「田辺は石川県に住みながらも富山県にある株式会社HARITAを選び、積極的にチャレンジして成長が著しい。仕事以外にやりたいことを明確にしている前田は、副業を解禁している株式会社HARITAだからできる働き方を、芯をもって実践している」
経営管理本部総務チーム人事ユニットの開発恭代が太鼓判を押す2人の若手女性社員。株式会社HARITAでの仕事を通して描く、自身の将来像を示してくれた。
生まれも育ちも石川県という田辺は、同県内の大学を卒業後に入社した新卒2年目。現在も金沢市に住みながら、金沢事務所で営業職を担当している。主に、取引先から処理を依頼された廃棄物の情報を集め、廃棄物の引き取り日や輸送方法、伝票配布などの一連の手配業務を担う。
石川県内の就職支援センターからの紹介で株式会社HARITAという会社を知ったという田辺。どんな会社か調べていく中で、女性活躍の推進や働き方改革に熱心に取り組んでいる企業風土に大きな魅力を感じ、他社の内定を辞退してまで株式会社HARITAへの就職を決めた。
「全国転勤のある会社で色々なところで働いてみたい気持ちもあったのですが、株式会社HARITAの人事の方とも話す中で、やはり生まれ育った北陸地方の人と通じ合えるような感覚がありました。災害も少ない地域ですし、北陸で働きたいという思いが募りました」
入社に当たり、石川県内で働きたいという希望も会社側はくんでくれた。「生活も仕事もしやすいよう配慮してくれたことが一番うれしかったですね」。田辺は笑顔で振り返る。
一方の前田は今年5月に株式会社HARITAに転職し、現在は富山県内のリサイクル工場で主にエアコンの室内機の解体業務に携わる。ベルトコンベヤーから流れてくる室内機から、ラジエーターやモーター、基板を取り出し、プラスチック部分などと分別する。時には10キロ近いリサイクル品を持ち運ぶ等の力仕事もあるが、男性社員のフォローを得ながらも働き甲斐を感じているという。最近は破砕機の操作を受け持つなど、業務の幅を徐々に広げている。
そんな前田だが、転職の背景にはやむを得ない事情もあった。
「6年ほど前から個人事業主として自宅でカイロプラクティック(整体術)業を営んでいるのですが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、営業規模を縮小せざるをえなくなったんです。それに加え、今年29歳を迎え、そろそろ結婚や出産も考えていく中で、正社員として働ける会社を探していました」
ハローワークから紹介された複数の企業を見ていると、目に留まったのがハリタ金属だった。
「カイロプラクティック業を営んできた中で、また来たいという常連の看者さまもいました。そうした看者さまのためにも、副業として規模を縮小した形で続けたいと思っていました」
そう話す前田にとって、仕事を選ぶうえで重視したのが多様な働き方を受け入れてくれるかどうか。副業がOKで、時間単位の有給休暇の取得が可能な株式会社HARITAは、まさに〝うってつけ〟だった。
副業にこだわりを持つのは田辺も同じだった。
「実は化粧品業界へ就職したかったのですけど、うまくいかなかったんですね。ただ、業界に行きたい気持ちはあって、今も勉強をしています。もう少し自信がついたら、副業として化粧品の美容部員のアルバイトからでも挑戦したいと思っています」
そう目標を語る田辺だが、本業では2年目となり仕事量も増え、新人時代とは比べ物にならない多忙な日々を送っている。これまでは既存の顧客への対応が中心だったが、最近は新規の顧客開拓にも精を出す。環境関連の法改正を機に新たな廃棄物の適切な処理方法を提案するなど、自身の営業スタイルを模索する毎日だ。
「どうやれば自分にとって一番、業務効率がいいのかいろいろと試行錯誤しています。まだまだ知識も経験も足りないので、悩んだときは常に上司に相談、報告しながら業務にあたっています」。株式会社HARITAで請け負えない仕事でも、同業他社とも相談して、適切な処理ルートを見いだして提案するカスタマーファースト(顧客第一)を心掛ける。
