腰掛けのつもりで始めた保険業、覚悟を決めてこの道20年
代表の松倉忠さんがこの業界に入ったのは35歳の時。
もともと大手自動車メーカーの関連会社で100人規模の上司として勤めていた松倉さんは、会社を辞めて独立し、IT関連の新たな事業を立ち上げようとしていました。
「勘違いしてたんですね。自分で何でもできると...(笑)」
しかし、独立したものの、IT関連の仕事が無く、その難しさを痛感。
そんな時、友人から「保険の仕事をやってみたら?」と言われます。
それをきっかけに、食い繋ぎのつもりで保険の仕事を始めることに。
「正直、最初は軽い気持ちで始めたんです。保険の知識は全くなかったので、まずは保険会社で3年間の研修を受けながら、名刺を作って、最初は知人や友人へ挨拶回りをしていましたね。」
偶然、2人目にご挨拶した方が、松倉さんの運命を変えます。
「いきなり契約してくれることになったんです。嬉しくてその場で手続きしていると、その方から『ところで、辞めないでしょうね?これまでの代理店の方は辞めてしまう人が多くて、困っていたんです』と言われたんです。咄嗟に、目の前のお客さんを裏切りたくない思いから『辞めません!』と返してしまいました。」
「帰る途中、追うように責任感が湧いてきて。腰掛けのつもりでしたが、この道を行く覚悟が、その時決まりました。」
その後、20年以上代理店として営業を続けている松倉さん。現在は仲間も増え、一関の本店だけでなく奥州市にも店舗を持つなど、着実に事業を展開してきました。
お客さまに寄り添い、夢を応援するのが保険の仕事
ネット保険ショップのホームページには、「保険は愛情表現です」という印象的な言葉があります。一体どういうことなのか、松倉さんに尋ねました。
「特に生命保険については、いわば大切な人たちへのラストラブレターなんです。よく、『死んでしまったら自分がお金を貰える訳じゃないのに、保険に入って意味あるの?』と感じられる方もいます。でも、自分がお金をもらうためではなく、愛する家族を守るために保険に入るんです。納得感を持って保険を選んでいただくために、私たちはお客様との会話の中で『何のために保険に入るか』という目的を必ず明確にします」
ネット保険ショップでは、お客さんの思いを丁寧に引き出すことをとても大切にしています。その人のライフプランや生活費などを一緒に整理して、適切な解決策を提案します。
「お客様と一緒にこれからの未来を想像するんです。例えば、自分がいなくなった後でも、娘が大きくなった時に立派な結婚式をさせてあげたい、とか。感情が入りすぎてお客様と一緒に泣いたこともあります(笑)保険は、夢を応援できる仕事です。とことん寄り添いたいという気持ちでお一人おひとりと向き合っています」
その人だけでなく、その人が大切に思う人の夢も応援できる仕事。松倉さんのお話を聞いているうちに、保険の仕事に対するイメージが良い意味で覆されていきます。
尊敬できる上司がいる、明るく優しい職場
事務職を担当している武田彩乃さんは、長い間会社を支えてきたメンバーの一人です。大学卒業後にUターンして、知人の紹介で松倉さんに出会って入社し、今年で12年目になります。
「松倉さんは情熱を持って仕事をしていて、どんどん新しいことにチャレンジする方で、尊敬しています。だから、私もここでずっと一緒に働いているんだと思います。忙しいはずなのに、地域のお掃除や神輿会の会長、PTA会長など、仕事以外の地域の活動にもたくさん参加しているので、すごい!って思います」
入社当時は武田さんを含めて3人で仕事をしていましたが、次第に仲間が増え、現在は他の店舗も含めて12名になりました。今はだいぶ賑やかになり、仕事の合間にラジオから流れてきた音楽の話など、他愛もない話で盛り上がることも多いそう。
「みんなよく喋るし、明るい雰囲気なので、緊張せずに打ち解けていけると思います。不安な気持ちもあると思いますが、私も最初は保険のことはわからないことだらけでしたから。優しい人しかいないので、みんなが教えてくれますよ」
未経験でも1年間の研修制度でスキルアップ
ネット保険ショップには研修制度があり、入社後1年間は大手保険会社で研修しながら実践の場に出て学ぶことができます。2021年6月に研修を終えて戻ってきたばかりの菊地優也さんは、入社するまで保険の仕事は未経験でした。
