七尾湾に舞うカモメ

能登島大橋(七尾市)

 

「屏風」を渡る

 

日本海に浮かぶ島といえば佐渡や対馬、隠岐の島などが有名だが、実は石川県にもいくつか島が存在している。
このうち七尾市の能登島は面積46.73平方キロメートル、約2500人が住まう最も大きな島だ。2004年までは島単独で能登島町という自治体になっていた。

能登島には現在2本の橋が架かっており、このうち1982(昭和57)年に開通した最初の橋が能登島大橋である。全長は1050メートルで石川県で最も長い橋として知られている。

橋は和倉温泉にほど近い七尾市石崎町(いっさきまち)から屏風瀬戸(びょうぶせと)を飛び越え、能登島へまっすぐ伸びている。橋の架かる屏風瀬戸は、両岸が屏風のように切り立った岸壁となっていることから付けられており、橋の上からは迫力ある断崖の様子を楽しむことができる。3~8キロ程度の横幅を持つ七尾湾も屏風瀬戸ではわずか750メートルまで狭くなることから、地元の人は同所を境に七尾湾を南湾、西湾と分けて呼ぶことが多い。

 

七尾湾のカモメ

 

橋の最も高い中央部は海面から24メートルにもなる。横から見ると波打つような特徴的な形になっている。和倉温泉の海辺からも目立つ白く優雅な橋は、橋周辺の看板や観光ガイドで「かもめが大空に翼を広げた姿」と説明されている。

それまで船で渡るしかなかった島は橋の開通を期に開発がすすみ、現在は「のとじま水族館」や「ガラス美術館」を有する県民憩いの場として親しまれるようになった。また北部に架かる「ツインブリッジのと(中能登農道橋)」との併用で、七尾市街地から穴水方面へのバイパス道路としても重要な機能を果たしている。

 

 

 

名称 能登島大橋
所在地 七尾市石崎町・半浦町