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お客さまの生活に寄り添い、それぞれにあった保険で生活を守る。

有限会社荘内保険 / 営業職

インタビュー記事

更新日 : 2024年11月05日

生活のなかに起きる不測の自体に備える保険。さまざまな保険があるが、本当に必要なものは、年齢や家族構成、住む地域などによって人それぞれだ。だからこそ「人に寄り添って提案とフォロー」をしていく必要がある。それを経営理念に掲げるのが、今回話を伺った荘内保険だ。

有限会社荘内保険 事業概要

創業は昭和34年(1959年)。60年以上の歴史を持つ保険代理店だ。もともとは自動車関係の仕事をしていたところから、保険の重要性を感じて保険の事務手続きをする代理店業務を個人事業主として始めたところから会社の歴史は始まる。個人の生活スタイルに寄り添った保険提案と契約後の丁寧なフォロー体制を徹底することで、庄内、特に鶴岡で地元の人たちから大きな信頼を得てきた。個人で代理店業務を行っている人たちの業務を引き受けるという形で、徐々に会社の規模を広げていくことになった。現在は損害保険ジャパン株式会社の専属代理店として、各種保険を取り扱い、地域の生活、個人の生活に合った保険提案を行っている。その体制は、損害保険ジャパンの全国にあるプロ代理店の中からトップ代理店として表彰を受けるという形でも評価されている。 目指すは地域ナンバー1代理店。2021年6月に酒田支社を設立し、社名にもある「ショウナイ」とより密接につながる体制をとって、庄内地域でナンバー1の代理店となることを目指す。

お客さまの生活に寄り添う会社でありたい

「●●会社の生命保険。▲▲会社の自動車保険。そういうふうに覚えてくれるよりも、荘内保険さんの保険、とおっしゃってくれるお客さまがたくさんいらっしゃるんです」。そう話してくれたのは、代表取締役の黒谷ひろみだ。

荘内保険は、各種保険の代理店だ。現在、損害保険ジャパン専属代理店として、さまざまな保険を取り扱っている。それぞれのブランド知名度は高く、顧客側も多くがその名前を知っている。しかし、そのブランド名よりも「荘内保険」という名前を覚えてくれるお客さまが多いというのだ。

「保険の知識はもちろんですが、それよりもお客さま個人に寄り添うということを徹底して営業しています。例えば家族構成やご年齢であったり、自動車をどれだけ使う生活か、また、雪の多い地域なので建物をお持ちの方はそちらの損害保険であったり。そういう個人の生活の違いに寄り添ったご提案をさせていただいています」

そのほか、自社で契約をした保険ではないものについての問い合わせがきたとしても「それはうちに契約はありません」と即座に断らず、一般的なアドバイスを行う(もちろん保障内容など、間違いがあってはいけないところに関しては、問い合わせ先を伝えるなどの対応にとどまる)。

同じくインタビューに答えてくれた取締役専務の渡部智明も現場の視点から「お客さまに寄り添う営業」のことを話してくれた。渡部は荘内保険に入社する前は、法人向けに通信機器の営業をしていた。そのとき荘内保険にもいわゆるビジネスフォンの営業で顔を出していたという。「難しいところがやりがいがあって楽しかった」という仕事だったそうだ。あるとき仲間内で一番難しい営業とは何だろうという話が出て、あるひとりが「保険じゃないかな」と言った。ならばということで、付き合いのある荘内保険に転職を決めた。

保険の営業経験はもちろんない。そのなかで飛び込んだのだが、営業活動をしてみると「難しいというのは単なる先入観」だったと感じたそうだ。

「保険の営業が難しいというイメージは、営業側が“売りつける”、お客さま側が“売りつけられる”という勝手な先入観がお互いにあるから出てくるものじゃないかなと思います。でもお客さまときちんと話をして信頼関係ができれば自ずと成果が出せる分野なんです。そういう意味では続ければ結果は出ると思っています」

損害保険や生命保険。さきほども述べたが、ひとりひとり生活のスタイルや年齢などで、それぞれに合う保険がある。それをお客さまと話し合うなかでカスタマイズしていくことで信頼関係を築いていく。まさに荘内保険の目指す「お客さまに寄り添う」営業のカタチだ。