「人と話すことが好きだったので、ご縁があって転職を決めました。入る前は、保険の営業といえば売り上げのノルマを達成しなきゃいけないみたいなイメージが強くて、正直不安もありました。でも、失敗してもいいからとにかくやってみよう!と覚悟を決めて入社しました」
研修中は、新規の方ではなく、契約満了期が近づいている既存のお客様の元へ出向き、継続契約のご提案をすることで実践経験を重ねて行きました。「研修中にお客様と関係性を築く経験ができたのが良かったですね」と菊地さんは話します。
「実践してフィードバックをいただき、反省点を活かしてまた実践する。それを繰り返すうちに自分のスキルや考え方が洗練され、自信が持てるようになりました。もし分からないことがあっても、ベテランが側にいるのですぐに質問できる環境があり、とてもありがたいです」
現在も積極的に保険についての知識をアップデートして成長し続ける菊地さん。今の仕事を「将来の自分に残るものがある仕事」と話します。
「保険、法律・お金についての知識をはじめ、社会のさまざまな制度や対人スキルなどを身に付けることができるので、周りの人に頼りにしてもらえることが増えました。長い目で見ても、自分が培ってきた技術や価値観は残るので、それが自分にとって大きなメリットだと感じています。私も含めて未経験から始めている人も多いので、保険のことは分からないという方でも安心して入ってきてほしいです」
松倉さんは今後、スーパーセールスマンがいなくても仕事をすれば誰でも売り上げが上がる仕組みを作りたいと話します。
「実は私、ガラスのハートの持ち主で、飛び込み営業をして断られると心が折れるタイプで……(笑)。その経験があるからこそ、仕組みによって課題を解決したい。未経験の方もどんどんチャレンジできるようにしていきたいです」
例えば、人事評価制度を見直して、結果ではなく過程を重視する方針や、歩合制ではなく固定給にして営業成績が良かった人にはボーナスで対応するなどの制度変更も行なっています。今後は、営業活動以外でもお客様との接点を作るため、お金やライフプラン設計について学べるセミナーの実施を考えているそうです。
従業員一人ひとりの幸せを尊重したい
お客様はもちろんですが、従業員の幸せを大切にしているのがネット保険ショップの魅力です。一人ひとりが持つ夢や、家庭の夢を応援し、その達成に協力してくれる企業なのです。
社員一人一人に配っている社訓には、夢を描く欄があり、常に振り返れるようにしています。
「ここで働いて良かったと思える環境は、従業員にとって頑張る原動力になります。まずは自分たちが幸せになることで、お客様にも心のこもった期待以上のサービスを提供できると考えています」と松倉さん。
そのため、社員の方が行きたい研修があれば会社から資金を出すなど、社員の夢を応援するために希望があればできる限り協力しているそうです。
「あくまでも、会社としての方針なので、全員に強制するものではありません。ただ、叶えたい夢があるなら応援したいという気持ちはずっと持っています」
その言葉には、従業員の方一人ひとりの考え方を尊重したいという思いが滲みます。
松倉さん自身、創業当初は自宅を事務所にして一人で仕事をしながら、「いつかはこうなりたい」と夢を描いていました。その頃、前職時代にも作成していた「中期経営計画」を立てたそうです。
「5年後までの売り上げ目標をグラフにしましたね。ほかにも路面店のオフィスを構えたいとか、法人化したいとか、未来で叶えたいことを書き出していました。時間が経ってから当時の計画書を振り返ると、紆余曲折を経たとしても、ほとんど実現していて驚きました。夢を書き出すことって大事なんですね」
創業当初から描いていた松倉さんの実店舗の夢は、いつしか形になっていきました。
「今後は沿岸店も作りたいですし、岩手、東北でNo.1の代理店になれたらいいなと思っています」と松倉さん。まだまだ夢を叶える旅は続きます。
お話を聞く前は、「保険の仕事って難しくて厳しそう」というイメージがありました。しかし、お話を聞いていくうちに、お客様と徹底的に向き合ってその思いに寄り添い、夢を応援することができる保険の仕事は、とてもやりがいのある仕事だと感じました。
ネット保険ショップの仕事は一人ひとりの人生と向き合い、その人の夢を叶えるために最善の提案とサポートをすること。それはまさに「将来の設計士」と言える仕事だと思います。
(取材:佐藤文香)
※撮影時はマスクを外していただきました。