少人数ですので結局自分に巡り巡ってきます。協力し他人を思いやりながら仕事することができる人と一緒に働きたいなとおもいます。今は2交代制で人が増えれば3交代制にもできるので、会社を一緒にひっぱていきたいという方がいれば、ぜひ入社お待ちしております!

 

安孫子ーー少人数の中、社員同士協力しながら気配り目配り心配りで仕事をしていて、そして会社がどうやったらより良くなるかしっかり考えていて素晴らしいなと思いました。今回は貴重なお時間ありがとうございました