人柄が良い会社
「働くなら人柄がいい人の集まる職場で働きたい」
細金は就職活動で、この思いを常に優先してきた。
学生時代に経験したアルバイト先で、人間関係がこじれて辞めていく多くの社員の姿が頭から離れなかった。
「雰囲気が悪い職場は絶対に嫌で、長く続けられないと感じた。
自分の就職先を選ぶときには(職場にいる人の)人柄の良さにこだわりたかった」
そんな強い思いを胸に多くの会社をめぐる中で、サクラパックスとの出会いは特に印象的だったと話す。
「会社見学に訪れたとき、皆が自然に私にあいさつしてくれて、とりつくろわない自然な優しさに魅力を感じた」という。
直観的に「この会社に入りたいと思った」
このエピソードを振り返っていると、同席していた採用担当者がそっと立ち上がった。
「私がいたら話しにくいでしょうから席を外しますね」と述べると、部屋を後にした。
「このような(配慮する)ところに人柄の良さが出てる」と細金は目を細める。
「人事の皆さんは説明会でも過剰に自社の魅力を伝えるようなことをせず、就職活動中の学生に社会人の先輩として親身にアドバイスしてくださった。そのアドバイスで気づきを得た人はたくさんいると思います」
〝利他の心のある人、自分のことだけでなく他人のことも思いやれる人〟
これはサクラパックスの求める人物像だ。社員同士、お互いを思いやり、高め合う社員の姿が何気なしに存在している。
そこには〝とりつくろわない自然な優しさ〟を感じさせる社風に満ちあふれていた。
ハートのリレー
二上は大好きな文具に関わる仕事か、開発関連に携われる職種に就きたいと考え就職活動を進めている中でサクラパックスを見つけた。
「パッケージを通じてさまざまな業種に携われることに魅力を感じた」と入社理由を振り返る。
これまで多くのパッケージの開発に従事してきたが、その中でも特に印象的だったのは
「やはり、初めての仕事だった、〝リンゴジュースのパッケージ〟ですね」と即座に答えた。
中身のジュースをどのように魅力的にみせるか。
箱の色や素材、リンゴのデザインや大きさ…。考えなければならないことは多岐に渡った。
「先輩方のアドバイスを頂きながら試行錯誤を重ねました。苦労した分、形になったときはすごくうれしかったです!」
本来、パッケージの設計者は型を作成してしまえば、製品化されたパッケージを見る機会はないという。
だが、この時は上司がリンゴジュース工場の製造スケジュールを調べ、形になったパッケージを自分のために取り寄せてくれていたという。
「上司の心づかいがすごくうれしかったことを覚えていますし、そのパッケージは実家で大切に保管しています」
自分が上司にされたような心づかいを後輩にもしていきたいと話す二上。
ここにも〝利他の心〟、〝ハートのリレー〟といったサクラパックスの理念が継承されている姿があった。
包まれる製品の思いを知る
「僕はこの仕事をしていて、多くの業種の方と関われることがうれしいし、やりがいとなっている」
そう語ってくれたのは入社3年目の榊だ。
「僕たちの仕事はお客さまの製品を〝運ぶ、守る、伝える〟為のパッケージを作ること。
そのためには包まれる物、包まれる物を作っている方々の思いを知ることが大切だと感じています」
自身の信念を力強く語る。
運ばれるもの、運ばれる先、それがどのように使われるのか。
色々なシチュエーションをイメージしながらパッケージづくりには細心の注意を払う。
「例えば、車の部品を運ぶためのパッケージであれば、その部品が車のどの部分に使われるのか、どのような役割を果たすのか、どのような思いで作られているのかなどをお客さまから教えていただき、それを形にする」
そうした丁寧な仕事をした後に、「お客さまから〝ありがとう〟といわれたときが一番うれしいです」
作り手の思いまでを運び、守り、伝えるためのパッケージを柔軟性と独自性で形にするサクラパックスの理念がそこには込められている。
経営陣との意見交換
