富山の祖父母との時間大切にしたい
小丸は入社17年目で、現在は富山支店の支店長代理として個人向けの預金相談や金融商品の販売、法人向けの資金繰り相談など幅広い業務に携わる。2歳になる娘の母でもあるが、フルタイムで仕事をこなし、子育てにも邁進する。
「出産する前は小さい子供を育てながらフルタイムで働けるか不安でしたけど、実際に働いてみると上司や後輩のサポートもあり、出産前と同じような感覚で働けています」。
産休中も配布されているパソコンで会社とのやり取りができ、乗り遅れることなくスムーズに業務に復帰できた。「出産しても通勤しやすいよう配属先にも配慮してくれました。アットホームな富山銀行ならでは。本当に家族のように接してくれて助かります」と会社の対応に感謝する。
北アルプスの名峰「立山」の麓の町で育った小丸は、富山の高校を卒業後、「田舎から出たい」との一心で、京都の大学に進学。大学卒業後も富山よりも都会な関西の企業で就職しようと活動をしていた。だが、ふと地元で働き、生活をしたい衝動に気持ちが揺さぶられた。
「地元に住んでいる大好きな祖父と祖母のそばにいたい」。このまま富山を離れて生活すれば、幼少期からずっと世話をしてくれた家族とのつながりが薄れていくことに寂しさや不安が混ざったような気持ちが心を覆った。いつしか、地元の家族との絆を大切にしたい思いが勝っていった。
そんな気持ちに気付き、早々に富山の企業への就職に活動を切り替えた。企業説明会に足を運ぶ中で、「改めて富山にはすごく魅力的な企業が沢山あることに気付かされた」。製薬、ハウスメーカーなどさまざまな業種の企業の説明を受けるにつれ、「銀行だったら、こうした魅力的な企業すべてに関われるかもしれない」。一気に地元の銀行に就職したい思いが募った。
全従業員に誕生日プレゼントのアットホーム感
いくつか富山県を地盤とする銀行の就職試験も受けたが、最終的に富山銀行への就職を決めた。
「学生の私に対しても、ものすごく丁寧に会社説明をしてくださり、この人たちと一緒に働きたいと思わせてくれた。本当に心温まるアットホームな感じが決め手になった」。小丸は当時の様子を思い出しながら、富山銀行に決めた理由を笑顔で振り返った。
現在、富山銀行の従業員数は約400人。他行に比べて規模は小さい。「小さな所帯ですけど、ほとんどの従業員の顔と名前は認知できて、風通しのよさもある。家族的で本当に面倒見のいい会社です」。
そう話す小丸は、富山銀行の〝家族的〟な企業風土を象徴するエピソードを披露してくれた。
富山銀行はパートタイマーに至る従業員全員に年1回の誕生日プレゼントが贈られる。富山に所縁のある食品など5~6種類からひとつを選ぶと自宅に届けられるという。
「ちゃんとメッセージカードが添えられていて、家族のことまで気にかけてくれている心のこもったメッセージで本当にうれしかった」と小丸。400人規模の小さな企業だからこその心配りが行き届いていることを実感する。
支店対抗のビーチバレーボール大会や家族も参加できるケーキ作り教室など会社主催のイベントも満載で、「地域愛が強く、ベテランからパートスタッフ、若い従業員も積極的に参加している」。こうした取り組みが、“家族的でアットホーム”な企業風土を醸成している。
歴代行員が築いた信頼の上に富山銀行はある
一般職として入行した小丸の最初の仕事は、銀行窓口の後方に座り、お金の確認や事務処理された伝票の整理などの後方事務を担当。そこで銀行員の事務作業のイロハを覚えた。
次に担ったのは窓口に出てのお客さま対応。そこで大きな失敗を経験した。
自身の知識不足のため窓口業務をもたついてしまい、スムーズに処理できなかった小丸の対応にいらだち、お客さまが帰ってしまったのだ。お客さまの顔を見ずに通帳を返してしまった際には、そのお客さまは小丸が担当する窓口を選ばなくなることもあった。立て続いた失敗。その時に先輩から言われた言葉が今も心に残っている。
「今、富山銀行があるのは歴代の銀行員が大事にしてきたお客さまとの絆があるからだ。お金を扱う仕事は信頼で成り立っている。自分が担う責任の重さを知ってほしい」
そう語りかけた先輩の目は、「新人だから仕方ない」と、どこか甘えを持っていた自分の心を見透かしていた。「新人だろうが銀行員になった以上はプロとして業務に当たらないといけない」。銀行員として業務に向かう心構えがここで芽生えた。「ちょっとした礼儀や気遣い、思いやりを欠くだけでも信頼を失ってしまう。どんなお客さまでも敬意を持って接することを心がけるようになった」
総合職への転換で見つけた女性ならではの強み
内部担当役席として事務の統括を担った後、小丸は大きな決断をする。
「もっと、銀行員として知識を深めて、お客さまの役に立ちたい」。一念発起し、総合職への転換を志願した。所属していた部店長からの推薦をもらい、上司との面談などを経て、2018年4月から総合職へ転換。支店長代理として富山支店に配属された。
「総合職のスキルは全くない状態だったが、熱意を聞いてくれた支店長や経営管理部(人事)の方々が『サポートするので挑戦してみろ』と後押ししてくれた。絶対フォローしてくれるという安心感がありました」。新たな職場でストレスなく業務の幅を広げていった。
総合職の仕事を通じて新たな発見もあった。県内企業を訪問していると県内にも女性の経営者が多いことを知った。「やはり女性同士で話をすると、分かり合えることも多いです。仕事以外の雑談で盛り上がったりして、そこから新しいニーズを引き出せることもある」と小丸。女性ならではの働き方を強みに手応えを感じている。
次なる目指す目標はどこにあるのか。小丸に聞くと、はっきりとした口調でこう答えた。「管理職に憧れもあるけれど、そういう肩書よりも、富山銀行が目指すドラえもんのような銀行になるべく、お客さまが求める商品や情報を提案できるようにステップアップしていきたい」。〝日々研鑽〟の精神で、今日も多くの企業を支える。
富山で働くことの喜びを感じられる銀行
都会に憧れ、一度は富山を離れた小丸。果たして、戻ってきた富山での生活に満足しているのだろうか。
「富山の人も自然も大好きで満足しています。実は働き始めてから登山にハマりまして、自然を満喫することに意識がシフトしています」と笑う。登山好きが高じて、取引先の人とエベレストを見にネパールまで足を運んだという。
最近は2歳になった娘と県内の低山に登っているとのことで、「すりこみで娘も登山好きにさせたい」と小さな野望を抱く。「自然豊かな富山に戻り、子育てできて正解だったと強く思います」。そう話す小丸は現在も祖父母の住む立山の麓に住み、家族の協力と自然からの恵みを受けながら富山での暮らしを満喫する。
小丸のように富山での生活を精いっぱい堪能したい人にとって、県外転勤が原則ない富山銀行はうってつけな職場だ。
入行後は、銀行全体を俯瞰できる環境下で行員をマンツーマンで育成するOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング=職場内訓練)や、1対1でより専門的な知識を深めてレベルアップを図るトレーニー研修など研修制度も充実。中途採用でも、金融機関で働いたことのない人や、大学卒業の学歴がなくても応募できるよう間口を広げている。
「富山でずっと暮らしたい、働いていきたいと思っている人。人に寄り添うことが好きな人。困りごとに対して何か解決をしていくことが好きな人が向いていると思います」と担当者。「富山県経済の一翼を担っていきたい思いがある方や地域に貢献したいと思う方に、ぜひ、富山銀行に来てもらいたい」と呼びかけている。