空き家を見つけてDIY!

置賜の空き家バンク制度まとめVol.01

移住について考えるときに浮かぶ「住まい」のこと。地方での新しい暮らしをどんな住まいで実現するのか、考えるだけでワクワクしますよね。賃貸、新築、中古物件? いろんなパターンがある中で、地方ならではの選択肢のひとつとしてあるのが「空き家を改修して住む」という道。空き家をDIYで改修して暮らしながらお店をはじめるという人が増えていますが、実際はどうなの? と気になるところ。

この記事では、地方で空き家を探すときに便利な「空き家バンク制度」について紹介します。利用する際の注意点や知っておきたいポイントも合わせて解説します。空き家バンク制度をうまく活用すれば、ローンなしで一軒家に住むなんてことも夢ではありません。ポイントをしっかりおさえて、自分らしいオキタマ暮らしのひとつの選択肢としてぜひイメージしてみてください。


もくじ
👇 1. 地方暮らしで叶えたいことはなんですか?
👇 2. 空き家バンク制度とは?
👇 3. 移住者に嬉しい! 空き家バンクの特徴
👇 4. 空き家バンクを上手く使うポイント・注意点
👇 5. 空き家バンクに関するリンク集
👇 6. 空き家バンク制度を上手く使って、理想の暮らしを手に入れよう


 

1. 地方暮らしで叶えたいことはなんですか?



さっそくですが、移住して叶えたい暮らしを想像してみてください。
それはどんなライフスタイルでしょうか?

・ 緑いっぱいの庭を眺めながらリモートワーク
・ 広い庭で毎週本格キャンプ
・ 自分の趣味のガレージでDIYに熱中する休日
・ 兼業農家になって、いつか農家民泊を経営
・ リモートワークをしながら、週末は自宅でカフェをオープン
・ 自然の中でのダイナミックに子育て
・ 子供がいくら騒いでも気にならない、広々いスペースと環境

「空き家バンク」をうまく活用すれば、そんな自分らしい暮らしが叶えられるかもしれません。

✅ こんな人に「空き家バンク」がおすすめ!


 ✔️  広々した土地や家で暮らしたい
 ✔️  DIYで自分らしい住まいを作りたい
 ✔️  住まいの費用をできるだけ抑えたい
 ✔️  古民家で暮らしたい
 ✔️  アンティークや古い味のあるモノが好き
 ✔️  地域に根付いて自分らしい生活がしたい
 ✔️ 田舎暮らしを満喫したい


 


2. 空き家バンク制度とは?

空き家バンクとは、主に地方自治体が、地域の空き家の流通・活用促進を目的として所有者から集めた情報をウェブサイトなどで公開し、居住希望者に提供する制度です。1990年代に移住定住促進による地域活性化を目指して始まり、移住や交流のニーズが高まるにつれて全国的に広がりました。

さらにコロナ禍による暮らしや仕事のニーズの変化に合わせ、近年より関心が高まっており、2022年6月時点で国内の約7割の地方公共団体が導入しているという現状です(国土交通省の調べ)。
 


3. 移住者に嬉しい! 空き家バンクの特徴

民間のサービスが営利を目的にしているのに対し、各自治体が運営する空き家バンクは営利を目的にしていません。それは、増え続ける空き家問題の解決と地域活性化を目的にしているため。だから移住者に嬉しい特徴がたくさんあるんです。

特徴01🚩物件価格が相場より安く設定されていることが多い
空き家バンクには、不動産サイトなどには出ない安価な物件が売り出されていることが多いのが特徴です。取り扱われている物件は築40-50年ほどのものが多いですが、たまに築年数が浅いものが出ることも。価格は持ち主が決めているため、直接交渉できるものもあります。

特徴02🚩賃貸や土地も扱っている
一軒家では、売買物件以外に賃貸のほか、更地の土地も扱っています。また、例えばロケーションの気に入った物件を買った後、家を解体して、そこに新築を建てるという選択肢も考えられます。

特徴03🚩自治体の助成補助を活用できる
空き家バンクを利用して物件を購入(または賃貸で契約)した場合、各自治体による家賃や改修等を補助する制度が活用できる場合があります。補助制度の内容は自治体により異なります。
※置賜地域の助成制度の詳細は、2本目の記事で詳しく紹介します。

特徴04🚩宅建業者が仲介に入ってくれるから安心
かつての空き家バンク制度は物件の紹介のみを担い、交渉は当事者同士で進める必要があったことからトラブルにつながる例が多くありました。しかし近年は協定を結んだ宅建業者が仲介に入る場合が増え、スムーズな体制が整いつつあります。置賜地域でも全市町で宅建業者が仲介に入っています。

特徴05🚩家だけでなく、暮らしの相談をワンストップで対応
自治体が対応してくれるので、住まいだけでなく移住や暮らし全般に関するさまざまな相談にも役所として対応してくれます。例えば起業、教育、就農など、叶えたいライフスタイルに関する悩みを全面からワンストップで相談できるのは心強い利点です。

 


