
未経験から挑戦したやりがいのある現場
まず初めにお話しを聞かせてもらったのは、2024年11月に入社した経田幹斗(つねだみきと)さん。前職では電力会社に勤め、機械のメンテナンス業務に従事していました。
現在は主にロードサービス部門で技術者として活躍しており、バッテリー上がりした車のジャンピングや、事故・故障車両の搬送、引き上げ作業などを担当しています。

経田さんの出身は福岡県。前職が全国転勤の会社で、最初の赴任地が岩手でした。もともと車が好きだったことから転職先を探していたところ、カーウイングワールドに出会いました。
初めての車業界。未経験での入社に不安はなかったのでしょうか。
「これまでとは違う業界で緊張していましたが、周りの方々がすごく優しくて。『簡単なことでもすぐ聞いてね』と言っていただいて、一から丁寧に教えてくれるので、未経験の自分でも安心してできました」
最初は先輩と一緒に現場に行き、学びながらできることを増やしていったという経田さん。初めて1人で現場に出たのは、入社して3週間後でした。
「初めてなので、どうしても緊張しましたね。事故車両を見ると気持ちも落ち着かないですし、『これからはこういう状況に1人で対応していくんだ』と背筋が伸びました。
でも、練習でやったことを1人でやり切れると達成感があるんです。お客様に感謝される時もあって、今後もがんばろうという原動力になりますね」

経田さんに、ロードサービスの仕事をする上で大事にしていることを聞きました。
「依頼する方は、車に何かしらのトラブルがあるから私たちを呼んでいて、気持ちが落ち込んでいると思うんですよね。その時はなるべく丁寧な接客を心がけて、お客様の気持ちに寄り添うようにしています」
一つずつ着実にステップアップしていく経田さんに、カーウイングワールドで働いてよかったことを聞きました。
「自分が興味あることをやってるから、次の日会社に行きたくないってことがあんまりないんです。周りの人たちもとてもいい人たちなので、その人たちに応えたいです」
経田さんはこの取材の後、大型免許の取得に出かけていきました。業務に必要な資格を取得するのに勤務時間の相談ができたり、資金面の支援があったりと、やる気がある人が成長できる環境があります。
将来的には整備士としてのスキルアップも視野に入れている経田さん。これからの活躍にも期待大です。
若手が働きやすい会社へ。次世代の育成と挑戦

後輩たちを育てながら会社の次の一手を考え続けるのが、取締役部長の鈴木聖得(すずきまさのり)さん。2018年に26歳でUターンし、入社しました。現在は主にロードサービスを担当しながら、採用や広報、新人教育に力を入れています。
現在のスタッフ数はアルバイトも含めて26名。最近では20代前半の若年層が数人入社しているそうです。人手不足が叫ばれる今、どうして若者が集まるのでしょうか?
「若い世代が自分の人生、つまりプライベートを大事にできる職場にしたくて。仕事のためではなく、私生活があってこその会社員だと思っているので、休みは多い方がいいと思いますし、そこに惹かれて来てくれる人もいると思います」
そのため勤務体系を柔軟にできるよう、人を増やして稼働率を上げることで、休みを確保できる仕組みづくりをしています。

また、今後特に力を入れたいのは「教育」と話します。
まずは、人が増えてきたことから育成のための時間をより効率よく活用するため、教育の仕組み化に取り組みました。
「以前は現場で仕事を見て覚えてもらっていましたが、現在は事前に指導をした上で現場に出るようにしています。JAFの方など外部から講師を呼んで研修をしています」
さらに、入社のために市外から引っ越してくる人向けには住まいや暮らしについても手厚くサポートをしています。
「どこに住んでいる方でも、物件を用意したり、相談に乗ったりしています。車を持っていない場合には通勤用の車の貸出しに関するサポートも行っています。車は結構な出費になりますからね」
このように、さまざまな取り組みと聖得さんの変化していこうとする姿勢が若い人たちを惹きつけています。
「ほかの企業に転職したとしても通用するような社会人になってほしいです。勉強したいことや学びたいことがあれば、会社としてもどんどん支援します。成長したい人にはどんどん学んで技術と姿勢を身につけてもらえたら嬉しい」
その言葉通り、スタッフの資格取得や学びの支援も惜しみません。

聖得さんに、これから挑戦したいことを聞きました。
「外貨を稼ぐことですね。日本の給与の水準は、他国と比べても過去30年で変わっていない。それなのに、物価はここ1年ですごい上がり方をしている。
いくら稼いでも物の値段が高い。日本のマーケット、特に地方は厳しくなっていくと思っています。だから、海外の会社さんと交流を持てるようになったらいいなって思いますね」
一つひとつのお仕事に誠実に取り組みながらも広い視野で社会を見つめ、柔軟な発想力で新たなチャレンジをしていく聖得さん。その姿はこの時代を生き抜くリーダーシップに溢れています。
「答えがない」からワクワクする板金塗装の仕事

