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0から1を生み出す達成感を味わえます

前田薬品工業株式会社 / 旅行業スタッフ

インタビュー記事

更新日 : 2024年09月04日

前田薬品工業では、約50年にわたって皮膚薬を展開してきました。しかし昨今、医薬だけに留まらず、アロマブランド「Taroma」や、医学の原点とも呼ばれるハーブの力を、香りや食、スパなどのさまざまな形で体感できる複合型施設「Healthean-wood(ヘルジアン・ウッド)」など、疾病を予防する目的の事業を展開しています。また、最近では新たな事業として蒸留プロジェクトも始動。前田薬品工業の新たな挑戦が続いています。

 

今回は、これら化粧品事業にて活躍する2人の女性社員のインタビューをお届けします。

佐藤 芽依さん

新領域創造事業本部

Taroma PM

 

富田 和美さん

新領域創造事業本部

The Spa ByTaroma GM(グループマネージャー) ※管理職

前田薬品工業株式会社 事業概要

前田薬品工業は1958年の創業以来、「世の中に必要とされる100年企業」を目指し、多くの医薬品を世に送り出してきた。
2015年以降、飲み薬などの内用剤の製造をやめ、軟膏や貼り薬などの外用剤に特化。国内医薬品マーケットの中で、他の追随を許さないスーパーニッチな部分で技術力と生産性の大幅アップを成し遂げた。

2018年にはステロイド製剤棟が稼働し、ステロイド・非ステロイド製造の完全分離が実現した。
21年には富山県立山町に立山工場が完成。ステロイド製剤のさらなる生産能力の向上が見込まれている。

また外用剤のノウハウを持つ前田薬品ならではの取り組みの一つが、地元高校生との化粧品共同開発だ。

「ぴーりっちゅ」プロジェクトと題し、滑川高校薬業科の生徒のアイデアとのコラボレーションを実現している。

さらに、市場が変化する中、グループ関連企業の連携により多種多様の新規事業に挑戦。2020年3月に関連会社「GEN風景」の事業として、美容と健康をテーマにした施設「へルジアン・ウッド」、2021年4月には学生ベンチャーの支援や企業の人材確保などを目指して県内企業3社出資で会員制バー「裏門」をオープン。
そのほか、古民家や旧校舎を利用した地域活性化の拠点づくりなど、さまざまな事業を手掛けている。

目指すところは、外用剤の製薬会社としてだけでなく、あらゆる面から健康に貢献する「全方位型健康寿命延伸コンテンツ創造企業」。
前田薬品工業の躍進はとどまるところを知らない。

 

前田薬品工業で目指せないキャリアに目を付け、入社を決めた女性社員2人。それぞれのキャリア観や仕事への思いを深掘っていこう。

 

自分にしかできない仕事がしたい

 

元々は美容師を目指し、専門学校に進んで美容師免許を取得し、さらには就職も決まっていた佐藤。あらためてこれからの人生を考えてみたときに、もっと自分にしかできない仕事をやりたいと考えるようになった。そんなときに目に入ったのが、前田薬品工業だった。

 

 

「化粧品関係の仕事を探しているときに出会いました。富山グラウジーズが好きだったので名前は聞いたことがありましたが、製薬会社なんだろうなくらいの印象しかありませんでしたね。SNSができる職種も募集していて、なにか新しいことができそうだと思い、直感で入社を決めました」

 

佐藤は今、アロマブランド「Taroma」の営業や販売を担当している。入社以来、新規開拓に取り組み、社内表彰に選ばれるほど実績を上げている佐藤。だが、まだまだ課題を感じているという。

 

「県外にイベント出展で訪問することがありますが、まだまだTaromaのことを知ってくださる方は少ないですね。富山といえばTaromaだよね、ヘルジアンウッドだよね、くらいの認知度を目指したいですね」

 

 

TikTokの開始で新たな繋がりが

 

くわえて、新たな取り組みとして始めたのが企業TikTokだ。製薬企業がTikTokをしているイメージはあまりないが、なぜ選んだのだろうか。

 

「前田薬品工業ではTwitterはすでにやっていたのですが、私自身あまり見ないんですよね。もっと若い層に知ってもらうなら、TikTokだと考えました。『こんな活動しているんだよ!製薬企業だけどね』みたいなメッセージができればと思ったんです」

 

 

やってみると、意外な効果が表れた。富山県内のほかの企業から、「始め方をおしえてほしい」「TikTokでコラボさせてほしい」と連絡が来たのだ。

 

「話したこともないのにですよ。皆さんTikTokに関心を持っていることが分かりました。そこから社外との繋がりもできて、非常によかったですね」

 

また、企業TikTokを実現できたのは、社内の風土あってこそだという。

 

「私がTikTokをやりたいと言ったときも、上司は『面白そうだね!』といってくれて。今まで『無理だよ』と言われたことは一切ないですね。提案したことを実践できるよう、建設的なアドバイスをくださいます。

 

また、社内の人たちみんなフレンドリーなんです。部署内だけでなく、他部署ともコミュニケーションが盛んで。お互いの事業の内容を共有し合ったりしながら、高め合えている実感があります。同僚というよりも、仲間ですね」

 

最後に、これからの目標を聞いてみた。

 

「Taromaをもっと広めていくことはもちろんですが、社内の繋がりをもっと強くしていきたいです。私自身、人との繋がりですごく助けられました。もっと繋がりをつくる仕事をしていきたいですね」

 

 

たくましい笑顔をのぞかせる佐藤。これから前田薬品工業にどんな新しい風を吹かせてくれるのか、楽しみな人物だ。

 

 

化粧品のスペシャリストが富山移住!?

