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税理士法人中山会計 / 税理士補助(会計部、支援部、総務部)

インタビュー記事

更新日 : 2024年04月26日

金沢市郊外に向かう通りを走っていると、明るいガラス張りの社屋が見えてきた。
税理士事務所といえば年季の入ったビルで静かに業務をこなしているイメージ。だが案内された事務所はとても開放的で、適度な賑やかさに驚かされた。まるで最近のIT企業のようだ。

「社員それぞれの色を大事にしていきたいと考えているんです」

眼鏡の奥にやさしい笑顔をたたえる小嶋純一社長(46)が、ゆっくりと話し始めた。

税理士法人中山会計 事業概要

1967年創業。税理士事務所として50年以上の歴史を持つ。地元企業の申告業務支援を核として、融資や補助金活用など経営に欠かせない業務を手掛けている。県内500法人の顧客を持ち、近年はDX(デジタル・トランスフォーメーション)や事業承継などを積極的に携わる。自社でYouTubeやSNSを運営し、普段目にすることの少ない税理士の業務内容発信に努めている。

長い付き合いだからこその「絶対支援」

小嶋さんは2022年に社長(代表社員)に就任したばかり。55年以上の歴史を刻む中山会計の3代目である。

意外と知らない会計事務所、そして税理士の仕事について改めて聞いてみることにした。

「みなさんに一番身近なのは確定申告じゃないでしょうか。法人や個人の申告業務は会社の基礎、まさに一丁目一番地ですね」

サラリーマンなら年末に複雑な書類が回ってくる確定申告。自営業ならさらに難解で毎年苦しむ人も多い。中山会計ではこのような申告を中心に年間1200ほどの法人、個人顧客の業務を支援している。

申告業務では顧客の財務内容や企業経営と向き合うことになる。そこから派生した業務が、経営のアドバイスである。

利用できる融資や補助金制度を提案したり、社内の問題を聞き取って効率化をすすめたりと多岐にわたる。ときには経営会議に顔を出すこともあるのである。

特に力を入れているのは近年全国で問題となっている事業承継だ。中山会計ではウェブページの会社概要でも「事業承継絶対支援」を力強く宣言している。

「高度成長期に成長した多くの会社が世代交代の時期。こんなことになるならもっと早く相談してほしかったという事例が増えてきたんです」

長年の付き合いがある会計事務所でも代替わりとともに依頼が来なくなる。経営者が突然亡くなり、遺志が伝えられないまま会社の方向性ががらっと変わってしまうこともあった。

経営者の引退後のことは会社内で話題にしづらいが、外部の会計事務所なら伝えられることも多い。ウェブページでの力強い宣言も、気軽に相談しやすくするための工夫だという。

「お金の計算をするだけでは会社は存続できない、長く続く良い会社を知っているからこそ力になりたいんです」

創業時から頼ってくれる顧客も多い中山会計。経営者の交代に立ち会い、さらに育てていく立場にシフトしている。

 

持っている武器が違うだけ

小嶋さんは金沢出身。関東の大学に進んだが、卒業するころは折悪く就職氷河期のただ中にあった。

卒業後にやりたいことを探そうと本屋で資格の本を読み漁るうちに税理士という職業を知った。

「小さいころから『社長』に憧れがあって、資格を取って独立できる業界ということで興味を持ちました」

税理士は中小企業の良き相談者と呼ばれることがある。いずれ自分で会社を持つときの勉強になると考え、大学卒業後1年半で石川に戻って資格をとった。

「数字を扱うので決まりきった仕事だけだと思っていたんですが、実際に勤めてみると担当ごとの個性が現れるなと驚きました」

税理士になってから起業から相談される機会が意外にも多かったという小嶋さん。社員それぞれの力量で顧客との付き合い方もさまざまな展開を見せる。

次第に個人の力で社会に貢献できる面白さに気付き、今では税理士が天職になった。

改めて中山会計のロゴを見ると、頭文字のNが多彩なドット(点)で描かれている。これは2017年の創立50周年のときに、さまざまな色を発揮して働いてほしいという小嶋さんの願いを込めてデザインしたものだ。

「自分の経験もあり、会社の色に染めるということはしたくない、個性を主張し続けることが大事なのだと伝えています」

個性をうまく表現できなかったり、他者のまねをしたりするような人よりも、自分の色で光り続ける人が必要だと小嶋さんは語る。

中途採用ではITなど会計事務所出身ではないキャリアの人も積極的に採用したいと意気込んでいる。新しい色を揃えて、新しい絵を描けるようになることが、事務所の発展につながると考えているのだ。

例えば社員の提案からスタートアップの支援に乗り出し、今では事業を立ち上げたい人も中山会計を訪ねるようになったという。

「自分の色を認識して、うまく出していく技術を磨いてほしいです、鮮やかさで本気度がわかるんですよ」

 

取材時間も終わりに近づいたころ、小嶋さんは自身の仕事をこう表現した。

「医者のように人を救うような仕事はできないと思っていたけれど、持っている武器が違うだけ、人を救うのは同じだなと今は思います」