次にお話を聞いたのは、塗装部門を牽引する2020年入社の佐藤賢太郎(さとうけんたろう)さんです。
佐藤さんは一関市出身で、板金塗装業界で15年以上の板金塗装のキャリアを持つベテランです。
そんな佐藤さんに、入社したきっかけをお聞きしました。
「業界全体の未来を考えると、この先自動運転や衝突防止技術が増えて、事故が減っていきますよね。縮小が見える中で、新しく工場を建てるという攻めの姿勢をとっていたカーウイングワールドに興味を持ったのがきっかけです」
直接社長と話し、未来に投資する姿勢に共感した佐藤さんは入社を決意。聖得さんと歳が近いこともあり、次世代を牽引していく同志として会社や社会の未来についてよく話し合っていると言います。
佐藤さんに、塗装の仕事のやりがいをお聞きしました。
「板金塗装の仕事は答えがないんです。お客さん一人ひとりの『直った』の基準が違うので、最後まで丁寧にすり合わせます」
「たとえば色の仕上がりは同じ白でも少し青っぽいとか、もう少し緑っぽい白の方がいいとか。それをずっと突き詰めていくんです。繊細な仕事を任せてもらうので、仕事に対して妥協しないことを大事にしています」

時には保険屋やディーラーで断られてきた難易度の高い仕事をすることも。それを任せてもらえることもうれしいと話します。
「最終的にはお客さんが気づかないようなところまできちんと仕上げるのが楽しいです。難しい仕事でも、その方がワクワクするし、任せてもらえたからには『よし、やるぞ!』という気持ちになります」
佐藤さんに、この仕事をする上で大事にしていることをお聞きしました。
「お客さんとのコミュニケーションですね。お客さんの希望と、最適な塗装のバランスを考えてて作業をしながら、お客さんに納得してもらうために最初の説明を丁寧にしたり、納車の時に作業の写真を見せたりしてイメージをすり合わせる作業を大事にしています」

佐藤さんのお話しを伺っていると、職人としての誇りと責任感が感じられます。そんな塗装の仕事に向いている人は、どんな人なのでしょうか?
「クリエイティブで細かいものが好きな方、自分で答えを探せる方が向いています。もちろん未経験でも大丈夫。最初はうまくいかないのが当たり前です。単純作業とは違い、何回も同じことを失敗して成長していくものなので、それを楽しめる人に来てほしいですね」
創業者が紡いできた、会社とスタッフへの思い

次世代の育成と会社の成長を見守るのが、創業者代表取締役の鈴木昭さんです。一関市内の高校を卒業してから関東と地元のディーラーで勤務後、2000年に事業を立ち上げ、時代とともに事業内容を変化させながら一代でこの会社を築きました。
何よりも大事にしてきたのは、安全と安心。お客さんに対してはもちろんですが、それはスタッフに対してもです。「車は壊れてもなんとかなるけど、人の怪我は治らない。私たちには命を守る責任があるからね」と言う昭さん。だからこそ、安全で確実なサービスの提供に努めています。
現役時代はバリバリと働いて前に出ていた昭さんですが、今はなるべく聖得さんや現場のスタッフに任せています。
「できるだけスタッフ一人一人のやり方や考えを尊重したい。人の強みは個性があるからこそ、特性を活かして取り組んでほしい。なぜ今この仕事をしているかを常に考え、最終的に目標に辿り着いて欲しい。でも、結局は彼(聖得さん)がやるかやらないかですね」
信頼し、口を出さず見守る。そうすることで次世代が育っていくと信じているのが伝わってきます。

「会社には愛情が必要だと考えている。例えば自分の子供だったらどうするのか考えてみる。必要なのは、失敗した時に守ること。人のために会社がある。会社はスタッフがいないと成立しないですから」
昭さんが会社に、スタッフに、そしてお客様に注いできた愛情は、みなさんの仕事ぶりを見ていれば、すでに脈々と受け継がれているのがわかります。

取材中にも何度か電話が鳴り、スタッフの皆さんが迅速に対応する姿がそこにありました。その誠実な仕事ぶりに、地元だけでなく近隣市町村からも信頼を寄せられており、「何かあったらカーウイングへ」と、安心して相談できる場所になっています。
次世代を育てながら、より良い会社へ、社会へ向かって変化し続けるカーウイングワールド。未来を拓く企業として、挑戦は続いていきます。
(取材:佐藤文香)