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地域の課題に革新的なソリューションを提案する。

株式会社荘内銀行 / 総合職

インタビュー記事

更新日 : 2023年08月15日

地域とともに成長し、発展してきた荘内銀行は、時代に合わせ革新的な商品やサービスを提供している。地域の課題を見つけ、ともに解決していく。お客さまの知恵袋のような存在として信頼され、相談される銀行を目指してきた。山形に密着する地域金融機関「荘内銀行」で働く、若竹町支店の田端亜紀子、グループ会社フィデアホールディングス株式会社でシステムエンジニア(以下、SE)として働く大滝豊に話を聞いた。

株式会社荘内銀行 事業概要

前身である第六十七国立銀行が1878年(明治11年)に創業したのが始まり。その後、1881年(明治14年)に第百四十国立銀行を合併、1941年(昭和16年)に鶴岡銀行、風間銀行、出羽銀行と合併し、荘内銀行を設立した。 第六十七国立銀行の設立から数えればすでに140年を超える長い歴史を持つ荘内銀行。地域とのつながりは強く、その地位は揺るぎないものとなっている。ただし、その歴史にこだわるだけではない。 これまでも、営業時間の拡大や移動店舗車「くらげGO(号)」、幅広いニーズに対応する法人・個人一体型の「コンサルティング営業」の展開など、さまざま施策を展開してきた。いわゆる“銀行業”という固定概念にとらわれずに自己を革新していく柔軟性を持ち、「情報」を含めた価値あるサービスを提供する。そうしてこれからも地域に密着した広域金融グループとして地域とともに成長し、発展していくことを目指している。

お客さま目線の革新的なサービス

若竹町支店に勤務する田端は2006年にUターンして荘内銀行に入行した。高校を卒業し、大学進学を機に関東へ出た。大学時代は海上保険のゼミに入っていたので、自然とその業界を目指して就活し、外資系の生命保険会社に就職した。3年半ほど勤務した後、結婚を機にUターンで庄内に帰郷した。

「夫も同郷で、将来の子育てや老後のことを考えるとふたりの地元のほうが良いかと思いUターンしました。帰郷後、前職の経験から金融業界の仕事を探していたときに、荘内銀行が土日も営業していることを知り驚いたんです。なかには17:00まで窓口が営業している店もあり本当にびっくりしました」

銀行といえば平日の15:00までの営業と常識的には考えてしまうが、荘内銀行では保険や住宅ローンの相談等を承る一部店舗で土日祝日も窓口営業を行っている。平日のみの営業という銀行の窓口に不便を感じている方は多いはずだ。平日の日中に仕事をしていれば、なかなか銀行に行けない。ならば土日に営業をすればいい。お客さま目線で考えれば単純なことのように思うが、金融業界で働いていた田端も驚くほどには珍しいことだったのだ。

ほかにも、お客さま目線で考えられた新しいサービスは多くある。店舗空白地に自ら出向く銀行窓口というコンセプトのなかに生まれた革新的なサービスが、移動店舗車「くらげGO(号)」だ。文字通り、移動する店舗だ。ここでは預金の預け入れや引き出し、振込といった手続きができるのと、ATMも利用可能だ。大勢の人が集まるイベント会場や、震災等の緊急時に被災地へ出動することもある。動く銀行の実現までには多くの苦労があったと聞く。それでも、地域の利便性を確保するため、このサービスを実現させたのである。

法人向けソリューションにもお客さま目線が織り込まれている。融資等のいわゆる資金ニーズへの対応は、伝統的な銀行業務としてこれまでも取り組んできた。いま、企業のニーズは実に多様化しており、例えば、事業をどのように次世代に引き継ぐか、あるいは自社製品の販路をどのように開拓していくか、時には財務に詳しい人材がほしいなど、銀行に寄せられる相談の内容は変化しつつある。こうした状況に対応するため、荘内銀行では、専門人材の育成や、海外戦略の展開、外部専門機関との提携など、企業一社一社の課題に対し、丁寧に“手作り”で対応していく体制も強化しているのだ。まさに山形の発展のための取り組みと言えよう。