8月となり、県内でも猛暑日が続き熱中症も危惧される中、処理現場で作業する前田にとっては粉塵などに加えて暑さとも格闘する毎日だ。現在、エアコンと洗濯機の解体作業を担う22人のうち、女性は前田を含めて2人。力仕事への負荷も大きいが、「同世代だけではなく、上の世代の人も優しく、日常的に助けてくれるので、働きやすいです。会社を楽しいと思ったのは初めてでした」と前田は笑う。
午前8時から午後5時までの就業時間のうち、夏場は1時間15分から1時間30分ごとに15分間の休憩が設けられている。1人当たり1台のスポットクーラーが設置され、飲料水も支給される。
「暑くて汗だくにもなりますが、会社のみんなに会うと、今日も頑張ろうという気持ちになります」。そう話す前田は、持ち前の明るい性格で前向きに仕事をこなす。
「今後はエアコンの室外機の解体にも携わりたいと思っています。室外機は室内機に比べて大きく男性でも大変です。ただ、女性でも挑戦できる部分があると思っています。エアコンからフロンを回収する作業に挑戦しようと上司とも話をしています。そうした分野もこなせるようになり、マルチにお仕事ができるようになりたい」。上昇志向も育まれている。
毎日を忙しく、楽しく仕事をこなす2人はどんな息抜きをしているのか。休日の過ごし方を聞いてみた。
「私パンが好きなので、休日は富山と石川のパン屋さんに開店時間に行って、パンをこぞっと買っちゃいます。好きなものを自宅でゆっくり食べて、平日の疲れを癒やします」。
好物はあんバターサンドという田辺は高岡市内のパン屋は「ほとんど制覇した」と豪語する。お気にいりは砺波市にある「ルノンベーカリー」。仕事で砺波に行く際は必ず立ち寄り、甘い菓子パンを食べ比べるのがささやかな楽しみだ。
一方の前田は、休日は富山県内でアクティビティに興じる。「身体を動かすのが好きで、パラグライダーや乗馬体験、最近は庄川で毎週ウェイクボードやっています」。平日も終業後にビーチボールなどを楽しむスポーツウーマンだ。
「繁忙期を除く平日は定時に帰れるので、ゆっくりお風呂に入って、睡眠も沢山取って休日に消耗した体力を回復できています」
- 県内を出てみたい気持ち、県内で生きるこだわり…個々の思いを支援
そんな2人はどんな将来像を描くのか。
「やはり、いつかは化粧品業界に携わりたいと思っています。今の仕事が落ち着いて、慣れてこれば、休日にでも化粧品業界に関りを持てるような仕事をしたいと思います」と田辺。「一度は北陸から出て挑戦したい気持ちもありますね」と富山から飛び出し、新しい領域への進出も視野に入れる。
一方の前田は、副業のカイロプラクティック業などで得た経験を生かし、多くの人が楽しめる大きなイベントを実施したいと話す。「これまでは20~30人規模のイベントはしていたのですけど、40~50人程度に広げていきたい。ハロウィンやクリスマスなどの機会に、体育館で体を使った催しをしたり、バーベキューをしたりして、友達の輪を広げられたらいいなと思っています」
県内で生きることへのこだわりも強い。「結婚・出産し、周りに助けてもらう状況があると考えたら、富山県から出られないかな。都会に遊びに行くのは好きですが、そこに住もうと思ったことはないです」
休日の過ごし方から今後の目標まで対照的な2人の姿は、多様な働き方を許容し、社員の働きやすい環境を提供することで色々な人材を集められる株式会社HARITAの象徴として映る。
最後に、2人に一緒に働くうえで、どのような人材に来てもらいたいかを尋ねた。
田辺「相手が困ったときに助けられるか、お返しできるような方がいいと思いますね。営業は色々な人と交渉する仕事も多いので、きちんとコミュニケーションが取れることが大事かな」
前田「女性特有の体調不良のときでも周囲の人がサポートしてくれたり、時間単位で有給休暇を取れたりする環境なので、体力に自信がない人でも働きやすい職場です。ただ、リサイクル品に触れたり粉塵が舞う中で作業するので、汚れることに抵抗のない方が向いているとは思います(笑)」
新たな仲間を呼び掛ける2人はともに職場での仲間の優しさに助けられていることも強調してくれた。
「年配の皆さんは私をまな娘のようにかわいがってくれるんです」(田辺)、
「本当に、そう。いつも気にかけてくれる身近な存在で親近感がありますよね」(前田)。
この日、初対面だったという2人。お互いの職場での話をしながら自然と浮かんだ笑顔の相槌が、この会社の風通しのよさを感じさせてくれた。