「富山湾の宝石」が煌めく、元祖白えび天丼の店 白えび亭

富山県の名産である「白えび」

土産物として白えび煎餅を製造する会社もあり、徐々にその名は県外へ広まりつつある印象があります。

実はこの「白えび」の名前を県外へ広めようと煎餅を販売したのが、この白えび亭の始まりです。

 

まだ県外の方からすると聞き馴染みが薄い「白えび」は、日本沿岸の深海に生息する固有種。

その見た目は、透き通るような淡いピンク色なのが特徴的です。日本近海に広く生息していますが、大量に獲れるのは富山湾だけとなっています。富山湾といえば水深の深さと魚の豊富さで知られています。そんな日本有数の豊かな湾が唯一の漁場となっている白えびは、その希少性もあり地元から愛されてきた名産なのです。

獲れたばかりの白えびは、船上で太陽の光を受けてキラキラと反射することから、「富山湾の宝石」と称されています。水揚げしてから時間が経過するとともに体色が透明からピンク色、最後には白色に変化していきます。白えびと呼ばれるようになった由縁はその身の美しい白さそのままなのです。

傷みやすいことから昔は漁場周辺でしか消費されませんでしたが、近年の冷凍技術や流通網の発達により、ぶりやホタルイカと並んで「富山県のさかな」に指定され、広く販売されるようになった経緯があります。

 

「©(公社)とやま観光推進機構」

 

「白えび亭」の創業は1989年。当時県外ではまだ無名だった白えびを広めるため、屋台で白えび煎餅を販売したのが始まり。2015年の北陸新幹線開通の際に富山駅新幹線高架下にある「きときと市場 とやマルシェ」に移転しました。

 

駅ビルの中で食べられるとあって、その利便性から地元の人や観光客、多くの人に愛されてきました。店舗以外でも、全国の百貨店の催事などでも白えびの天ぷらを販売し、富山の名物として少しずつ知名度を高めていったことから、白えび亭の「白えびの認知度向上」に対する功績は大きいのではないでしょうか。

 


 

白えび亭では美味しい白えびを提供するために数多のこだわりが垣間見えます。

まずは富山湾から直送した白えびを、毎朝一匹一匹を丁寧に手むきしていること。そうした手間をかけることで、白えび本来の上品な甘みや食感を楽しむことができます。

 

まず、おすすめの一品である「白えび刺身丼」は、そんなこだわりの白エビを約90尾も使った贅沢な丼ぶり。とにかく白えびをふんだんに楽しみたいという方にはうってつけの品です。

まずは醤油をつけずに、素材本来の味を味わうのがおすすめ。

口の中でとろけながら、口の中いっぱいに広がる白えびの濃厚な甘さは絶品。

傷みやすい白えびがそのままでも美味しいのは、鮮度と質が良い証拠です。醤油も濃口と甘口の2種が選べ、どちらをつけても更に白えびの良さを味わえます。

地場だからこそ楽しめる、贅沢な食べ方で是非堪能して頂きたいです。

 

 

元祖白えび天丼の天丼は、一匹ずつバラバラに揚げていきます。こちらも味を追求する白えび亭のこだわりゆえ。

白えびの純粋な味を楽しんでもらうために、一匹ずつバラバラにして揚げ、揚げ方も、中味を少し生にすることで、サクッとした食感と、生のえびの甘みの両方を味わえるようにしています。

 

薄い衣で揚げられているので、食感はサクサクし、その後に広がる香ばしい香り。白えびの上品な甘さが引き出されている甘口のたれ。白えびを引き立てつつも天丼としての美味しさをきちんと表しています。元祖白えび天丼という言葉に引けを取らない満足度があるのが、さすが白えび亭といったところでしょう。

 

 

白えび亭は富山だけではなく、東京駅構内にも店舗を構え、時代の流れとともに、もはや白えびは富山だけのものではなくなりつつあるのかもしれません。

元々は地元で愛されてきた海の幸。地元の良い品を広めたいという思いから広まった「富山の美味しい」は「全国の美味しい」へ徐々に広がりを見せつつあります。

そのパイオニアである白えび亭で是非その思いを感じながら、とびきりの白えびを味わって頂きたいです。

白えび亭

〒930-0001

富山市明輪町1番220号 JR富山駅1F

きときと市場「とやマルシェ」内

076-433-0355

関連サイト

http://shiroebiya.co.jp