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新しい商品、取り組みなども積極的に行う、創業70年の歴史を持つ当社で、働いてみませんか?

城北麺工株式会社 / 経理、財務、資金繰り

インタビュー記事

更新日 : 2022年12月10日

山形県民なら一度は見たことがあるであろうCM展開や、昔からの伝統的な文化であるお正月の鏡餅などを製造している「城北麺工株式会社

今では当たり前のように見る鏡餅ですが、実は城北麺工で革新的なアイデアをもたらしていた。

そんな業界の先駆者である城北麺工株式会社をリードし、未来の食を常に見据え挑戦している伊藤社長と長岡取締役へお話を聞いてきました!!


 

城北麺工株式会社 事業概要

山形市城北町に社屋を構え、豊かな日本の伝統食品「めん、もち」を通して、健康と社会に貢献する企業を目指している『城北麺工』

昭和24年6月1日に創業、昭和31年6月27日に設立。

取扱商品としては「乾麺・生麺・茹麺・皮類(ワンタン、餃子、シューマイ)・シングルパック餅・生きり餅・鏡餅・赤飯・ごはん・トッポギ・トック」と多岐に渡り、全て自社製造で行っている。

メジャーな商品を製造している現在も絶えず商品開発を行い、日々食の未来を見据えた事業に取り組んでいる。

安孫子ーー伊藤社長!長岡取締役!今日はよろしくお願いします!

 伊藤社長&長岡取締役ーーよろしくお願いします!

 

1.食糧難時代の配給から始まった...

 

 

安孫子ーーまず最初に社名の由来を教えてください

伊藤社長ーー山形市の城北地区、山形城の北側に位置していて乾麺の事業を行うことから城北麺工となりました。

安孫子ーー事業としては乾麺から始まったのですか?

伊藤社長ーーそうなんです。終戦後の食糧難の時代に麺類を配給していたことから始まりました。当時はどこの製麺業者も規模が小さく配給に十分な供給力がありませんでした。そこでこれを解決するために、山形市内の米配給業者が山形食料加工出資組合を設立・乾麺工場を設立し、乾麺を加工して配給したのが当社の前身です。

安孫子ーー素晴らしいバックストーリーですね!事業内容としては乾麺以外にもありますか?

 

 

伊藤社長ーー餅やレトルトごはん、トッポギなども生産販売しています。

安孫子ーートッポギですか?珍しいですね!今では韓国料理も流行っていますよね。

伊藤社長ーー11年前からトッポギの生産をはじめました。3,4年前から陽の目を浴びだして、今では単品の売上で見るとトッポギが1番です

安孫子ーートッポギが1番なんですね!麺工なので麺が1番かと思っていました。

伊藤社長ーーそう思いますよね(笑)でも実際カテゴリでいうと、餅商品が大きくカテゴリでは1位なんです。しかし核家族化が進み餅を食べるという食文化がなくなってきていて、餅の需要は減っています。そんな中で餅も麺も越えて単品の売上で1位なのがトッポギという訳なんです。

安孫子ーー商品は自社製造しているのですか?

伊藤社長ーー餅の工場と生麺乾麺工場がありますが外注に委託しているものは一切なく全て自社で製造しています。

 

2.ちょっとリアルな話

 

安孫子ーー直近の売上高を教えてください

伊藤社長ーー2022年8月決算で15億5800万円です。

安孫子ーー売上の比率を教えてください

伊藤社長ーー餅が11億2400万円、生麺が2億3100万円、乾麺が2億200万円になります。

安孫子ーー社員数は何名ですか?

伊藤社長ーー86名です。

 

3.今や当たり前の鏡餅を開発

 


 

安孫子ーー会社のターニングポイントはありますか?

伊藤社長ーー1番のターニングポイントは昭和47年のカビない餅の開発です。

安孫子ーーカビない餅ですか?

伊藤社長ーーはい。餅って元々はカビやすいんです。それをカビないよう試行錯誤し綿密に開発して1番に特許を取ったのが、城北麺工なんです!

安孫子ーーすごい!今では日本じゃ当たり前のものを1番に開発したんですね!

