全国的にも珍しい魚市場の中にある行列必至の人気店『氷見魚市場食堂』

寒ブリの聖地として全国にその名をとどろかす氷見。定置網漁が盛んに行われ、年間を通して156もの魚種の宝庫でもある氷見の魚市場では、朝6:00からセリが行われ、威勢のいい仲買人の声が場内に響き渡ります。活気あるセリの様子を一目見ようと早朝にも関わらず、国内外から観光客が数多く訪れる魚市場の中に、『氷見魚市場食堂』はあります。
 

 

江戸時代から150年以上続く老舗魚商『釣屋』が営む同店では、その日に水揚げされた新鮮な魚介類を使った海鮮丼や定食が味わえます。目の前の市場で競り落とされた魚介類が続々と運び込まれ、どんどん調理されていくため、鮮度の良さは折り紙つき。開店前から行列ができるほどの人気ぶりです。
 


なかでも、同店の名物メニュー「氷見浜丼定食」は、その日の仕入れによって変わる5種類ほどのネタが白飯の上に盛り付けられており「ちょっこし盛り」(小盛)、「やわやわ盛」(並盛)、「はんさ盛」(大盛)の3種類を提供。ネタは、順次セリ落とされた魚となるため、時間帯によって内容がどんどん変わるといいます。

 

ちなみに「やわやわ」は富山弁で「ゆっくり、のんびり」、「はんさ」とは氷見市独特の方言で「すごい、とても」という意味。それぞれ転じて、ほどほどの量と、すごくたくさんの量ということを表しています。


 

定食に付く「土鍋漁師汁」は、卓上コンロの上で温めながら食べるというスタイルで、ライブ感も満載。釣屋の自社工場で作る食べ応え満点の大きなつみれや、魚のあらが入っており、富山湾の恵みを余すところなく堪能することができます。

 

 

それ以外にも、「お刺身定食」や「魚フライ定食」があり、白海老の甘みとほくほくとしたジャガイモの食感がたまらない「白海老コロッケ」や「自家製すり身揚げ」などの単品メニューも人気です。なかでも、すり身揚げは、みぎすやあじ、しいら、トビウオなどが使われており、こちらも時期によって魚の種類が若干変わります。
 

 


 

連日盛況ですが、特に土日祝日になると、待ち時間が2時間にも及ぶことも。しかし予約不可のため、整理券を発行しています。魚市場でのセリを見学してから、朝一で同店を訪れる客はもちろん、整理券をもらい、待ち時間を利用して周辺の観光に出かける客も多いといいます。
 

 

また、魚市場から歩いて5分ほどにある、氷見の「定置網漁」や漁業の歴史が学べる施設『氷見市漁業文化交流センター』内には、姉妹店の『岸壁市場』と『岸壁食堂』があります。そちらでは、酢飯の上に、新鮮な魚介類がたっぷり乗った、「氷見ちらし定食」などが味わえるほか、刺身や鮮魚、総菜などを買うことができます。また、実際に魚をさばいている様子を窓越しに自由に見学できるコーナーもあり、こちらも人気のスポットです。

 

 

海に固定された網に入ってきた魚を獲る定置網漁業を古くから行ってきた氷見。約20kmの沿岸地域に大小29基の定置網が敷設されており、漁礁の役割も果たしています。網の中の約3割の魚だけを水揚げするという漁法は、資源保護や生物の多様性にも貢献しており、世界的にも注目されています。そして、この氷見の豊かな海の恵みを求めて、多くの人々が毎年、この地を訪れています。
そんな氷見観光の目玉拠点のひとつとして、春はイワシ、クロダイ、夏はアジ、バレンカジキ、秋は、シイラ、フクラギ、冬は、ブリ、マダラなど四季折々の海の幸が楽しめる同店。魚市場の中という絶好のロケーションと、確かな目利きで厳選された旬の魚介を存分に味わえる、一度は訪れてみたい名店ではないでしょうか。
 

 

 

■行き方

住所: 氷見市比美町435 氷見漁港2階
営業時間: 平日6:30~15:00 土日6:30~15:30
定休日:1月1日~3日
ホームページ:Instagramあり(https://www.instagram.com/himi_uoichiba/

 

 

■アクセス

・JR氷見駅から徒歩15分
・能越自動車道「氷見北IC」から2.7km
※駐車場あり