⼭形県が誇るプロサッカーチーム「モンテディオ⼭形」
株式会社モンテディオ⼭形 代表取締役 相⽥健太郎⼭形県が誇るプロサッカーチーム「モンテディオ⼭形」
株式会社モンテディオ⼭形 代表取締役 相⽥健太郎
イタリア語の「MONTE(⼭)」と、「DIO(神)」を組み合わせた造語で、「⼭の神」を意味しており、
拠点とする⼭形県の出⽻三⼭(⽉⼭、湯殿⼭、⽻⿊⼭)とともに、頂点を⽬指すチームを表している。
モンテディオ⼭形の始まりは鶴岡市。「 NEC⼭形サッカー同好会」として発⾜。
その後、県や県サッカー協会が中⼼となって社団法⼈県スポーツ振興21世紀協会を設⽴し、99年のJ2創設と同時に参戦。
2014年、トップチームの経営⼒強化を⽬的に株式会社化。
今回は株式会社モンテディオ⼭形の代表取締役である相⽥社⻑へ、⼭形で働く理由と⼭形県の今後の課題と可能性について取材してきた。
相⽥さんの出⾝は ⼭形県南陽市。幼少期をアルゼンチンで過ごし、東洋⼤学経営学部を卒業後、旅⾏会社に⼊社。
その後、プロのスポーツチーム(楽天イーグルス・ヴィッセル神⼾など)の運営に携わった。
仕事を続ける中で、とある昔の知⼈からのお誘いがあり、出⾝地である⼭形県に貢献したいという想いが⽣まれ、また⾃⾝が⽣まれた⼟地であることから
モンテディオ⼭形の経営に参加することを決意し、2019年に株式会社モンテディオ⼭形の代表取締役社⻑に就任。
就任後はじめに取り組んだのが『どんな⼈でも遊びに来たくなるような仕組み作り』。
チームがJ1・J2、チームの勝敗に関わらず興味をもってもらうことが⼤事だと話す。
着任した2019年では平均観客動員数を7,500⼈に増やすという⽬標に対し、結果1試合平均約8,300⼈を達成。
景観を綺麗に整えスタジアムグルメを強化するなど、公園を機能的に活用できるような場所へと変えたことが要因。
「山形県はポテンシャルの塊だと思います。やってないことの⽅が多いので、可能性しかないと思います。
豊かな⾃然があって、温かい⼈がいて、全国でもトップクラスの⾷材があって。TVメディアもほぼ全社揃っており、
これだけの環境があるのにまだまだ使える場所や物を使ってないなっていうのが率直な感想です」と、⼭形県に戻ってきての第⼀印象を話す。
「⼭形で働いている方って、臆病な⼈が多いかもしれないですよね(笑)。物事を荒⽴てないって部分は良い部分なのかもしれないですけど、
思っていることがあっても⾃分の意⾒を⾔わない⼈が多いと思います。正々堂々と⾃分の意⾒を⾔って上の⼈をどかしにいくような人が若い⼈には少ないですよね。
古くからある企業があるからっていうのもあると思いますけど、若い⼈にしかない感性や考え⽅っていうものもあると思います。
⾃ら勉強したり色々な経験をすれば、経験の少ない若い⼈でもまっとうな考えを持つことは可能ですからね」
「僕は仙台の家から⼭形に通っているんですけど、個⼈的には⼭形に家を持ちたいんです。少し偏見かもしれませんが、
⾃宅の庭でBBQとかできるのは⽥舎ならではの特権ですよね。都会に⽐べて⼟地が安いからいい家も建てられる。
⽥舎がダメとかじゃなく、必要なものは必要な時に⾏けるところにあるのだから、都会とはまた違った良さがあります。
他に必要なのは、やりたい仕事を⾃分で作れる環境があればいいと思います。⼭形は全国的にも事業を⽴ち上げようという方は決して多い地域ではないと思いますが、
⼭形を本拠地にして全国どこでも動けばいいじゃないかという話だと思います。
せっかくすぐ隣に『百万⼈都市仙台』があるわけですし、そこをターゲットにしない理由もない。
⼭形県から⾒える仙台市は、まだまだ無限⼤な可能性を秘めているし、切っても切れない⼤切な関係になるべきだと思います」と宮城県との可能性を語った。
⼭形県の実態について「県の過去のデータを⾒ていると、そもそも⼭形県は特に内陸部は内需で成り⽴っていた地域なので、県外に頼ることがあまり必要無い地域なんですよね。
正直⾼齢の⽅の多くは特にそういう思いがあるように感じます。
実は仙台の住民からすると⼭形は遊びに⾏くところで、近いからすぐ⾏ける場所です。
でも住むとなったら交通の便が悪いので、住むには少しためらうなと思っている人も多いと思います。
でも実際は、利便性の⾼い交通網と豊かな⾃然があれば⼗分なんです。公共交通の部分を改善しないと⼈は流⼊しないと思います。
また逆に公共交通が充実していればそれだけ可能性があるんです。⾞を持たない⼈は公共交通がないとそもそも住めない地域ですからね。」地域の利便性が上がればまだまだ良くなる地域と感じている。
「外の世界ともっと触れ合ってほしいなって思います。⾃分がサービスを提供するとなったとき、⾃分が良いサービスを受けた経験がないとできるわけない。積極的に⾃⼰投資することが必要だと思います。
例えば⾶⾏機のファーストクラスを使って、そこで得られるエクスペリエンス(経験)を⾃分の⼈⽣に反映できる⼈にならないと、相⼿に良いサービスをご提供できるわけがありません。
⼈に良いサービスをしてあげたいと思うのであれば、⾃分⾃⾝の経験による引き出しを増やして様々な提供できるサービスの数や質を広げていくことが⼤事だと思います。
しかし、ここ数年コロナウイルスの影響で動きづらいなか、外部の⼈と関われる機会は減ったかもしれないけれど、その分WEBを通しての出会いは増えましたし、
かえって⼈と繋がりやすくなったのかなって思うこともあります。でも海外に⾏ったり施設に⾏ったりするような体験はかなり減りましたけどね」
「あとは、正しいことを正しいと⾔える⼈が⼤事。⾃分が間違ったことを間違ったと謝ることができる⼈が絶対に大事だと思います。
間違うことは誰にでもあるし、間違ったことの⽅が経験にもなります。そこは会社⾃体の考え⽅や経営者の⽅針による環境作り次第なところもあるかもしれません。
僕は⼭形県⺠らしい『ことなかれ主義』は、物事の発展においては妨げになることのほうが多いと感じています」
「今後我々⼤⼈がやるべきことは、『何かに挑戦しよう︕』と考える今後を担う若い方々が頑張れる環境を作っていくこと。
社会の成⻑には、若さ故の自然な発想が⼤事です。年を取って勉強すればなんとかなる部分もあると思いますが、やはり若い人の持つ自然な発想に勝てなくなってくると思いますし、
ピントのずれた作られたものに過ぎないとおもいます。僕も含めてね。」
相⽥さんはプロスポーツチームの使命として地域活性化を掲げていますが、現状に留まらず、未来の⼭形県の在り⽅や進むべき道などについても⽇々研究し、
⼤⼈の世代と若い世代が共存する時代の掛橋になるべく今⽇も県内を⾛り回る。