地魚とそばを美酒の友に しあわせな酔い心地が続く夜

そば居酒屋 愛子屋

ここは柳小路、かつてマーケットがたち、すれ違いざまに肩と肩がふれるほど人々がひしめきあっていた場所だ。今も柳が揺れるその通りに、紅と黒の外観が目を引く愛子屋がある。のれんの隙間から店をのぞくと、肩を寄せ合い思い思いに過ごす人たちの姿が見える。

お品書きは、庄内浜の魚料理と、県産「でわかおり」で打った二八そば。肴(魚)をつまみ、地酒を味わい、シメにそばをすする、そんな下町情緒が似合う酒処だ。店はカウンター7席に、小上がりが一つ。お酒は人と人の壁を取り払ってくれるもの、この距離感は絶妙といえる。「お酒をたのしく、おいしく味わってもらいたい。その傍らに私がつくるつまみを選んでくれればうれしい」と女将は話す。市場に通って魚を買い付け、仕込みをして、そばを打ち……と朝からせっせとこしらえたご馳走は、シメサバ、紅ズワイのむき身、アジのなめろう、タラの白子天など、逸品のアテばかりで選ぶのに迷う。その一つに一人鍋があるが、一人でふらりと訪れる人が多いのもこの店の良さだ。お酒が進んで誰かと話したくなれば、袖振り合うも他生の縁、女将や隣り合わせた人との会話を肴に、和やかな時が過ぎていく。

飲食の業界に飛び込んで15年、女将は「店を始めたことで、たくさんの人と出会うことができました。いいお客様に恵まれたことは何よりの幸せ」と振り返る。女将が幸せを感じるように、私たちもそこで仕合わせの時を過ごす。小路にともる店の灯りの中で、そんな幸福のやりとりが今夜もかわされている。

住所 山形県酒田市中町2-3-2
名称 そば居酒屋 愛子屋
電話番号 0234-23-2880
営業時間 18:00~24:00
定休日 日曜日、月曜日、祝日
駐車場
クレジットカード 不可
席数 12~15席
個室
貸切可否
禁煙/喫煙/分煙 喫煙可
予算目安 3000円~5000円
おすすめメニュー 地魚をはじめとした魚介料理