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「考動」 お客様に喜ばれる仕事をしよう。

株式会社エス・ティ通信 / 通信工事技術者

インタビュー記事

更新日 : 2023年12月04日

地域のインフラを支え、社員からも愛される企業を目指して

今回紹介するエス・ティ通信は、主に通信設備の工事を行なっている企業です。インターネットや、電話、ケーブルテレビなど、生活に必要不可欠となったインフラの地盤を支えています。代表取締役の鈴木義和さん、社員の加藤忍さん、佐藤一哉さんにお話を伺いました。

株式会社エス・ティ通信 事業概要

2000年に創業以来、主に米沢市にあるケーブルテレビ「NCV」の設計および施工をはじめ、LAN、同軸、光ファイバーケーブルの敷設や接続工事など、通信設備工事全般を行なっています。電柱に敷設してあるケーブルテレビ施設の分岐器から同軸ケーブルや光ファイバーケーブルを引き込み、宅内に配線。テレビやインターネットと接続する作業のほか、宅内に機器を取り付ける作業も行ないます。
施設や住宅などの電気設備の工事も担当。電気配線や配電盤の設置といった多用な作業もあります。また防犯カメラの設置工事も担っています。
米沢市内に本社を置き、それ以外には山形市、函館市、帯広市、苫小牧市、秋田市、仙台市、福島市、新潟市、青森市にも営業所を展開。東北、北海道、甲信越を基盤に各所で取引しています。
東北・北海道を中心に社会のインフラを支えている企業です。

通信業に特化したことが最大の強み

エス・ティ通信は、NCVの通信設備工事を専門的に担いたいという想いから2000年に創業しました。5名から始めた会社でしたが、現在は11の営業所で70名の社員を抱えるまでに成長しています。

「創業者は、電話工事会社でNTTの通信設備工事をしていました。そこでNCVさんの工事も担当しており、もっと専門的に請け負うために創業しています。私は当時、別の会社で電気設備の仕事をしていたのですが、創業者から声をかけていただいて創業メンバーとして参画しました。NCVさんのメインコンテンツは、ケーブルテレビです。しかし、1998年からインターネットサービスを始めると、その需要はどんどん増えていき、契約も増加。それに伴い弊社の業績も変化していきました。通信設備工事を専門で行なう企業として成長していけるはずだと、創業者がいち早く目をつけたのは、先見の明があったと思います。インターネットが当たり前の時代となり、我々の仕事の価値も上がっているのではないでしょうか」

最大の強みは、通信業を「専門に」扱っているということ。県内でエス・ティ通信ほどそれをメインに業績を上げている企業はありません。

「通信業はニッチな分野ではありますが、そこだけを攻めていることに強みがあると思っています。弊社ほど特化している企業はないので、ライバルはほとんどいないです。他県に営業所が構えられているのも、特化した技術があるから。大手企業も通信業を請け負っているところはありますが、うちは一歩踏み込んで技術を磨いている自負があります。だからこそ、各県のケーブルテレビ事業者から直接お話をいただけることが多いんです。また、NCVさんは、ケーブルテレビ業界の中でも実績のあるテレビ局。全国的にも有名なので、その仕事を担当しているというだけで、ブランド力があるんです。『NCVさんの仕事を担当されているなら大丈夫だろう』と信頼していただいて、お仕事をいただくこともあるんですよ」

成長のターニングポイントとなったのは、同軸ケーブルから光ファイバーケーブルが主流となり、各家庭に光回線が普及したことがあります。

「2010年に光ファイバーケーブルが導入され、各家庭のインターネット回線は大きく変わりました。NCVさんが扱っていたインターネット回線は同軸ケーブルでしたが、2010年以降から順次光ファイバーケーブルに変えることで、高速回線を可能にしたんです。それによってNCVさんでインターネット契約する方もさらに増え、私達の業績の向上にも繋がりました。ただ、これまでの設置工事方法とは変わるので、その技術を学ぶ必要はありました。そこはNCVさんからの協力もいただいて、社員に習得してもらいました。新規契約案件もありますが、同軸ケーブルから光ファイバーケーブルに変えるメンテナンス工事は現在も多数請け負っています」

 

社員が働きやすい環境づくりを徹底

2015年に鈴木社長が就任されてから、福利厚生の見直しと、職場環境の改善を行なってきました。とくに力を入れたのは、社員が気持ちよく働ける環境にすることです。

「社員には気持ちよく働いてもらいたい。それが1番の願いです。定年退職されるときに『この会社で働いてよかった』と思っていただきたいですし、自分の子どもたちに『いい会社だよ』と言える企業でありたいとも思っています。取り入れた福利厚生としては、例えば勤続10年ごとに永年勤続表彰を送り10万円の商品券を支給。コロナ禍で現在は行けていませんが、会社負担で社員旅行もあります。それについては、そろそろ復活を考えているところです。日々改善を行なっているところなので、これから更により良くしていきたいと思っています」