サクラパックスが2021年4月より始めた取り組みの1つに〝経営陣と従業員の意見交換会〟がある。
これは、経営陣が対応しきれない現場の問題点をヒアリングすることで明確にし、解決に向けて対策を実施する試みである。
この意見交換会に参加した細金は「当社の強みや現状での困りごとをざっくばらんに意見交換しています。
経営陣の方々が、我々従業員と同じ目線に立って良いモノを生み出すにあたって良い組織づくりとは何かといった内容を一緒に考えています」
社員一人ひとりが自分たちで考え、発信し、変えていけるという行動の連鎖はサクラパックスにとって大きくプラスに働いている。
子育てしやすい環境
多くの国内企業の課題である「女性活躍推進」の実現に向け、サクラパックスは積極的に取り組んでいる。
産休後の会社復帰を迅速に行えるように有給制度の見直しなど社内体制を整備。
時短勤務制度を使い仕事と育児を両立している女性社員が多くいる。
ちなみに女性の育児休業取得率は100%である。
「管理職も女性の産休や時短勤務について理解がある方ばかりで、管理職が中心となりフォローするぞといった雰囲気がある」と二上は社員に向けた社内制度が充実していることをアピールする。
また、業務マニュアルがしっかりと整備されているので、長期間業務から離れていた育休者も安心して職場復帰できる環境である。
現在、サクラパックスでは女性の管理職は少ないが、管理職補佐のポジションに就いている女性が複数人いるという。
「(活躍している女性社員には)しっかりしている人が多い。自分の意見を言える、鋭い意見を言ってくれる人というイメージです」と榊は話す。とはいえ、女性の管理職への昇進に向けたモチベーションの醸成はこれからのよう。
細金は「ん~、(女性管理職に)なりたくないかもしれない。世の中の一般的な感じで大変そうというイメージが先行してしまいます」と苦笑いする。
サクラパックスでは経営陣と従業員の意見交換会などを通じてこういった課題についても対応している。
〝管理職=大変〟といった実態とイメージを全社一丸となり解決していくために自身がどうキャリアを積み成長していけるのか、やりがいを持っていけるのかを月1回の面談や定期的なミーティングにて確認している。
また、役割や人材のポテンシャルによって各人が選択してキャリアを積んでいけるようキャリアパスも新設している。
サクラパックスでは、性別に関係なく、だれもが「働きやすさ」と「働き甲斐」の双方が両立できる職場づくりを継続して実施していく。
富山は〝程よい田舎〟
石川県出身の榊は現在、富山市内で暮らしている。
これまで福岡や奈良などさまざまな地域で生活をしてきたが、「富山の魅力は何といっても美術館と日本酒」と断言する。
休日になれば県内にある美術館に足を運ぶのが楽しみのひとつ。
「屋上に色々な遊びの仕掛けが楽しめる富山県美術館や、富山の木材やガラスをふんだんに使った富山市ガラス美術館など、県内には面白い美術館が沢山あるんです」
そして夜な夜なたしなむ日本酒は毎日の活力。
「満寿泉(ますいずみ)や三笑楽(さんしょうらく)など日本でも有名な銘柄があるんですよ」と言葉が弾む。
富山の海の幸、山の幸を食べながら飲むのは「最高の至福の時だ」
一方の細金は生まれも育ちも富山。
生まれてこの方一度も富山を出て生活をしたことがないが、「今の暮らしには満足しています」とのことだ。
「富山は自然も遊びも身近にある、〝程よい田舎〟って感じ」と、富山の生活のしやすさを強調する。
「車で20~30分異動すれば大型ショッピングモールに行くことができ、同じ程度の時間で自然豊かな場所にも行けるのが富山の魅力」と細金。休日には蜃気楼(しんきろう)の見える富山の海岸線を愛犬と一緒に散歩するのが最高のリフレッシュとなっている。
モノだけでなく、そのモノに込められた心までも包み、届けるサクラパックス。
富山の豊かな自然に包まれ、五感に心地よい刺激を受けられる環境がその理念の体現をサポートし、自他を思いやる従業員の心も育んでくれている。