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リニューアルオープン/スタッフ大募集~祭畤山の癒しを、お客様へ。まつるべ温泉かみくらで心温まるおもてなしを~

コウミ観光産業株式会社 / 旅館運営スタッフ

インタビュー記事

更新日 : 2025年03月27日

その価値は今あるものの中に。

祭畤温泉かみくら

コウミ観光産業株式会社 事業概要

一関の市街地から西に向かって車を走らせること30分。秋田と宮城の県境付近、その旅館はたたずみます。

神の降り立つ山「祭畤山」の麓にある「祭畤温泉かみくら」。緑の原生林に囲まれた宿は、忙しない日常を忘れさせてくれる、そんな長閑な雰囲気に包まれています。

これまでコウミ観光産業株式会社によって運営されてきた「祭畤温泉かみくら」は2024年大きな変革を迎えました。1月、イベント企画・運営を手掛ける株式会社ニアがM&A(合併・買収)による事業承継の契約を締結。木皿譲司代表取締役社長の下、3月に新体制での営業をスタートさせました。

「弊社には、いくつかの事業体がありますが、創業当時から行っているのがイベントの企画や運営です。イベントにお越しくださったお客様に対して、そのひと時をどう楽しんでいただけるか、そうしたディレクション、オペレーションの部分は、旅館業においても大いに生かせるのではないかと思っております。」

「また、人材開発・リクルート事業も弊社では手掛けており、行楽シーズンなどの繁忙期には定点スタッフにプラスアルファで人材を送り込むことも可能です。さらにはICTのシステム開発事業も行っていますので、ホームページの制作や予約システムの構築などでも弊社の強みを生かしたいと思っております。」

かみくらがある一関の隣町、岩手県奥州市出身の木皿社長。水沢高校を卒業後、大学進学で移り住んだ仙台で、株式会社ニアを起業しました。

 

これまで全国を舞台にさまざまなサービスを展開してきたニアが、今回、地方の旅館「かみくら」の事業継承に至った経緯をこのように話します。

「ニアを経営してから18年が経ち、ある程度の会社基盤もできてきました。その中で自分が40歳を迎え、故郷である岩手県、さらには県南地域の発展のために何か貢献できることはないだろうかと考えるようになりました。自社のリソースを活用しながら、地元の価値をつくり出せるものはないかと探していて。そこで出会ったのが『かみくら』でした。」

かみくらは、木皿社長の実家からは栗駒焼石ほっとラインを通って車で20分の距離。そのため、小さい頃は近くの胆沢ダムでもよく遊んでいたとのこと。また、青年会議所の活動などで一関地域の経営者との交流も深く、この事業継承に名乗りを上げました。

初めての旅館業に抵抗は無かったのか聞くと、意外な答えが返ってきました。

 

「抵抗は全くないですね。イベント、ICT、人材開発、どの事業を行うにしても必ず大切なのは『新しい価値を創造できるか』だと考えてきました。旅館業も同じだと思っています。」

 

「新しい価値と言っても、既にこの地域・エリアには魅力ある観光資源が沢山あります。新たに創らずとも、今あるものを可視化して伝えてあげることが、新しい価値の創造に繋がると思って、様々な取り組みにチャレンジしています。」

その一例が、お客様に提供する食事です。かみくらでは、シェフが調理する料理を「ジャパニーズフレンチ」と銘打って、お客様をもてなします。

「一関地域にもともとある食材を使ってシェフと一緒にメニュー開発をしながら、ここでしか味わえない和洋折衷のジャパニーズフレンチとして、コンセプトシートを添えて一緒に提供しています。」

「地域食材、自然環境、体験やアクティビティ。すでにあるものに改めて価値を見出して、それらをお客様に受け取ってもらう。もともとのポテンシャルを顕在化させるだけなので、ゼロイチより難しくないと思います」

 

かみくらの温泉についても同様だと述べる木皿さん。

 

「ちょうど今、温泉ソムリエの方に泉質や効能を改めて見てもらっています。スタッフがそれらをしっかりと説明できるようになることが、お客様への新しい『価値』の提供になるんです。やれることは沢山あります。」