通信設備工事の作業員になるには、とくに資格などは必要なく、現在働く社員も未経験からスタートした人ばかり。また女性でも行なえる仕事だと言います。

「初めは先輩に見てもらいながら共に作業し、1年もすればある程度は1人でもできるようになります。『工事』というと難しい印象があると思いますが、想像されるよりは大変な作業ではないです。教育や研修もしますし、頑張り次第では時間もかからず習得できると思います。営業所の中には女性で担当してくださっている方もいるので、男女問わず、働いてほしいです」

 

最新の技術を更新していきたい

自宅で利用するインターネットは、情報を調べたり動画を見るのがメインだと思いますが、これからは離れている場所からモノを遠隔で操作できる「IoTサービス」がさらに普及していくと言われているそうです。

「従来、インターネットに繋がっていなかったあらゆるモノ(家電製品、車、電子機器など)にも接続ができるようになり、情報交換が可能な時代が当たり前になっていきます。そのために講習や資格などをしっかり取得し、社員が成長できる会社を目指していきたいです。弊社には創業者が掲げた『考動』という言葉があります。仕事は考えながら動くことが大事という意味です。技術の向上もそうですし、効率化を考えて行動することもそう。どちらもお客様に喜んでいいただくことが目的。その気持ちを忘れずに、努力していきたいと思います」

インターネットは、もはや私達の生活になくてはならない存在とも言えます。その不可欠な社会基盤(インフラ)を影で支え、新しい時代に進む手助けをしてくれている企業です。これからもっと「通信」を担う役割は重要視され、それを支える存在の需要も増えていくのではないでしょうか。次は、社員の2名にお話を伺います。

 

未経験からのスタートでも安心して働ける職場

—— 仕事の内容を教えてください。

加藤忍さん:2019年入社の5年目です。ケーブルテレビ及び光ファイバーの配線工事を担当しています。転職する以前に、弊社のスタッフが高所作業車に乗って作業をしている姿を見て、どういう会社なのかが気になり、興味を持ちました。未経験での入社でしたが、先輩方に教えていただきながら仕事を覚え、今は1日で4〜5件を担当するまでに成長できています。

佐藤一哉さん:2020年入社の3年目です。加藤さんと同じく、配線工事を担当しています。前職は製造業で、室内で黙々と作業をする仕事だったので、外で体を動かす仕事がしたいと思って探したのがきっかけです。私も外で作業している姿を拝見して、楽しそうだと思ったのが会社を知る要因となりました。技術仕事なので、慣れるまでは大変でしたが、わからなければ先輩に聞くというのを繰り返し、わりと早い段階でひとり立ちはできました。

—— 仕事のやりがいはなんですか。

加藤さん:配線に使われている線は1本1本が細いですが、重要なデータが入っている場合もあります。作業中は細心の注意を払い、無事に繋ぎ終わったときには安心しますね。多くの人に快適なインターネット回線を届けられることに魅力を感じています。

佐藤さん:お客様のご自宅に行って機器を取り付ける作業では、お客様から直接感謝されることもあるので、喜んでいただけていることを実感できます。資格はいらないのですが、細かい作業は多いので、技術が自分のものになったと感じたときは嬉しかったですね。難しいものを自分のものにできた達成感がありました。

—— 会社の魅力はなんですか。

加藤さん:フレンドリーな方が多いので、不安なことはすぐ相談できる会社だとは思います。年齢も関係なく話せる雰囲気がありますね。月に1、2回ほど、日中に通信を止められないという理由から深夜に作業することがあるのですが、手当てもしっかりいただけますし、次の日は休みなので、過重労働になることもありません。有給も取りやすいです。

佐藤さん:先輩からアドバイスをいただくときには、実践で見せてくれたり、1から10まで手取り足取り教えていただけるのは、ありがたいですね。初めは教えてもらうことばかりでしたが、最近は自分のやり方を提案することもあります。先輩からの叱咤激励もありつつ、自分の意見も取り入れてもらえるのを感じました。部下の「こうやりたい」にも耳を傾けてくれる方が多い会社だと思います。

—— これからチャレンジしたいことを教えてください。

加藤さん:先輩の技術を自分の技術にできるようにしていきたいです。電気工事の資格を持っていると、さらに仕事の幅が広がるので、その取得も目指しています。

佐藤さん:まだ担当したことがない作業があるので、先輩の技術を吸収し、さらに難しい作業にも携わっていきたいです。とくに夜間作業や宅外の作業も担当したいと思います。大掛かりな作業は、一歩間違えると何万件ものお客様に影響が出るので、真剣に取り組んでいきたいです。

 

社員は「お客様に喜ばれる仕事をしよう」を指針に専門知識を追求し、技術を磨いています。通信業の発達は、地域社会がより良い方向に発展するためには必要項目。企業価値の向上とともに、地域がそして社員が幸せになれるように、努力し続けている会社です。鈴木社長の願いは「社員が気持ちよく、長く働けること」。心身共に健康に、笑顔で働ける環境を整えています。

取材・文_中山夏美