ウイスキーの楽しさを伝えるパラレルワーカー
BAR MAR 竹田眞幸さんウイスキーの楽しさを伝えるパラレルワーカー
BAR MAR 竹田眞幸さん竹田眞幸さん
高畠町在住
会社員、バーテンダー、デザイナーという3つの仕事をされている、山形県高畠町在住の竹田眞幸さん。竹田さんのように、2つ以上の仕事に並行して携わる「パラレルワーク」という働き方は近年注目を集めています。高畠町に住み、米沢市の企業で働きながら、自分らしい人生を切り開く竹田さんに高畠町での暮らしを伺いました。
今年で社会人7年目になりますが、新卒から米沢市の介護施設で働き、社会人2年目ごろからBAR MAR(バーマー)というニックネームでバーやデザインの仕事を始めました。介護施設のお仕事はシフト制なので、休日や夜勤明けで早帰りした日に、BAR MARとしてイベントへの出店やデザインの仕事をしています。
大学時代にウイスキーにハマり、自分で楽しむだけでなく、ウイスキーの楽しさを人にも伝えたいと思ったことがきっかけでした。ただ、自分は何かを始めるときに最初の一歩を踏み出すのが苦手な性格で立ち止まっていたところ、高畠に住んでいる高校時代からの友達が「一緒に同窓会を企画してみんなにBAR MARが作ったウイスキーを飲んでもらうのはどう?!」と提案してくれて、踏み出すきっかけになりました。それ以降は、道の駅のイベントブースへの出店や、バーテンダーの勉強をするために南陽市と山形市のバーで修行を始めました。
はい、自分のまわりには同世代で何かにチャレンジしている友達が結構いますね。同窓会を一緒に企画した友達は、イラストやデザインをしたり外遊びのグループを作ってイベントをしたり、本当にフットワークが軽いやつなんです。他にも、小学校からの幼馴染で美味しいシフォンケーキのお店を高畠で経営している友達がいて、僕の父からは僕らのことを「高畠の3バカ」と呼ばれています(笑)僕らは必ず一緒に活動しているわけではなくて、それぞれが自立して活動していて、一緒に活動することもあれば、背中を押したり、時には指摘をしてくれたり、刺激をもらえる自分にとって大切な存在です。
自分はサービス業に携わるときの考え方として「お客さまにどれだけプレゼントできるか」を大切にしています。BARで飲み物を注文する場合、お客さまは飲み物の質の良さだけでなく、会話や飲むときの体験も含めてサービスの対価として受け取ります。BAR MARが提供する付加価値として、時間がある際には好みに合わせて提供したり、ウイスキーにまつわるストーリーや飲み方をお伝えしたり、ブースや服装でさえもかっこいい世界観を楽しんでいただけるようにこだわっています。
実は今、BAR MARの小さな店舗を作ろうと計画しています!実家の離れの物置小屋をリノベーションして席を設けて、不定期ではありますが飲めるバーを作ろうと今掃除を始めています。もちろん出張バーテンダーというスタイルで色んな方々に会いに行く活動も続けつつ、秘密基地のような場所ができるといいなとワクワクしています。
僕は高畠町でずっと育ってきましたが、物理的には若者が楽しめる娯楽施設はほとんどないところですね(笑)点々と飲み屋やドラックストアやスーパーがあるので生活機能はありますが、面積のほとんどは田んぼと畑が占めています。ただ、温かく気にかけてくれる近所のおじいちゃんおばあちゃんがいたり、四季ごとに変わる田んぼや山々は美しくて、のどかで癒される環境だとは思います。あとは、僕にとっては一緒に活動している仲間が住んでいる場所だったり、車や電車で2時間あれば山形市・仙台・東京方面などへインプットしに行ける立地でもあります。落ち着いた場所に住みながら、刺激や学びの多い場所にも気軽に行ける距離感の良さを感じます。
山形には同世代で、色んなことに挑戦している仲間が結構いるなと思っています。今も山形で活動する仲間に刺激をもらっていますが、これからも何かにチャレンジする同世代に会えたらいいなと思います。もちろんすぐ会いに行ける距離に住んでくれたら嬉しいですが、まずは遊びに来てもらいたいですね!よく山形県のイベントにブースを出しているので、もし良ければ話しかけてもらえたら嬉しいです!
取材・文_谷山紀佳