そんな変革期のかみくらで、奮闘する若手スタッフがおります。

松本尚也さんは、M&A前の2021年の春からスタッフとして働いています。

もともと温泉が好きだったこともあり、地元一関市のかみくらで働き始めたという松本さん。最初は受付から清掃、布団の準備、料理の配膳といった業務をこなしていましたが、最近は本社との連絡調整や新人スタッフの教育、シフト管理など、裏方としての大事な仕事も任されるようになりました。

 

「お客様からの直接、『ありがとう』と言葉をいただけることもそうですが、自分が頑張ったことによってスタッフや旅館全体の評価が高くなることもやりがいにつながっています。」

 

「当旅館には海外から来たスタッフも働いていて、その方の日本語指導なども私が行っていますが、お客様に『日本語が上手ですね』と言われているのを見ると、自分もうれしい気持ちになりますね」

一方で、「旅館業は気の抜けない仕事」とも話す松本さん。

 

「お客様は当然、当旅館へ楽しみを求めて来られます。だからこそ、期待はずれになるということは本来あってはなりません。『ここにまた来たい!』と思っていただけるような接客を常に心掛けています」

そうしたおもてなしの姿勢はお客様からも高く評価され、23年には大手旅行サイトにおいて5点満点中4.9点のレビューを獲得。日頃の頑張りが目に見える数字として表れることも、モチベーションのアップにつながっているそうです。

 

また、自然豊かな場所で働くことができるのも、この旅館ならではの魅力だと話す松本さん。休憩時間には愛犬との散歩や森林浴をしたり、退勤前には温泉に浸かったりと、疲れた体を癒しながら、日々エネルギーをチャージしています。

この春から、かみくらはM&Aによる新体制としてスタートしましたが、松本さんに話を聞くと、仕事内容にもさまざまな変化が表れていると言います。

「以前は現場で完結させなければならない仕事が多かったですが、デジタル化されたことでどの仕事も効率よく作業が進められるようになりました。」

 

「以前は狭い旅館の中で固定化した考えもありましたが、今は本社をはじめ外部と接触する機会も増えています。常に外からの目がある状態なので、第三者からの意見やアドバイスを取り入れやすくなり、風通しが良くなったのも、大きな変化だと思います」

そうした大きな変革期を迎えるにあたり、今後かみくらではどのような人材を求めているのでしょうか。あらためて木皿社長に聞くと、「一緒に価値をつくることができる人」と答えが返ってきました。

「楽しい仕事ってなんだろうと考えたときに、一緒に何かを作り上げて、一緒に成長して、一緒に成功体験を積んでいく、そうした仕事を私はしたいですし、それが私の中での従業員の定義でもあります」

 

ルーティンワークを単にこなすだけでなく、どうすれば地域の魅力を発信できるのか、PDCAのサイクルを常に回しながらトライしていく。そうした積極的な姿勢や行動力こそが、かみくらで働くうえで重要であると捉えています。

 

「私は旅館の経験を特に重視していません。もちろん、配膳や布団上げなどの旅館ならではの仕事はありますが、本質はそこにはありません」

「最も重要なことは、お客様にとって「新しい価値」を提供できているかを、常にチーム全体で考え尽くすこと。そして、改善や成長を実践する意識と行動にあると私は思います」

「もともとこの地域には素晴らしい資源があります。そこに新たな価値を生み出していけば、ここは世界からも注目される場所になりうると私は思っています。一関や県南地域の価値を一緒に作っていきたい、発信していきたいという思いを持った方には、ぜひ仲間に加わってほしいですね」

かみくらでは今後、大規模なリニューアル工事を予定。内装の変更、足湯の新設など、これまで以上にお客様に喜んでもらえる空間づくりやサービス提供を行い、満足度の向上を目指しています。

新しくなったかみくらを拠点に、一関や県南地域の本来の「価値」が国内外に発信されていく。そこから生まれる未来図が、今から楽しみです。

 

 

取材:郷内和軌