北陸発!フランス人パティシエの作る色鮮やかな絶品マカロン Monsieur J

Monsieur J(ムッシュー・ジー)は、2013年創業の富山市総曲輪にあるマカロン・フランス菓子専門店です。

店名の「ムッシュー・ジー」は、フランス人パティシエ ジョスラン氏に由来するもの。

様々な国のレストランやホテルで腕を磨いてきたジョスラン氏が生み出すスイーツは大人気。そのスイーツを求めて県外からも人が訪れ、ホワイトデーなどの繁忙期は予約しないと手に入れられないほどです。

店内には数々のスイーツが並びますが、特筆すべきはやはり代表作のマカロンです。ショーケースに並ぶマカロンの華やかな色味は見ているだけで心躍らされます。

店頭には日々20種並び、レパートリーは約30種類と豊富なラインアップは県内一。

まるで色とりどりの宝石を彷彿させるようなショーケースにくぎ付けになりながら、あれこれと選ぶ楽しさを是非店舗で体感してほしい、そんな胸弾むスイーツ店です。

 

 

店舗の場所について以前は総曲輪にありましたが、厨房拡張のため2023年9月に移転し新店舗がオープンしました。外観はお洒落なパリのブティックのようで足を踏み入れると、天井が高く広々とした空間が印象的な造り。2階にはイートインスペースもできて、マカロンも450個並べられるほどショーケースが広くなりました。

シェフの念願だったパン作りも行えるようになり、フランス産のバターを使った美しいクロワッサンが店内に並んでいます。

 

 

 

 

今でこそ人気店である当店ですが、初めから順調な滑り出しではなかったようです。開店前の試作品に対して日本人の評価は厳しく、試行錯誤を重ねたことで今のスイーツたちが生まれました。

日本の小麦やバターでは性質が異なり、バランスが変わってしまうため0からやり直す必要があったそうです。他にも日本は湿度が高く、発酵や膨張が思い通りにならないなど日本特有の気候にも悩まされ、今までの常識が通用しない難しさを痛感。失敗を繰り返しながら日本で流通している材料を勉強し、舌に残る甘さを抑える工夫、風土に合うテイストを追求されていきました。

その努力が功を奏し地元放送局や新聞社に多く取り上げられ、オープン当日から沢山の人で賑わい県外からも足を運ぶ人気店になったそうです。

最初の評価を覆し人気店になったのはシェフの弛まぬ研究があってこそですが、他にもいくつものこだわりが評判の由縁のように感じます。

 

一つは素材へのこだわりです。当店では最高級Aグレードのタヒチ産バニラを使用されており、こちらは世界で2%ほどしか出回らない希少なバニラです。出回らない理由はそのほとんどがタヒチ国内とフランスで消費されているから。このバニラの香り、フレーバーは、美味しいお菓子作りには欠かせない素材です。

貴重なバニラビーンズを使用できるのはシェフのタヒチ滞在5年の経験からです。滞在期間に知り合ったバニラの生産者の方々と信頼関係を築き独自ルートを開拓されました。

通年を通してこのバニラを使用できるのも、シェフの味を追求する姿勢あってこそというのが分かります。

 

二つ目は富山県の食材を積極的に使い、商品を展開している点です。

スイーツづくりにおいて重要な卵や牛乳を自然豊かな富山産を使用。また、各国で積んできた経験を活かしフランス人ならではの感性で新しい商品の開発を日々行っています。

県産池多りんご、苺、柚子などのフルーツを使用したり、県産きなこ、大吟醸酒粕使用の甘酒、八尾黒胡麻、利賀クロモジを使用したマカロンなどを開発されてきました。

​シェフの生み出すスイーツは富山の素材を丁寧にフランスのスイーツに落とし込むことで、今まで体験してこなかった新しい味に出会うことができます。特にマカロンは季節ごとに提供されるレパートリーも変化し、店舗に行く度に新しい味を試したくなるくらい心が浮き立ちます。

全ての工程を手作業で丹念に焼き上げられたマカロンは、サクッとした生地に濃厚なクリームがふんわりサンドされていて、柔らかな甘みが口に広がります。富山の素材の数々がマカロンで美味しく表現されていくことで、改めて地元の素材の良さに気が付くこともあります。

特に人気なのは芳醇で甘酸っぱさのある口どけが病みつきになる「カシス」。

そのほか「きなこ」「さくら(春季)」「ラムネ(夏季)」などの日本特有の食材を使った商品や、「クロモジ」「黒胡麻」「甘酒」なども中々見かけない希少さもありおすすめの品々です。

 

 

 

「当店では過去にいくつもチャレンジングな新素材を使ったスイーツ作りを試みましたが、最近では富山県利賀村の“幻の果実”「さるなし」をマカロンとして商品化しました」とシェフより。

慶應義塾大学の学生たちが行う地域おこしのプロジェクトに賛同したことで開発が始まり、こちらも試行錯誤の末、さるなしの酸味と香り、バナナのまろやかな甘みや食感がマッチした新商品が生まれました。こういった活動に果敢に挑戦される当店は地域貢献という面でも果たす役割は大きいものがあるのではないでしょうか。地元の人々から見ても、その食材の新たな魅力や知らなかった良さを提供してもらっているとも言えます。

そして、こういった積み重ねの上、誕生した日本や富山の素材の新商品は本場フランスでも注目されているようです。きなこマカロンが海外のパティシエ業界誌に掲載されるなど、シェフの意欲的な取り組みをきっかけに出身国フランスで日本、富山の食材が広まり相乗効果を生んでいます。

 

マカロン以外にも独創的でスタイリッシュなケーキや焼き菓子はどれも突き詰めたゆえの美味しさに満ちたとびっきりのスイーツばかり。

シェフがこれまでの経験と知見を駆使した甘い宝石たちは、富山の地でまた新しい姿を見せながら更なる高みを目指しているようです。

今後も目が離せない店舗の一つ、それがムッシュー・ジーです。


 

Monsieur Jムッシュー・ジー

 

所在地:富山市磯部町2-7-22 

電話番号:076-461-5242

営業時間:10:00~18:00

URL: https://www.monsieurj-patisserie.com/