おいしく食べて元気に! スパイスとハーブがたっぷりの本場スリランカカレー

「インド洋の真珠」とも呼ばれる熱帯の島国『スリランカ』。北海道の8割ほどという国土の北部には平野が、南部には山岳、高原地帯が広がる小さな国です。多彩で豊かな自然と8つもの世界遺産があり多くの観光客が訪れる地でもあります。特に紅茶の生産が古くから盛んで旧国名でもある「セイロン」は紅茶の銘柄名として今も世界中で知られています。そんなスリランカのカレーが味わえる店が立山町にあります。

 

 

富山地方鉄道「五百石駅」に併設された『立山町元気交流ステーション』の1階にある『ニルカレー』では、ハーブやスパイスをたっぷり使った本場仕込みのスリランカカレーを提供。オープン以来、女性を中心にここでしか食べられない味を求めて多くの客が訪れています。
店内には、スリランカを代表する世界遺産のひとつ『シギリヤ・ロック』をイメージしたという巨大ベンチが鎮座。東向きの大きな窓ガラスからは柔らかな陽の光が差し込み明るく開放的な雰囲気が漂います。

 

 

「いらっしゃいませ」と太陽のように明るい笑顔で出迎えてくれるのは、店長のチャトウリカ・アベワルダナさんです。スリランカの山間に位置する古都・キャンディで生まれ育ったチャトウリカさんは来日して17年。夫とお子さんと富山で暮らしています。そんなチャトウリカさんが作るのはハーブやスパイス、そして富山県産の野菜をたっぷりと使った美と健康を意識した栄養満点のスリランカカレーです。

 

 

アーユルヴェーダ(インド・スリランカ発祥の伝統的な医学)が人々の生活に根付き、スパイスを用いた食事が当たり前となっているスリランカ。なかでもスリランカの人々にとってカレーは日本人にとっての味噌汁のような存在で、毎日の食卓に並ぶ国民食です。ココナッツをたっぷり使用するのが特徴で、チャトウリカさんが作る本場のスリランカカレーもまさに、スリランカの“母の味”。その都度、コリアンダーやクミンなどのホールタイプのスパイスを潰して作るといい、使用するスパイスの種類や配合は各家庭によって異なるそう。同店では、スリランカに住むチャトウリカさんの母が独自の配合でブレンドした15種類の特別なスパイスを使用しており、ここでしか食べられない唯一無二の味を楽しむことができます。カレーと数種類のサラダがワンプレートになった店の定番メニュー「スリランカプレート」や、3カ月ごとに変わる「気まぐれプレート」などがあり、足繁く通う常連さんも多いといいます。

 

 

 

チャトウリカさんが幼少期から慣れ親しんできた本場の味を忠実に作り続けるために、スパイスのほか、スリランカ米や調味料なども現地から直輸入しています。スリランカ北部の平野地帯では稲作が盛んに行われており、スリランカの主食であるお米は、日本のものよりも細長くパラパラとした食感が特徴。同店では、日本のコシヒカリと混ぜて炊くなどメニューによって使い分けています。また、モルジブフィッシュという日本の鰹節のようなものが使われており、こちらもスリランカカレーには欠かせない食材のひとつとなっています。
この、モルジブフィッシュは、日本の鰹節のように出汁を取るという使い方ではなく、カレーに入れてそのまま煮込んで食べるという使い方をします。ちなみに、そのままのモルジブフィッシュは、ジャーキーのような食感で噛めば噛むほど魚の旨味や香りを感じることができます。

 

 

 

 

紅茶のことを熟知しているチャトウリカさんの母がチョイスした紅茶もまたニルカレーのもうひとつの名物です。スリランカでは紅茶に砂糖は入れず、「キトゥルジャガリー」という甘味料をかじりながら紅茶を楽しみます。キトゥルジャガリーとは、スリランカで自生している「孔雀椰子」の花から取れる蜜を煮詰めて冷やし固めたもの。ホロっとした食感で黒糖にも似たマイルドな甘さが特徴です。香り高く渋みが少ない紅茶とも相性抜群でカレーを食べた後にもおすすめです。

 

 

 

「スリランカ感を大切にしていますのでなるべく現地と同じように味わっていただいています。」とにっこり。本場の料理だけでなく、スリランカの文化をありのままの形で感じてほしいそう。
 

 

また、ゴールデンウイークなど年に数回イベントを開催しており、通常のメニューにはないスリランカ料理を味わうことができます。例えば、ご飯の上にカレーやおかずをのせてバナナの葉で包んで蒸し上げる「ランプライス」など、さまざまな料理を期間限定で提供。富山ではなかなかお目にかかれない珍しい逸品が味わえるとあって毎回好評を博しています。こうしたイベントや最新情報はSNSで発信していますので気になる方はそちらもチェック。
「おいしく食べて元気になってほしい」というチャトウリカさんの想いが詰まった特別な一皿を味わえるのはもちろん、スリランカの文化を体感できる場でもあります。

 

 

 

■DATA

店名:nilu curry(ニルカレー)
住所:富山県中新川郡立山町前沢1169
TEL:070-1256-9886
営業時間:11:00~14:30
定休日:水曜
URL: Facebook、Instagramあり

 

■アクセス

電車: 地鉄『五百石駅』下車すぐ(駅直結)