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小さな部品で世界をつなぐ。

ファインネクス株式会社 / 営業職、技術職

インタビュー記事

更新日 : 2024年08月02日

使命&ビジョンに、「FINE Processing 小さな部品で世界をつなぐ。私たちは、圧造加工、複合加工、自働化を極め、社会に役立つ『新しい価値』を創造します」と掲げているファインネクス株式会社。お客様の幸せだけでなく、社員の幸せも重視する考えが込められている。今回は、年齢も職種も異なる3名のインタビューから、ファインネクスの「いい会社」創りのリアルを見つめていく。

 

情報システム部

小松あずさ

2021年11月中途入社

 

技術本部 本部長

池内隆行

2022年11月中途入社

 

営業推進グループ

飴谷実乃莉

2021年4月新卒入社

ファインネクス株式会社 事業概要

日本一小さな村「舟橋村」で生まれ、世界に誇る高品質な電子部品を製造しているファインネクス株式会社。そのはじまりは1969年。元々農家をしていた創業者は、今後エレクトロニクスの時代が到来すると予見。中古の機械を購入して電子部品を製造したのが、東洋産業株式会社(現・ファインネクス株式会社)のはじまりだ。

 

転機となったのは2001年。社名をファインネクス株式会社に変更した後、パソコンのCPUの部品として、世界シェアナンバーワンを獲得した。高い技術力と品質が評価されたのだ。なぜここまで技術力を磨くことができたのか。その秘訣は、創業以来進めてきた「内製化」にある。富山県有数の大企業参考に、電子部品をつくる機械についても自社で開発。他社を通さないため、お客様の要望にスピーディに応えることができる。しかも、人手を極力省き、低コストな生産自動機械を内製。当時は今以上に規模が小さい中、夜間も動き続けることで多くの需要に応えた。そして品質不良についても10億本に1本程度だったというから驚きだ。

 

現在の主要製品は自動車関係の電子部品。今後電気自動車、自動運転が普及する中で、制御機器やセンサなど、電子部品が絶対に必要になっていく。そして人の命に関わる以上、品質が大きく求められる。そこにはファインネクスならではのものづくりが光る。研究開発にも余念がない。新車を購入し、分析調査・研究のために分解。どのような部品をつかっているのか、当社の強みを活かせる部分はどこかを分析した。分解した自動車は、今ではファインネクスの展示ルームの目玉となっている。

 

女性の働きやすさにも注力している。有給休暇は10年以上前から1時間単位で取得可能。子育ての急なトラブルにも対応しやすく、社内からの評判も高い。最近では女性管理職輩出に向けた人材育成も進めている。30代〜40代の係長などの役職につく女性のグループを作成し、経営陣に対して提言。2023年4月の彼女たちの提言は経営計画書の方針にも反映されている。

 

地域との関係性も魅力的だ。創業の地である舟橋村との結びつきが非常に強く、地元のスポーツチームに協賛している。地元の人たちとの交流の機会も多い。さらには、拠点のあるベトナムとの交流もある。地域の祭りではベトナムの郷土料理の屋台も出店した。ローカルとグローバル、すなわち「グローカル」なつながりがあるのは、ファインネクスならではだ。

 

2019年に創立50周年を迎えたファインネクス。これからファインネクスがどのような未来を実現していくのか、日本一小さな村で生まれた世界一の圧迫加工、複合加工メーカーの挑戦が期待される。

子育て中のママに手厚いサポート

 

三者三様の理由でファインネクスに入社し、仕事と生活を満喫している3人。それぞれの働き方に迫っていく。

 

夫婦それぞれの仕事の区切りを機に、関東から夫の地元である富山に移住してきた小松。その後就職したが、前会社の状況悪化を理由に退職。小さな子どもを抱えながら転職活動をはじめた。当時32歳。子育て中で仕事ができる時間も限られる中、しかも実務未経験で雇ってくれる会社はなかなか見つからなかった。そんなときに出会ったのが、ファインネクスだった。

 

 

「情報システム部の業務は未経験でしたが、当時情報システム部の募集に対し複数人の応募があったにもかかわらず採用いただきました。勤務時間についても、本来は8〜17時ですが、育児のために9〜18時勤務を承諾してくれました。手厚くサポートしてくださるのがとてもありがたくて、入社を決めました」

 

入社後、子どもの体調不良などのトラブルは度々あった。働くママにとっては申し訳なさも感じてしまうこの状況。ファインネクスの雰囲気はどうなのだろうか。

 

「『育児中であることは分かっていて採用しているから』と、嫌な顔ひとつせずに受け入れてくれます。私自身も甘えることなく、仕事をするときは仕事をしっかりする、とメリハリをつけるようにしています」

 

かつ、ファインネクスの社風について、いくつかの企業を経験した小松は太鼓判を押す。

 

「マイルドでやさしい方ばかりですね。情報システムのお仕事は、他部署にお願いする機会も非常に多いんです。ほかの会社ならば、『そんなこといきなり言われたって困る!』と怒られることもあるかもしれません。しかしファインネクスは、『いいちゃ、いいちゃ』とやさしく話を聞いてくれて。すごくありがたいですね」


 

内定前の研修への参加で、入社を決意

 

池内は滋賀で働くベテランの技術職。多数の部下を抱えて、会社の柱として働いてきた。2人の子どもも独立し、仕事においてもやりきった気持ちのあった池内は、55歳で転職。新たな環境でチャレンジすることにした。