“地域の銀行”にこだわり“銀行”にとらわれない発想から生まれるアイデア

人事部シニアマネージャーの須藤卓也はこういった革新的な考えが生まれる土壌についてこう言う。

「当行の社員の平均年齢は37歳と比較的若い。より柔軟な発想でアイデアが生まれ、それを実現できる風土であると思います」

SEとしてキャリア採用された大滝豊も入社してから、「社内のみんなは銀行員という感じではないと思った」と言う。また田端と同じく荘内銀行は「お客さま目線から見ると便利な銀行」という印象を持っていたようだ。大滝は「関東の大学を出てからすぐにSEとして働いていました。銀行業はまったくの素人でした。それでも最初からわたしの意見を聞いてくれる雰囲気がありました。

SEとして仕事をしている大滝だが、もともとは宮大工になるはずだった。親戚が宮大工を営んでおり、その姿を見てかっこいいと思い自らも志したという。「いろいろ話し合いをして、じゃあうちに来てみるかと、修行というんですかね、そこまで話が進んでいたんですが、体調面を理由に断念することになってしまったんです」と話してくれた。そこから改めて就職活動をしてSEとなった。前職の仕事を辞めて庄内に戻ることにした理由は「より良い職場環境を求めて」だった。今の職場では「すごくポジティブに自分の意見に耳を傾けてもらえる」と言う。

異業種からの挑戦となったが、自分の領域からのアイデアや、これまでの経験からできることなどを常に意見として出しているそうだ。異業種からのキャリア採用について須藤も「銀行はありとあらゆる業界とつながる仕事なので、さまざまな業種を背景に持つ人材がいて良い」と考えている。長く銀行という文化のなかにいるとどうしても同質の考えが多くなってしまうが、異業種の意見が入ることで気づかされることは多いという。

「人」の荘内銀行

大きな戦略のひとつは、お客さまとの対話を重視し、お客さまの課題を一緒に見つけ、最適なソリューションを提案するという法人・個人一体型のコンサルティング営業の強化だ。法人のお客さまと、個人のお客さまで担当を分けるのではなく、法人の事業に関する課題解決と並行して、オーナーやその家族・従業員の資産運用相談など、法人・個人両方のニーズに対し担当者ベースでワンストップかつスピーディーな対応ができるような体制をとっている。そのために力を入れるのが、人材育成。荘内銀行では20~30代の若手行員がM&Aや事業継承を専門とする外部機関に出向できる機会を設けるなど、高度な知識やノウハウを習得した人材の育成に注力している。このほかにも、ビジネスマッチングや販路開拓、人材紹介、法人保険など、融資だけでなく、企業の幅広いニーズに対応できるよう、新しい商品やサービスの企画、きめ細かな行内研修プログラムの実施、ワンストップで企業の悩みに対応するための外部機関との連携など、数々の改革を進めている。

また、こういった取り組みはお客様の課題解決にお役立ちできるだけでなく、荘内銀行で働く行員にとって、社会人としてのキャリアの幅が広がることにも繋がっている。地域のお客さまのお役に立ちながら、自らも成長できる機会が整っているのだ。

最後に田端、大滝のふたりにも未来のビジョンを聞いてみた。「営業店にいて感じるのは“紙”がだんだんなくなってきているということです」と田端は話す。

「時代とともにさまざまな変化があると思います。商品、サービス、情報すべてに取り残されないようにしないといけないと考えています。わたしは店頭でお客さまとお話をする仕事をしていますが、そのためにさまざまな引き出しを用意しておくよう努めています。“対話すること”を大事にしていきたいですね」

大滝は「システム部門としてデジタル化を推進する仕事をしており、これからも、お客さまの煩雑な手続きをできるだけ簡素化していきたい。同時に、銀行の内部業務でもシステム化を進め、今まで以上にお客さまへの対応がスピーディーに行えるよう貢献していきたい」と話す。

最後に、ふたりに荘内銀行の良いところを聞いた。
大滝は「荘内銀行の良さは、最終的には人の良さ」と話す。実際にお客さまと接する機会が多い田端も「人の良さ、雰囲気の良さは荘内銀行の強みのひとつだと思います。営業店として目指すところは、お客さまが何か困ったときに、一番に荘内銀行に相談してみようと思ってもらえること。頼りにされ、好かれる銀行になれるよう、努力しています」と話す。

地域とともに歩み、発展することを目指してきた荘内銀行。これからも、常に時代を先取り、革新的なサービスを模索し続けていく。