 

次に紹介するのは、新領域創造事業本部The Spa ByTaromaグループマネージャーを務める富田。富田は新卒で国内化粧品ブランドの美容部員を務め、その後植物療法を取り入れた外資系メーカーに。そこでセラピストを務めた後、ブランドトレーナーとしてメンバーの育成を務めた。次に、新たに立ち上げる化粧品ECサイトのバイヤーを経験。ありとあらゆる化粧品についての知識を身に付けた後、独立して自宅のサロンを設けた。そんなコスメのスペシャリストである富田が、なぜ富山の地で、しかも前田薬品工業ではたらくことになったのだろうか。

 

まずは前田薬品工業を知ったきっかけについて聞いてみた。

 

 

「社外取締役の與那覇さんとはECサイトを作っていた頃からご縁があったんです。そんなとき、富山でナチュラルコスメをつくるからサポートしてほしいといわれて。そこで東京で開催した展示会に出展していただいたのが前田社長との出会いでした。その後、ヘルジアン・ウッドができてからは、セルフケアのセミナーをしに年に2回くらい、富山に訪問していましたね」

 

前田薬品工業には、当時から注目していた。なぜなら、「製薬」と「オーガニックコスメ」両方を兼ね備えているからだ。

 

「ナチュラル業界の考え方として、お薬はNGではないけれど、あくまで自分の体が弱くなったときの最後の砦的な考えが強いんです。だからなのか、以前知り合いにTaromaについて話したときに、『製薬会社さんがやっているんだよね』と言われたことがあって。たしかに、相反するような事業をやっているんだなと感じました。

 

でもよく考えてみると、自然療法があって、それでもだめだったときに、受け皿としてお薬があります。『薬が正義』『オーガニックが正義』という考えではなく、それぞれを融合させて事業にしているのは、なんて懐の深い会社だろうと感じましたね」

 

とはいえ、その頃はまったく転職を意識していなかった富田。人生を大きく転換させるきっかけになったのが、新型コロナウイルスだった。

 

「コロナ禍になり、多くのセラピストさんが廃業になりました。セラピストは人に触れることが仕事なのに、それがダメとされるようになって。はじめは何が起きているのかも分かりませんでした。でもある程度落ち着いて、免疫を身に付けるためにも『触れ合う』ことが大事だと気づいたんです。それをセラピストとして伝えていきたいと考えたとき、どこでどうやって生きていこうと考えるようになりました。そこで富山への移住を決めたんです」

 

あまりにも大きな決断。過去には海外含めてさまざまな土地を旅したというが、それほど富山に魅力を感じた理由はなんだったのだろうか。

 

 

「まずは自然環境。世界的に見ても豊かな土地です。海が近くて山脈もあって、その中にコンパクトに人が住んでいる。しかも湿度が日本でも突出して高い。人間が生きていくうえでの一番のストレスは、『乾き』です。だから湿度が低い東京ではストレスも多い。その点、富山のような湿度の高い場所では、人々がどんなふうに幸せに過ごしているんだろうかと興味がありましたね。

 

一方で植物にとっては、寒暖差が大きい環境で、ストレスもあるはず。それなのに生き残っているのは、すごい生命力なんです。富山にいる人間の幸福な生活も、植物の生命力も、気になることばかりでした」

 

 

最高のスローライフを満喫

 

現在、富田が暮らすのは富山県中新川郡立山町。しかも車はなし。いったいどんな生活をしているのだろうか。

 

「最寄り駅は歩いて40分。景色や植物を見ていると、楽しくてあっという間にすぎちゃいます。むしろ雪道の運転がこわかったので、今の暮らしはすごく満足していますね。これから四季が巡る中、景色がどう変わっていくか楽しみでなりません」

 

ぎょっとした人もいるかもしれない。筆者もその一人だ。富田は笑顔でこう続ける。

 

「よくスローライフっていいますよね。スローライフはゆっくり過ごすことではなくて、時間を価値に変えていく暮らし方だと思うんです。私、逆に忙しいんですよ。便利なものを捨てて、人間が原始的に暮らしていたものに近づいていくから。それを無駄と感じるか、それを人生を豊かにしてくれるものかと感じるのは、人それぞれですね。私は今、すごく楽しいです」

 

もちろん仕事についても精力的に取り組んでいる富田。これまで1人で働いてきた分、難しさも感じているという。

 

「前田薬品工業で働くのを決めたのは、一人ではできないことをやりたかったからです。私はこれまでセラピストとしてお客様の健康に向き合ってきたけれど。一人でできることには限界がある。もっと広げていくためには、多くの人たちにセルフケアについて知ってもらう必要があると考えたんです。そしてそのためには、同じ目標をもった仲間たちとチームで働こうと考えました。

 

現在はヘルジアン・ウッドに関わるメンバーをマネジメントしています。アロマ工房とSpaとTaromaの3つの事業がありますが、どれもみんなが健康で幸せになっていく場所を作り上げていくための場所。みんなと目標に向かって動いているのがとても楽しいです」

 

富山暮らしと前田薬品工業での仕事、両方を楽しんでいる富田。最後に今後の展望を聞いてみた。

 

 

「まずは富山暮らしを楽しみたいです。そして、日本中世界中の人にもっと富山の魅力を知って欲しいですね。私は富山生まれでも富山育ちでもないけれど、時間をかけてもっと富山の良さを知っていきたいと思っています。逆に外からきた私だからこそ、伝えられることもあると思うんです。富山の良さをもっとアピールしていきたいですね。

 

そして私の人生の使命である、セルフケアを伝えていくことも大きな目標です。前田薬品工業での仕事を通じて、もっと多くの人にお届けできるようにしていきたいですね」



 

それぞれの思いを語ってくれた今回のインタビュー。それぞれ仕事もライフスタイルも違うものの、皆いきいきとした表情を浮かべているのが印象的だった。これからの活躍に期待したい。

 

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