 

転職活動において、場所にこだわりはなかった。エージェントから紹介してもらったという理由で、ファインネクスに応募した。

 

 

「内定前に、社内研修に参加する機会をいただいたんです。自分のスキルとマッチしていないが新たな挑戦のしがいがあるし、社員たちの雰囲気も良い。移住して、新しい人生の幕を開けることにしました」

 

入社してみると、想像以上に真面目な雰囲気で驚いたという。

 

「技術本部は、皆さん本当に真面目で、昼休みもスマホを触ったり、寝ていたりして、すごく静か。仕事以外の会話はほとんどありませんね。最近は飲み会も復活したんですが、僕がまだ入ったばかりだからか、なかなか本性を出してくれなくて(笑)。本当に真面目な方ばかりです」

 

過去の飲み会の武勇伝を聞いているから、これからが楽しみだと笑う池内。富山県民特有の人見知りが少し邪魔をしているかもしれないが、笑顔が素敵な池内が率いる部署。真面目ながらも、笑顔が溢れる部署になるに違いない。


 

新卒で分からないことだらけでも、丁寧に接してくれる

 

富山県に生まれ、富山大学に進学した飴谷。就活でも富山県内の企業を探した。ある日、合同企業説明会に参加したとき、ファインネクスのブースに参加。インターンを実施していることを知り、参加してみることにした。

 

 

「インターンをする中で、私が以前からやりたかった、マーケティング関連の仕事ができると知って。会社の雰囲気も魅力的でしたね。ほかにもいくつかのインターン受けましたが、ファインネクスが一番自分に合っていると思いました」

 

実際に入社後、1年目は営業の基礎となる知識を学ぶため、営業事務と営業を経験。2年目には営業推進グループに配属され、ホームページの制作や新規顧客獲得のためのマーケティング戦略を担当している。自分がやりたかった仕事ができることに大きなやりがいを感じているという。

 

また、職場の雰囲気についても、インターンで感じていたとおり、満足していると語る。

 

「新卒で分からないことばかりでしたが、皆さんすごく優しくしてくださって。気を遣ってくれているのをすごく感じます。また同じ女性として、小さなお子さんを育てている社員が時間有給を使って仕事と子育てを両立しているのをよく見ています。いい環境なんだろうなと感じますね。すごく恵まれた環境にいるので、これからどんどんスキルを付けて、貢献していきたいですね」


 

移住者から見た富山生活のリアル

 

3人のうち、小松と池内は県外からの移住者。富山暮らしはどのように映っているのだろうか。そもそも富山暮らしにハードルを感じなかったのだろうか。

 

 

その問いに、ふたりとも首を横に振った。

 

「大学は金沢だったので、むしろ北陸に住みたいと思っていました。子育てについても、都市部では必須な『保活』も必要ありません。地域の人たちもやさしくて、子どもを地域の方と一緒に育てている感覚がありますね」

 

と小松。子育てのしやすさを実感しているようだ。

 

池内は、昔からアウトドアな趣味が多かったという。富山暮らしもアウトドアを楽しみにしていたそうだ。

 

「山登りが好きなんですが、滋賀県の山は小さくて登りごたえがなかったので、富山に来てから山登りが楽しみです。これからどんどん新しい山にチャレンジしていきたいですね。ほかにも自転車が好きなので、富山のいろんなところを周りたいですね」

 

しかし実は、妻から富山暮らしについて小言を言われることもあるという。

 

「あまり日当たりがよくない部屋を選んでしまったんです。北陸がここまで晴れの日が少ないとは知らなかったんですよね。サンルームなどがある家にすればよかったかなと思っています。

 

でも、妻も富山暮らしを楽しんでますよ。富山は本当にお魚がおいしい。以前はほとんど食べていなかったんですが、富山に来てからは毎日食べていますね」

 

この言葉に、小松も大きく頷いた。

 

「地元にいたときは生魚が苦手だったんです。でも富山に来たら普通に食べられます。しかもすごく美味しい。お魚が大好きになりました!」

 

魚も蟹も安くてもおいしいと笑顔を見せる小松。生きる上で大事な生活において、富山暮らしを満喫しているのがよくわかった。

 

 

富山の女性よ、もっと強くあれ

 

一方で小松には、富山の女性に対して、気になることがあるという。

 

「都市部の女性に比べて、どこか元気がないと感じるんです。真面目といえば聞こえはいいけれど、どことなく活気がないというか。周りのママさんたちを見ていても、『子どもが居るから』と、自分の人生を諦めているような方が多いと感じます」

 

たしかに富山県は、長年、女性が男性を立てることを美学としてきた文化が根強く残っている。長く関東で暮らしてきた小松には、違和感として映るようだ。

 

「こういった雰囲気って、若い子たちも感じ取ってしまうと思うんです。その子たちが進学で都市部に出たとき、そのギャップを知って、帰ってこないことにつながるのかもと思っています。もっともっと、女性は元気があっていいし、やりたいことを自由にやってもいい。自分の娘がそう感じてくれるような地域になってほしいですね」

 

富山県の女性はたしかに真面目だ。だが一方で、歴史上は「米騒動」に代表されるような、強さも持ち合わせている。その強さを家庭のためだけに使うのではなく、どんどん前に出していく。そんな強い女性が、これからファインネクスで、そして富山で生まれることを願っている。