「お客さまのために」を生み出す働き方

経営方針にも掲げているように「すべてはお客さまのために」と黒谷は強調するが、「そのためには」と話を続ける。

「すべてはお客さまのためにというのが会社の理念です。そのためには、ちょっと逆説的かもしれませんが、働く社員たちが幸せでないとダメだと思っています」

この場合の幸せというのはどんなものだろう。それは働きやすさであったり、給与体系を整備することで自身の未来の生活が見えることだという。渡部の話とともに詳しく見ていきたい。

「働きやすさという点においては、弊社は風通しのいい会社だと思っています。会社に対して意見しやすい環境を整備しています。またチームで仕事に取り組んでいるので、同じ目標に向かってそれぞれが時間配分をすることができ、休日の申請もしやすい。そして、残業はゼロというわけにはいきませんが、ほかの代理店に比べると少ない時間で済んでいるはずです。だから、社員たちは家族や個人の趣味など、生活に時間をあてることができています」

そして、と渡部は続ける。それを生み出しているのが「給与体系」ではないかという。一般的に多くの保険代理店会社は、個人のノルマがあり、それを毎月の基本給に上乗せという形で反映させている。当たり前のことだが、ノルマ以上に営業成績をあげれば給料は多くもらえるし、ノルマを下回れば給料が下がる。もちろん基本給は定まっているものの、結果的に手にできる給料が月により変動するので、生活の未来イメージが作りにくい。

「そのような状況では、社員は安心して働けないと思うんです。だから人事制度、給与体系を整備し、社員には3年後、5年後、10年後のビジョンもテーブルとして見せています。だから生活のビジョンが組みやすい。それが仕事のやりがいにもつながるのではないかと考えています」

毎月のノルマのような短期的な数字だけを目標としないというこの方針は、荘内保険の「お客さまに寄り添う営業」を生み出す一助にもなっているはずだ。ひとりひとりと向き合って、丁寧に時間をかけて、提案、契約、アフターフォローをしていく形は、即効性という意味では後手をとってしまうかもしれない。しかし、荘内保険の営業というのは、地域やそこに住む人と密接につながることによって信頼を築くことにある。つまり、ノルマだけに追われる環境の上には成り立たないものなのだ。

個人の資質によらないクオリティを目指して

これまでの書き方は、「保険の知識は二の次」といったようにも読めるかもしれないが、もちろんそんなことはない。ではなぜ黒谷や渡部が「知識よりも」というのかというと、保険営業のクオリティを属人化させない取り組みをしているからだ。

ひとつは研修の充実。これは荘内保険に限ったことではないが、多くの場合が代理店に入社するとまずは取り扱う保険会社において研修が行われ、知識や営業スキルを磨いたうえで代理店に戻ってくる。荘内保険の場合は、同じ鶴岡市にある損保ジャパン庄内支社において研修が行われる。期間は1年から長くて3年。研修生として損害保険、生命保険の知識を得るところからスタートし、営業の経験も積むことになる。一定のガイドラインがあり、それに沿うように経験ができる。渡部自身も未経験からのスタートだったので、もちろん入社すぐに研修を経験した。だから「知識よりも」という言葉が出てくるのだ。

もうひとつ、荘内保険のおもしろい取り組みは、ISO9001の認証取得を目指しているところ。クオリティの担保という課題をクリアするために、マニュアルなどを整備、制度化できる部分は進めて、個人の資質だけによらない成果を目指している。これは保険代理店という業種においては珍しい試みだ。渡部も「地域と密着した保険会社でありたい。そのためにもお客さまに対する品質をあげていく必要がある。それを実現するためには、自分だけではなく経験や成功事例、失敗事例などの財産をきちんと共有すること。個人ではなく、荘内保険という会社としてクオリティを維持していかなくてはいけないと考えています」と話してくれた。

荘内保険が目指すのは、地域ナンバーワン代理店。実際、本社のある鶴岡においては、それがほぼ実現できている。その立場を維持するのがまずはひとつの目標と話してくれた。そして社名には「荘内」という言葉が入っている。これからの目標は「庄内地域ナンバーワン」。そのため2021年6月には酒田支社を設立する。これまで紹介してきた、地域密着、人に寄り添うをキーワードにした保険事業を徹底するためには必要なことだという。そこから「庄内地域の安心」を生み出していきたいと話してくれた。