素材にこだわり、未来につなげるお菓子屋

菓子工房 吉野屋

心と体にやさしいお菓子を

子どもから大人まで、みんなに愛されるお菓子。 まさにそれを体現しているお菓子屋さんが平泉にあります。
JR 平泉駅から徒歩すぐのところにある、「菓子工房 吉野屋」というお店です。
小京都のような雰囲気の駅前から、中尊寺通りを歩くと、
どこか懐かしいような、ホッとするような街並みと、ほのかに甘い匂いとともに目に入ったお店。
私以外にもお客さんが入れ替わり訪れていて、
これは愛される秘訣があるに違いない、とワクワクしながらお店に入りました。

たくさんのお菓子がディスプレイされています。

立派な柱がパッと目につく店内。イートイン可能。

広々とした空間に、まず目についたのが立派な柱でした。 「親戚の山から木をいただいて、皮をむくところから職人さんにつくってもらいました。」
そう答えるのは、4代目の菓子職人、吉野崇さん。

平泉町生まれの吉野崇さん。趣味は音楽。健康運動指導士としても活動されています!

1915 年創業の老舗菓子店。でも実は、創業年は明確ではないそうです。
「初代が創業したのはもっと前のはずなのですが、いつから始めたか記憶になくて... なので、二代目が誕生した年が創業年になりました(笑)」
という、おちゃめエピソードにほっこり。

こちらの看板メニューは、創業以来から愛される「辨慶(べんけい)力餅」。
もちもち食感がクセになる、ほのかな甘みのくるみゆべし。
長年変わらぬパッケージで、平泉のお土産といったらコレ!です。

お茶と一緒に、食べたくなります。

また、シフォンケーキやシュークリームも人気商品。
(ちょうど、私の前のお客さんがまるっと買い占めていかれました!)
日中の早い時間に売り切れてしまうこともしばしば。
どちらも素材にこだわっていて、シュークリームのカスタードには 岩手県下閉伊郡の「田野畑山地酪農牛乳」を使用。
シフォンケーキは、添加物や白砂糖の使用を極力控え、自然栽培の米粉やもち粉を使ったグルテンフリー。
しっとりふわふわ、素材の良さが引き立つやさしいお味です。

香ばしい皮の中には、もっちりしたカスタードクリームがたっぷり。

たちまち幸せになるふわふわ感。

ここまで素材にこだわる理由は、いったいなぜなのか。
それは、子ども達の未来のためだと、吉野さんは言います。

地元の小学生との関わりも大切にしている。

幼いころから自然に囲まれて育った吉野さんは、米国の大学を卒業後、1 年間海外で働くことに。
週4日は山や森林を守るお仕事をして、週3日はオーガニックのパン屋で働くというスタイル。(どこで休んでたんだろう...!)
そこで、オーガニックの大切さ、食・人・自然が循環しているということを教わったのだそうです。
素材は全てつながっているということ。未来にもつながっているということ。
子ども達が食べるお菓子を通して、食の背景を知ってもらうきっかけになれたら。
そんな想いから、こだわるようになっていったのです。

崇さんのお父様がつくられたという、かわいらしい野鳥。

わたしたちが普段口にしているものは、どれも人や自然がつないでいるという、当たり前だけど、つい忘れてしまうこと。でも大切なこと。
吉野屋さんのお菓子を口にするたびに、そんな想いを噛みしめるのです。

吉野屋のお菓子は、からだに優しくて、美味しい。
食に対するつよい想いが、愛される秘訣だったのですね。

 

(取材: 足利 文香)

名称 菓子工房 吉野屋
住所 岩手県西磐井郡平泉町泉屋81-1
電話番号 0191-46-2410
営業時間 9:00~17:00
定休日 木曜日(クリスマス期間は除く) ※他曜日、時間帯にお求めの場合は事前にお問い合わせください。 ※新型コロナウィルス感染拡大を受け、営業形態および営業時間が変更されている場合がございます。詳しくは店舗までお尋ねください。
駐車場 有り(7台)
席数 15席
予算目安 ¥100~
おすすめメニュー シュークリーム、シフォンケーキ、弁慶力餅
お子さま対応 小さなお子様にも安心してお召し上がりいただけます。
WEBサイト https://www.yoshinoyasweets.com