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『新しいことへの挑戦』『お客様からの感謝の言葉』やりがいを感じられます

バイオゾーンメディカル株式会社 / 総合職(技術職・営業職・営業サポート) / 医療機器研究開発員

インタビュー記事

更新日 : 2023年11月09日

医療機器・空気清浄機器の販売や、施設の殺菌消毒、有害生物等防除など、幅広く衛生管理事業を展開しているバイオゾーンメディカル株式会社。現在、新規事業として膝下の血流維持に使う医療機器「ステントデリバリーシステム」を開発し、2026年にアメリカ市場への投入に向けて準備を進めている。成功すれば、世界中にいる2億人規模の患者さんを救う一大事業だ。今回は、新規事業を牽引するYさんにお話を伺った。

 

バイオラボ事業部事業部長

 Yさん 入社3年目

バイオゾーンメディカル株式会社 事業概要

1895年、薬の街富山で一般家庭薬販売をはじめた丸三大薬房。1943年には丸三製薬株式会社に社名変更した。台湾や中国、ハワイへの輸出も行っており、当時は600名を超える大きな会社だった。

 

しかし、戦後に状況が一変。本社工場を空襲で失った上、社員が徴兵されないようにと戦闘機を寄贈した結果、多額の賠償金の請求が。事業存続の危機に陥った。工場を失った今、医薬品製造の事業をすぐに復活させることは不可能だ。そう考えた経営者は、地域社会の環境衛生を守るため、感染症を媒介する昆虫やネズミに目を付け、衛生管理事業を開始した。昭和40年代には、全国の病院のオペ室の殺菌業務を担当するほど、高い技術力で信頼を獲得していった。現在も、国宝や重要文化財のシロアリ駆除も任される、業界でもトップクラスの信頼度を誇る。

 

事業者向けと一般家庭向け両方にサービスを展開している衛生管理事業。新型コロナウイルスの感染拡大により、衛生意識が高まり、需要はさらに高まりを見せている。オゾンエアを発生させてウイルスを除菌するBIOZONEシリーズは、医療機関はもちろんのこと、個人のファンも多い製品のひとつだ。今後も、ウイルス感染予防の観点はもちろん、食の安全に関わる法律の厳守化や、築年数の長い建物の長期利用の観点から、衛生管理の需要はさらに増していくことが考えられる。

 

近年では、社員の福利厚生にも力を入れている。衛生管理の仕事は、どれだけ資格をもっているかでできる仕事が変わる。資格取得はすべて会社の経費として補助するうえ、社員から自主的な要望があった際には積極的に検討する。もちろん、資格は評価にもつながっている。

 

衛生管理の仕事は、場合によっては強力な薬剤を使用することもあるため、安全に注意を怠ると危険を伴うこともある。バイオゾーンメディカルでは、必要な資格の取得や国が定める安全基準を満たすことはもちろんのこと、社内でも安全衛生委員会を設置。特に労災につながりやすい蜂駆除を担う社員には、2年に1回抗体検査を義務づけて、アナフィラキシーの危険がある場合には蜂駆除の現場には派遣しないと徹底している。社員の健康や安全を守る仕組みも整った会社だ。

 

バイオゾーンメディカルの直近のトピックス。それは、新規事業として最先端医療機器デバイスの開発を進めていることだ。糖尿病患者など、血管が詰まりやすい病気の方の血管に入れることで、血流を確保する「ステント」を開発している。心臓の冠動脈用ステントは技術的にも成熟しており治療成績も良好。対象血管の太さ(径)は2-4mm程度である。一方、下肢領域は、下肢の運動に伴い、動脈が変形することや血流が遅いため、ステントにとっては冠動脈領域よりもシビア。特に膝下領域では、膝上領域よりも血管が細径で一層シビアなため、膝下専用のステントは未だ市場に存在していない。そんな中、バイオゾーンメディカルが膝下用のステントを開発。2026年、アメリカおよび日本市場での販売に向けて、現在準備を進めている。実現すれば、世界中に2億人以上の患者がいるビッグマーケットだ。

 

盤石な衛生管理事業をもとに、多くの患者の健康を守る新規事業を推進していくバイオゾーンメディカル。2022年に現在の社名へと変更をしたのも、今後の海外進出を考えてのこと。富山から生まれた企業が、世界中の患者さんの健康を守る救世主となる日が間近に迫っている。