4. 空き家バンクをうまく使うポイント

移住者にメリットが大きい空き家バンク制度ですが、上手く使うためのポイントと注意点もしっかりと押さえておきましょう。


🏠 物件を探す前に

✅ 大前提として、まずは風土を知ることが大事
空き家の購入を決める前に、まずは賃貸住宅に住んで少なくとも1年は地域の風土や暮らしを体感することをおすすめします。地域には、気候や人間関係など、都会と大きく異なる感覚があります。住んでみたら思っていたのと違った.... という失敗がないように、余裕を持って進めていきましょう。

✅ 詳細を見るには登録が必要
空き家バンクでは、一般的な不動産物件に比べて情報が少ない場合が多いです。ウェブサイトで公開されている情報は誰でも見ることができますが、それ以外の詳細な情報提供や物件の見学などを希望する場合は、各自治体の空き家バンク制度に個人情報を登録する必要があります。

✅ 地域交流の度合いも重視される
地域活性化を目的にしている空きバンクでは、地域交流を具体的な条件として上げていることが多く、この点に添えることが利用の前提条件になります。例えば、南陽市では利用の条件を「空き家等に定住し又は定期的に滞在して、南陽市の自然環境、生活文化等に対する理解を深め、地域住民と協調して生活できる方」としています。

✅ 自分が何を重視したいのかを明確に
空き家バンクで扱う物件は築年数が長く老朽化しているものが多く、だいたいは改修が必要です。改修の程度は予算をかけてフルリノベする場合や、一部だけ直すなど、家の状態と目指すライフスタイルによって人それぞれ。

目指すライフスタイルによっては、一般不動産屋が多く扱う築年数の浅めの中古物件や、新築の方が合っている場合もあります。長期的な視点で比較検討して、暮らしの上で自分が何を重視したいのか? を明確にしていきましょう。


🏠 物件を探すとき

✅ 築年数や外観だけでなく、状態をチェック
空き家バンクで紹介される物件は築年数が長く老朽化しているものが多いですが、中には築年数は経過しているけれどリフォームされてすぐに住めるものや、一部リフォームだけで済むような優良物件もあります。掘り出し物に出会える可能性も!

✅ 地方ならではのインフラ状況もチェック
地域によっては上下水道や浄化槽など、都市では当たり前にあるインフラが整っていない場合がよくあります。住む場合は工事や設置が必須になる場合が多いため、このあたりもしっかりとチェックしておきましょう。浄化槽設置補助など、空き家改修以外の補助制度が用意されている場合もあります。担当者に積極的に聞いてみましょう。

✅ 農地付き物件は別途確認が必要
空き家バンクには農地付きの物件が出ることがありますが、農地の取得には別途審査や条件があります。農地取得を検討している方は、事前に自治体担当者に確認することをおすすめします。

✅ 空き家バンク以外の補助制度も調べておくと◎
空き家を改修して商いをしたい、更地にして新築を立てたいというなどの場合は、空き家改修の補助制度が使えない場合が多いですが、その代わり別な補助制度が用意されている場合があります(例:米沢市の場合/新築住宅支援策、創業支援事業費補助など)。自分のビジョンを担当者に相談して上手く活用していきましょう。


🏠 物件を下見するとき

✅ 将来的な改修費用もイメージ
下見の際は水回りや床下のほか、屋根や壁の状態もチェックしましょう。住むときだけでなく、将来的に発生してくる改修費も含めて比較検討するのが◎。見ておくべきポイントや注意点を詳しく知りたいという場合は、住宅検査(ホーム・インスペクション)を利用するのもひとつの手です。自治体担当者や仲介の宅建業者に確認してみてください。

✅ 下見の際は生活圏内もチェック
物件下見の際は、家だけでなく周辺の環境をはじめ、駅や学校、スーパーなど生活圏もチェックできるよう事前に計画を立てておくとベストです。市町村で発行しているハザードマップも合わせてチェックしておきましょう。

✅ 草刈り、雪降ろしなども考慮すべし
地方では広い土地が安価に手に入る一方で、管理のことも頭に入れておく必要があります。例えば、広い草地では夏は草刈りが日課に、冬は場所によっては1日2-3回雪下ろしが必要になる場合もあります。また、公道は自治体が除雪をしてくれますが、私有地は自力で雪かきする必要があるので、そのあたりも考慮して下見しましょう。



5. 空き家バンクに関するリンク集


✍️ 山形県移住交流ポータルサイト やまがた暮らし情報館

市町村ごとの空き家バンク情報を紹介しています。
👉 やまがた暮らし情報館


✍️ LIFULL HOME'S 空き家バンク

全国の地方自治体が管理する空き家・空き地の情報を集めたサイト。
👉 LIFULL HOME'S 空き家バンク



6. 空き家バンク制度を上手く使って、理想の暮らしを手に入れよう!

地方移住の際の住まい選択のひとつとして「空き家バンク制度」についてご紹介しました。
住まいを考えることは、自分がこれからどんな暮らしをしていきたいかを具体的にイメージすること。補助金が使えるといった目先のお得さだけに囚われず、長期的な目線で、自分が叶えたいライフスタイルについてじっくり考えるきっかけになれば幸いです。

次回Vol.02では、置賜地域の空き家バンクの詳細について自治体ごとに比較してご紹介します。
👉 置賜の空き家バンク制度まとめVol.02の記事はこちら

構成・文_高村ようこ