山形県内には歴史のある温泉街が多くあります。その中でも上位の知名度を誇っている「かみのやま温泉」にある昔ながらのお土産屋さん「中條饅頭」。
名前の通り、お饅頭をメインとした温泉街ならではのお店です。観光客の利用はもちろんですが、近年はとあるスイーツが話題となり、地元客も増加傾向となっています。
 

創業は文久2年と歴史のあるお店。かみのやま温泉街と共に地域の盛り上がりの一翼を担ってきた名店でもあります。
時代の変化に対応しながら商品開発等を行ってきましたが、数年前から少しずつお店に逆風が吹き始めました。それは「若者の饅頭離れ」です。
”温泉土産といえば温泉まんじゅう”という考え方が変わりつつあり、饅頭の売れ行きが少しずつ厳しくなっていました。
なんとか若者へのアプローチを考えなくてはと思い、生まれたのがあずきとソフトクリームを使ったスイーツだったと専務の渡辺さんは語ります。
 

話題になっているソフトクリームの中でも、若年層の顧客に売れている商品が「特選あずきソフト」です。
ソフトクリームの中にあずきを練り込み、薄ピンクのような色のソフトクリームです。上にはこしあんと抹茶パウダーを振ることで、高級感のある和風なソフトクリームに仕上がっていて、温泉街との相性も良いと思います。また、スイーツを目的に来店するお客さんは、ソフトクリームを頬張りながら片手にはお土産のお饅頭を買って帰るというケースも増加しており、温泉街のお饅頭屋さんの理想系とも呼べるようなお店になっています。
 

全国的にも知名度がある「かみのやま温泉」なので、店内の壁面を見るとTVなどの取材も多くきており、人気ぶりが目に見えてわかります。
県外からの観光客はもちろんですが、県内からの注目度も高いお店で、山形に居住する身としては、歴史のある温泉街とその温泉街を支える地元饅頭屋さんには一度行っておくべきだと思います。
 

新たな温泉街名物を作り出した老舗お饅頭屋さん。観光地を支える下町が面白い。