難易度は高いが、0→1にチャレンジしてみたい

 

バイオゾーンメディカルが新規事業として取り組んでいるのが、血管を広げることで血流を確保する「ステント」と呼ばれる医療機器。膝下で使える技術があるのは世界でもバイオゾーンメディカルのみ。特殊なコーティングで異物反応を抑えることで、血管が細い膝下であっても対応できる技術力をもつ。現在はマサチューセッツ工科大学と共同研究を進めており、2026年のアメリカおよび日本市場への販売に向けて準備を進めている。

 

 

少数精鋭のメンバーのみで開発を進めており、その研究室は役員ですら許可が無いと入れないほど、厳重に管理されているバイオラボ事業部。バイオラボ事業部のリアルを、自らも中途で入社し、現在は事業部長を務めるYさんの仕事から紐解いてみよう。


 

Yさんは大学院生の頃、現在のバイオゾーンメディカルの新規事業に非常に近しい研究をしていた。研究室の先輩もバイオゾーンメディカルに入社、Yさん自身も社長からオファーを受けた。しかしファーストキャリアでは、システムエンジニアの道に進んだ。

 

とはいえ仕事をはじめてからも、バイオゾーンメディカルの誘いが忘れられなかったという。

 

「新規事業はもし成功すれば大きな経験になりますが、人の命にかかわる医療機器であるため、難易度も非常に高いです。本当にうまくいくのだろうかという不安がありました。しかし、それを0→1でものづくりをできれば、どれだけ楽しく、やりがいがあるだろうと思いましたね」。

 

そこで改めて、社長に打診。社長も喜んで受け入れてくれた。バイオゾーンメディカルへの入社は、即決だったという。

 

 

少数精鋭のメンバーで、上市に向けて準備

 

現在は研究開発の段階を終え、製造販売に向けた体制づくりを進めている。医療機器として認められるためのドキュメンテーションや、製造する際の工場ラインづくりなど、製品として販売するためのすべての管理を、少数精鋭のメンバーでこなしている。

 

「今進めているのは、実際に自分たちで製造をして、手順を文章に落とし込むような作業です。ゼロからの立ち上げなので、みんなでどうやったらいいのだろうかと考えながら進めています」

 

 

現在、バイオゾーンメディカルのチームは5人。マサチューセッツ工科大学をはじめ、他社との連携もあるが、非常に小さなチームではじめている。若いメンバーが多く、論理的な思考で対話を繰り広げながらも、ランチタイムには雑談をするような、仲の良いチームだ。

 

「専門知識は問いません。素直で謙虚で、なんでも吸収してやろうという気概のある方とともに働きたいですね」

 

ゼロからのスタートだからこそ、必要なのは専門に特化した知識や経験ではない。どんなことにでもチャレンジし、そして実行していくポテンシャルを求めている。

 

 

富山移住へのハードルはなかった

 

愛媛県出身で、神奈川の大学に進学したYさん。新卒も首都圏の会社で勤務しており、富山暮らしははじめての経験だ。「移住」という点で、ハードルを感じなかったのだろうか。

 

「私はそこまで都会暮らしが好きではなかったので、あまりハードルはありませんでしたね」

 

現在も富山暮らしを満喫しているという。

 

「富山はすごく過ごしやすいですね。魚介類も美味しいです。金沢や飛騨も近いので、遊びに行くこともよくあります」

 

富山暮らしに不満はないと語るYさん。今後も富山を拠点に、新規事業の成功に向けて努力する予定だ。

 

 

裁量が大きく、成長できる環境がある

 

最後にYさんにこれからの目標を聞いてみた。

 

 

「もちろん、上市です。入社する前は、本当に成功できるのか、失敗したらどうなるだろうかと不安もありました。でも今は、『絶対に成功させてやるんだ』という気概をもって取り組んでいます。このプロジェクトは、世界中に2億人以上の患者さんがいる病気の医療機器。自分たちがつくった製品で患者さんの笑顔をつくれると思うと、やる気がどんどん湧いてきます」

 

新規開発の過程を経験する中で、医療機器の開発に一通り触れることができる。この規模のチームだからこそ、自らの裁量も大きく、たくさんの経験が詰める非常に魅力的な現場だ。未経験も歓迎。これから自分のキャリアを作っていきたい人は、今このタイミングで門を叩いてみるといいかもしれない。