環境にやさしい 排水処理機器を発明。(株式会社 研電社)
石飛 龍一環境にやさしい 排水処理機器を発明。(株式会社 研電社)
石飛 龍一
石飛 龍一(株式会社 研電社)
出雲市出身。高校卒業後、広島の車の部品会社へ就職。約13年前にUターンして、研電社へ入社。現場に入り技術を磨き、設計や営業、サービスなど、あらゆる仕事をこなす。平成28年4月に研電社の後を継ぎ、社長となる。
「研電社」は祖父が昭和33年に創業した会社です。戦時中に祖父が海軍の機械整備に携わり、その関係で戦後、車の電装の仕事からはじめたようです。時代の流れから専門業者が増えてきたことで方針を変え、環境関連機器の発明を行うことになったそうです。
それから今日では、お客様からご要望いただいたものを自社で発明、設計、製造するようになりました。その中で、会長である父が、メーカーになりたいという思いもあり、社内で一丸となって発明したものが「スリットセーバー」という機器です。
「スリットセーバー」は楕円版型固液分離装置。言わば固形と液体を分ける装置です。一般家庭の台所で例えると、シンクの排水ゴミかごに、野菜くずが詰まり水が流れなくなった経験をされたことがあると思います。その際に、ゴミかごやストレーナー部分を外して掃除すると思いますが、この装置はそういう目詰まりをおこしません。
構造のことをいうと、いくつもの楕円板が回転することによって、目を掻きあげ固形物を押し上げることで、目詰まりしない仕組みになっています。
この「スリットセーバー」は食品排水や工業排水、家畜糞尿処理などに用いることができます。よって、洗浄水がいらず、掃除の手間が省けるメリットがあり、お客様からご好評いただいています。
スリットセーバーのデモンストレーション
日本国内では畜産関係業者のお客様が多いです。畜産の排水基準の規制が制定されてから約10年が経ったことで、糞尿処理機械の買い替えや更新の時期にあたり、お声がかかることが多くなりました。しかし、日本はインフラ整備がほぼ終了しているので、今は海外がターゲットです。
現在、タイや東南アジア諸国など、インフラが整ってない国へ進出しています。タイなど発展途上の国々では、まだ「インフラとは?」というところから話をはじめなければなりません。排水処理の意識が日本より低く、一般の町工場でも排水整備がなされてないところがほとんどです。そこにスリットセーバーを導入し、利用してもらうことで、発展途上国の水質問題や環境問題も改善していくことができます!
また、日本でスリットセーバーを製造し、輸出するとコストがかかるので、タイの自動車部品企業と合弁会社を設立しました。今後は、スリットセーバーの需要のあるタイで機器を生産し、アセアン諸国に拡販していこうと思っています。
仕事で国内外に飛び回っていますが、たまに島根に戻るとロードバイクでツーリングに出かけています。もともと高校の時に、自転車競技部に所属していて国体にも出たことがあります!…とはいえ、県内に自転車競技部が2校しかなかったので、そこに勝てたら国体に出られる訳です(笑)。
社会人になってからは自転車に乗ってなかったのですが、出雲に戻り自転車屋さんと飲み友だちになり、懐かしくなってロードバイクをやりはじめました。最近は「飯南ヒルクライム」や「石見グランフォンド」などに参加しましたが、そもそも平日から走ってないので、ボロボロの結果に…。それでも、やっぱり自転車は楽しいです!
その友だちに誘われて、今度はシクロクロスバイクの大会に出ます。はじめての大会なので今からドキドキです。
それと、お酒が好きで、よくショットバーに行きます。ゆっくりウイスキーを飲むのが至福の楽しみ! 出雲は小さい町ですが、ショットバーが多いですよ。
また、出張先の見知らぬ土地でも、一見さんとしてショットバーに入るのも好きですね。もう2度と行かないかもしれないバーに入るというドキドキ感がたまらないです(笑)。
約18年前に、広島から出雲へUターンしました。自社に入るとすぐ、組み立てや溶接など現場で技術を磨きました。現場が好きで、今でも一番しっくりくるトコロです。技術を身につけた後に、次のステップとして設計の図面を描くようになりました。そうすると、営業が社内にいなかったので、次に営業職に就くことになり…、今は設置業をしたり、現場のサービスに出かけたりと、何でもこなしています。
そして、2016年の4月から父が会長となり、私は社長に就くこととなりました。現在、排水処理などの環境事業を行っていますが、その技術をもっと世界に広めて「環境関連機器に研電社あり!」と、環境業界に名を馳せる企業になりたいと思います。
もちろん、これまでのように受注の機器も製造しながら、今以上に常に新しい取組みも考え、先手必勝で環境にやさしい機器を発明していきたいと思います。
情報提供元:出雲人-IZUMOZINE- http://izumozine.jp/people/ishitobi/index.html