蛇口をひねれば水が出て、暑い日も寒い日も快適な温度で過ごせること。暗い夜でも明かりが灯り勉強や仕事ができること。雨風雪から守ってくれる雨漏りをしない天井。ビルやマンションでのエレベーターが快適に動くこと。もしもの時の災害や防災時に消防・防火設備が正常に作動すること。

ビルやマンション等建築全般の管理、保守、工事、施工を行う『クマテクノ株式会社』代表取締役社長、今川精三郎さんに業務内容について尋ねると当たり前の暮らし、日常の笑顔を守る為の「なんでも屋さん」だと笑った。

——たもつ、つくる、なおす。
ビルやマンションの点検と施工、修理を行い、守り続ける。日常での小さな困りごとにも目を向け柔軟に対応する。“建物の健康を守る医師”、そして建物管理に関する法律に精通した“建物の弁護士”でもある。
「ビルやマンションを建てた時からの管理や維持、修理はもちろん、大家さんやオーナーさんのちょっとした困りごとにも対応します。蛇口の水が止まらないとかトイレが詰まって水が流れないとか電気の調子がおかしいとか。一括で相談できたほうが便利ですから」。なるほど、確かに暮らしを支える『なんでも屋さん』だ。

社員から代表取締役へ

今川社長は1994年、高校卒業後、『クマテクノ株式会社』に入社後主任、課長、部長を経て、2010年、35歳で代表取締役に就任という経歴を持っている。だからこそ会社の後継者は現在働いている社員の中からでもこれから働きたいという新入社員からでも、会社を引っ張っていける人に任せたいと考えているという。

撮影© imgraph

未経験者でも大丈夫
ゼロから一緒に成長していきたい

「設備関係の仕事は経験者でないと務まらないと思われることもありますが、ゼロからしっかり教えるので問題ありません。実際当社でも全くの初心者から頑張って一人前になった者がたくさんいます」。未経験者には丁寧に指導。事業によっても異なるが3年で一通り業務をこなせるようになるという。業務に必要な資格は会社が全面バックアップ。働きながら学び、資格取得もできる。「もし独立したいという意志がある場合はそこも尊重し、独立後も双方がプラスになれるように取り組んでいきたい」と独立支援にも前向きだ。

働きたいという気持ちが採用年齢

元気に挨拶ができて、学ぶ姿勢がある方であれば年齢も経験不問。「実際に60歳で入社、元気に働いてくれている方もいます」。前職もそれぞれ。「車屋さんだったり料理人だったり、他県でフリーターをしていた方も…」。様々な事業形態をもつ会社だからこそ、働く社員の個性に寄り添い得意な部分を伸ばす采配を行いながら、社員一人ひとりの個性を活かせるように采配をとり得意を伸ばせる働き方を提案している。

当たり前の暮らしを支える会社として
社員とその家族には「小さな幸せ」を感じて欲しい

日常を守り続ける為に、会社として共に働く者と支え合える環境作りをモットーに、社員たちの声に耳を傾け、その家族との時間も大切にしてもらいたいと話す。誕生日やクリスマス等には会社から家族分のケーキやクリスマスパーティセットを贈ったり、飲み会ではお土産を持たせることも。「小さなことかもしれないけれど…」日常の中でも『小さな幸せ』を大切にして欲しいという気持ちからなのだとか。

実際に働く人の声を聞いてみた

宮城県から彼女を追って石川県へ

宮城県生まれ。東京でコンビニバイトをして生計を立てていた伊藤光輝さん（３２）。石川県で暮らす彼女と遠距離恋愛をはじめて２年。そろそろ結婚を…と考えるも自分はフリーター。「彼女に宮城県へ来てもらうということも考えましたが、彼女は石川県で医療系の仕事をしていたので、それなら自分が石川県へ行こうと」愛は距離を超え、行動に表れる。

32歳会社員経験のない
フリーターから会社員へ

早速石川県での仕事探しを開始。これまで遠距離恋愛だったので「転勤が無い」というのも絶対条件。折角仕事が見つかっても転勤になってしまっては意味がない。しかし会社員の経験もなければ、石川県での土地勘もない。いくつか面接を受けてみるも不採用。そんな中で目に飛び込んで来たのが『経験不問』の文字。設備についての知識も技術もない全くの未経験者。こんな自分を受け入れてくれるのか、やっていけるのか不安でいっぱいだったがとにかく石川県で愛する人を支えて生きていきたいという一心で応募。
「そこでやっと拾ってもらえました。まずは石川県で就職するという目的が叶ったんです」「全くの未経験者である自分を拾ってくれて『転勤を避けたい』という要望も受け入れてもらえた。技術や知識についても真っさらから指導して本当に感謝しています」。現在は先輩と行動を共にし、学びながら働いている状態だという。

整備系の仕事は多くの資格が必要で、その資格取得についても会社が全面バックアップしてくれる。費用、勉強の時間、指導までを会社が負担。伊藤さんもこの5月に資格取得を目指して奮闘している。
 

念願のプロポーズ

「実は過去に結婚の話が出た時があったんですが、その時は自分がフリーターだったので…正社員になってからきちんとプロポーズをしたくて」。入社して半年、安定した収入も得ることができ、手厚い社会保険もある。「まだ勉強中な部分はありますが、経験を積み資格取得をしていけば給与にも反映される」この環境でなら安心して愛する人を守っていけると感じ、プロポーズをし、結婚。念願の奥様と支えあいながら同じ地で暮らすという願いが叶った。新婚ほやほやアツアツな暮らしのようだ。話を聞いてるだけで火傷しそう。

次期社長候補も育てたい

伊藤さんのように全く未経験者でも向上心があればどんどん上を目指す事ができる。「ヤル気があるなら年齢も経験も関係ない。頑張ってくれるならその分はもちろん還元したい」と話す今川さん。年功序列ではなく、結果とヤル気を重視してくれる会社だからこそ、現在フリーターでも無職でも時期社長を目指す事が可能だ。



当たり前の日常の裏側にはこうして守り、支えてくれる会社があるからこそ。感謝して過ごしたい。