 

4.未曾有の事態
 

安孫子ーーあの時は大変だったというエピソードはありますか?

長岡取締役ーー2011年の東日本大震災です。動力を動かす重油が無く工場がストップしてしまいました。設立以来初めての出来事でした。そんな中、被災者の方に城北麺工の商品を届けたいというお客様がたくさん居ました。その願いを叶えるべく、街に協力していただきなんとか工場を再開することができたため、早めの供給を行うことができました。

安孫子ーー会社を経営する上で大切にしていることはありますか?

伊藤社長ーー安心安全な商品をお客様に届けること。造る時にもお客さんが食べて美味しいと思っている笑顔を思い浮かべて製造することです。

 

5.社長自ら...

 

安孫子ーー社長が大切にしている想いはありますか?

伊藤社長ーー「1人でできるものはない」です。必ず自分の周りには誰かが居なくては生きていけないので、社員には常に思いやりを持って人と接して欲しいと思っています。

安孫子ーーその想いを社員の方々に伝える場はありますか?

伊藤社長ーー毎日役員が各工場を朝礼でまわっています。その場で想いを伝えることはできています。他にも私と社員で一緒に鏡餅を作ったり、実際に工場のラインに入って箱詰めをしたりもしています。

安孫子ーー社長が実際に工場のラインに入るんですか!?

伊藤社長ーーそうです!先日コロナの影響で人手が足りない時、私も3日間工場のラインに入りました。

安孫子ーー素晴らしいです・・・

伊藤社長ーー同じ目線になれば良いこと悪いこと見えてきますからね!


 

6.食べ比べてみて!

 

 

安孫子ーー会社としてのアピールポイントはありますか?

伊藤社長ーー他社とは餅のつき方が違います。普通は餅をついてこねますが、弊社は自社精米したお米で36時間以内のものを昔からのキネでついてます。食べ比べていただければ分かります。自信があります!

安孫子ーー食べたくなってきちゃいました!企業として採用面での強みはありますか?

長岡取締役ーー食品工場で自社工場を持っているとどうしても24時間工場を止めずに生産することが多く夜勤込みの3交代制になってしまいますが、城北麺工は夜勤なしの日勤2交代制という点です。昨今の働き方改革で働き手も夜ではなく日中に働きたいという方がほとんどだと思うので、食を扱う会社で働きたいという方にはとても働きやすい環境だと思います!

安孫子ーー終戦後の配給から始まり、現在も多岐にわたる商品を自社製造販売していて、時代を超えて「食」を守っている素晴らしい会社だなと思いました!貴重なお話、ありがとうございました!

 

7.社員の方々にもお話を聞いてみました!

今回の取材では、城北麺工さんの魅力をより探るために、2人の社員の方(四釜さんと齋藤さん)にもお話をお聞きしました!

 

安孫子ーーこんにちは。四釜さん齋藤さん、今回はよろしくお願いします。まずはお二人の部署と業務内容を教えてください。

四釜さんーー部署は商品管理部です。主に商品開発と品質管理を行う2グループがありまして、私は商品開発を担当しております。自社ブランドはもちろんOEMも行っているので、お客様と直接連絡を取り合って商品をつくるのが業務の一部となっています。齋藤と一緒に作業することもあります。

齋藤さんーーそうですね。私も同じ商品管理部です。品質管理検査のサポートだったり、四釜と一緒に商品開発も行っています。

 

 

安孫子ーーお二人同じ部署なのですね!次に入社のきっかけを教えてください

四釜さんーー埼玉の大学に通っていましたが、卒業したら地元山形に帰ってきたいなと思っていました。そんな中、企業説明会で城北麺工と出逢い入社しました。

安孫子ーーまさにUターンですね!

四釜さんーーそうですね!山形が好きなのでUターンしちゃいました(笑)都会に出てから山形の住みやすさを更に身に染みて実感しました。

安孫子ーー齋藤さんの入社のきっかけはなんですか?

齋藤さんーー地元の企業に就職して地元の力になりたいなという気持ちが根底にあってご縁があり入社しました。

安孫子ーー齋藤さんは山形出身ですか?

