ほたるいかミュージアム

富山県の代表的な海の幸として知られるホタルイカ。他県に比べ大きなサイズが特徴的な富山産ホタルイカは3月から6月頃が旬と言われています。解禁期間中に成長したプリッとした身の美味しさは地元の方は勿論、観光客まで愛される名産品です。

ホタルイカは幻想的に光る美しさについても注目されますが、改めてその生態について知る機会も中々ないのではないでしょうか。

ホタルイカの生態を詳しく学べる施設として「ほたるいかミュージアム」は是非一度は訪れてほしい場所です。子供から大人まで幅広い年代の方が学べるということで、家族連れも多く訪れる体験型ミュージアムとなっています。

 

 

 

ミュージアム入口にはホタルイカをイメージしたオリジナルキャラクター「ナピカ」が出迎えてくれます。名前は『な』めりかわで『ぴか』っと輝くところから由来しています。

館内では、模型やパネル、映像などを用いてホタルイカや富山湾についてわかりやすく解説しています。ホタルイカが光る意味合いは主に3つで、1つ目は敵を威嚇するため。2つ目は太陽光にまぎれて姿を見えにくくするため。そして3つ目は仲間同士のコミュニケーションのためだと言われています。そういった不思議な生態を多角的に学ぶことができるのが当施設です。

 

 

 

展示ホールには滑川沖で取水した深層水を満たしたタッチプール「深海不思議の泉」があります。トヤマエビやズワイガニなどに触ることができ、3月下旬から5月には、生きたホタルイカも登場します。実際に生きたホタルイカに触れると小さいながらもハリのある身の柔らかさを感じます。刺激を受けたホタルイカの腕は青白く発光し、手の中で広がるその物珍しい光景は思わず見入ってしまうほどです。

深層水は水温5度という、悴むような冷たさ。富山の海洋生物たちはこういった水温で生きていることを実感して体験することができます。

 

ホタルイカは水槽飼育が出来ず、ミュージアムの職員が毎日漁についていき、捕獲しているそうです。つまり生きたホタルイカを見て触れられるのは本当に限られた時期で、貴重な体験と言えます。

 

 

 

他にもインパクトのある見た目の、ダイオウグソクムシの水槽がある「深海展示コーナー」も人気です。深海生物のダイオウグソクムシは、世界最大のダンゴムシの仲間といわれています。大西洋、メキシコ湾の水深350m~2,300mに生息し、富山県ではこの展示でしか見られない貴重な存在です。

展示内にてダイオウグソクムシはほとんど動くことはないのですが、運良くエサの時間に立ち会えると、動く姿を見られる可能性もあるそうです。

ダイオウグソクムシ以外にはオオグソクムシも展示されています。

 

 


 


 

ミュージアムの目玉となるのが、ホタルイカが実際に発光する様子を見学できる「ライブシアター」です。ホタルイカ漁や海上観光の様子を紹介したVTRを上映後、暗闇に灯る神秘的な光を見ることができます。光が見られる仕組みとしては、網を張った水槽をホタルイカが泳ぎ、網を揺らして刺激を与えると青白く発光します。光が波のように暗闇でなびくその美しい光景には思わず参加者の歓声が上がるほどです。こちらも見られるのは3月から5月の期間となっており、土日には多くの方がシアターに参加しその光景を楽しみます。

 

ホタルイカのいないシーズンは、ホタルイカの発光をイメージしたLEDライトや龍宮ホタル(深海性発光プランクトン)の発光ショーも実演します。

 

 

 

ほたるいかミュージアムは2023年4月10日から、特殊な歩行機器を用いて、VR(仮想現実)空間を自由に歩き回り、ホタルイカの発光など生態を学べるコーナーを常設しました。機器の導入は、博物館では全国初で体験施設としては中部地区で初となります。昨年夏、VRを活用してホタルイカと触れ合う企画を実施し、好評だったことから内容をより発展させ通年で楽しめるようにしたそうです。最新機器を導入しリアリティのある海の様子やほたるいかの実態について体感できる新コーナーが誕生しました。当施設は如何に様々な方法でお客様に学びと楽しみを提供できるかの創意工夫が光る、そんな施設だと感じます。

 

 

 

ミュージアムに併設された「パノラマレストラン光彩」では、ホタルイカを通年味わうことができます。ホタルイカの刺身や天ぷらといった一品料理から、ピザ、パスタまで、地元の魚介や野菜をふんだんに盛り込んだ多彩な料理が揃います。深層水を使ったコーヒーもおすすめの一つです。一面ガラス張りの店内からは富山湾を一望することができ、天気の良い日はその見晴らしも是非堪能してほしいです。

他にも特産品を販売する「おみやげマーケット」にてお土産を購入することもできます。代表的な「ほたるいか活漬け」以外にもマーケットの一画にある「みちcafe wave」ではほたるいかを使った「ほたるいかバーガー」など滑川ならではのグルメを味わえる施設が隣接しています。

見て知って味わう、そんな五感をフルに使ってホタルイカを楽しめる施設はこのミュージアムがある「道の駅ウェーブパークなめりかわ」だけではないででしょうか。観光客だけではなく、地元の人にこそ訪れて富山では当たり前のようにあるほたるいかの魅力を再発見していただきたいです。

 

 

 


 

ほたるいかミュージアム

住所:富山県滑川市中川原410

アクセス:

【電車】あいの風とやま鉄道滑川駅から徒歩8分 

【車】北陸自動車滑川ICから約10分

営業時間:9:00~17:00、最終入館16:30

駐車場:無料(道の駅ウェーブパークなめりかわの駐車場を使用)

 

ホタルイカの生態など詳細はこちら

https://toyama-zukan.com/article-detail/38/%E3%83%9B%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%AB