酒田市大宮町の住宅街に店を構えて19年目。本格的な台湾料理や中華料理を味わえるお店として、多くのお客様から支持されてきた。異国情緒あるモダンな空間。気配り上手なスタッフたちがきびきびと動く姿が心地いい。

人気メニューの「陳麻婆豆腐」は、本場四川の花山椒や唐辛子を使った痺れるような辛さが魅力。今でこそ花山椒を効かせた麻婆豆腐は全国的にも市民権を得たが、如意では創業当時から正統派の味を届け続けてきた。

高菜の酸味と腸詰の旨味がクセになる「高菜炒飯」や、「台湾小籠包」や「魯肉飯」といった現地の気分を味わえる料理や、紹興酒も常時８〜９種類ストックし、庄内の人々に、本場の味との出会いを提供する。

さらに店内の黒板にも注目。庄内浜でとれた魚介類や、山菜や野菜など、庄内の旬を取り入れたメニューも並ぶ。季節感ある台湾料理が楽しめるのも、この店に通いたくなる理由かもしれない。

店主である菅井亮さんはインテリアデザイナーだった経歴の持ち主。素敵な空間の背景に納得するが、ご本人はむしろ、今はそういった部分に光が当たるよりも、フレンドリーな店づくりに注力しているとのこと。お客様が求めていることに応えていくことや、若いスタッフが輝いて働ける場づくりなど、これまでよりも広い視点で店づくりを捉えている。

夏限定のかき氷や冬限定の薬膳火鍋も、そういった柔軟な視点から生み出されたメニュー。今では季節ごとの楽しみとして、多くのお客様が心待ちにしているという。いつ行っても賑わっている店内。その風景から、長い年月を重ねてきた時間の尊さを感じて目を細める。

芯となる部分は守りながらも、新しいことにも柔軟に。町に馴染んで、アップデートしてく。通い続けて深まる楽しみ。庄内的台湾料理の温故知新を堪能してほしい。