齋藤さんーーはい!小中高大とずっと山形です!

安孫子ーー県外に出たいという気持ちはありませんでしたか?

齋藤さんーーありませんでした。大学で山形の有名なものや力の入れている物に関わる機会が多かったので、そういったものを社会人になってからも広める力になれればなと思って地元に残っています。

安孫子ーー素晴らしいですね!!休日はどう過ごされていますか?

齋藤さんーー地元の友人とカフェ巡りをしています。

安孫子ーーおすすめのカフェはありますか?

齋藤さんーー七日町にある「ハチノス」さんです。チーズケーキが本当に美味しくて、ランチもやっててすごくおすすめです!

 

8.固定観念を飛び抜ける!

 

安孫子ーー商品開発を行ううえで意識して取り組んでいることはありますか?

四釜さんーー同じ業界の他社様では伝統食品がゆえに活発的に商品開発が行われないことが多いです。しかし私は、決まった固定観念を飛び抜けた商品開発を行って、お客様に発信していきたいと日々情報収集を行っております。伝統食品の世界を広げていきたいと思っております!

安孫子ーー伊藤社長とコミュニケーションを取る場はありますか?

四釜さんーー社長との距離が非常に近い会社です。我々も部署から新しいものを発信するうえで社長からご理解頂くことが重要なことなのですが、いつでもすぐに相談できる距離で風通しの良い職場です。

 

9.餅×昆虫食!?

 

安孫子ーーこれからチャレンジしていきたいことはありますか?

齋藤さんーー食を通した文化の継承だったりライフスタイルの提案などは一つの商品でも届けられると思っています。ですのでお客様に新しい日常の提案ができるよう広い視野でより商品を理解して開発していきたいなと思います。

四釜さんーー伝統食品の良さの再発見をしていきたいと思います。時代が変わりゆく中で、様々なニーズにマッチできるような商品を開発していきたいなと思います。

安孫子ーー現在開発中のものはありますか?

四釜さんーーコオロギ餅です!

安孫子ーーコオロギってあの昆虫のコオロギですか!?

四釜さんーーそうです。あのコオロギです(笑)未来の食糧危機を救うと言われている食用コオロギというものがあるのですが、それをパウダー状にして餅に混ぜた商品を発売したいなと開発を進めております。香ばしく栄養も豊富で、昆虫食の一歩としてはとても良い商品かと思います。

安孫子ーー面白い取り組み!まさに先程四釜さんからお話があった、様々なニーズにマッチできるような商品開発ですね!

 

10.恥ずること無く人に頼る

 

安孫子ーー自分の大切にしている価値観はありますか?

齋藤さんーー「十人十色」です。社会人になり人間関係がガラッと変わり、様々な年代の方と関わることが増えました。人それぞれ考え方や価値観が違いますが、一度受け止め自分の中で噛み砕いて参考にするものは参考にしていきたいと思っています。価値観の押し付けだけは絶対にしないように心掛けていきたいです。

安孫子ーー入社半年とは思えないしっかりとした考えですね!

齋藤さんーーありがとうございます!

安孫子ーー続いて四釜さんお願いします

四釜さんーー「他力本願」です。何か業務でミスが発生した時に我が振り直ると、独りよがりで作業していたことが多いです。せっかく距離感の近い会社なので、恥ずること無く人に頼る時は頼りながら仕事していきたいなと常に意識しています。

 

 

安孫子ーー会社のアピールポイントはありますか?

齋藤さんーー本当に風通しの良い職場で、社内のいろんな方とコミュニケーションが取れます。面白い方が多いので毎日楽しいです!そして餅業界の会社は他に多くないので、チャレンジできる環境は整っていると思います。何かに挑戦したい方にはもってこいだと思います。

安孫子ーー昔からある伝統食文化を守りつつ、未来を見据えた新たな食文化を創っていく企業体制が「食」という不変の文化を変わりゆく時代に合わせていて素晴らしいなと感じました!今回は貴重なお時間ありがとうございました。