山田愛さん(株式会社旭ウエルテック)

石川県に移住をしてきた先輩移住者にお話を伺い、仕事や暮らしのホンネを聞くイシカワズカン。移住してパートナーの家業を共に継いだ山田愛さんにお話を伺いました。

「石川県に来てもう7年。気づけば一番長く暮らしている土地かも。小さい頃から引っ越しが多かったので」。 大阪に生まれ両親の仕事の関係で引っ越しが多かったという愛さん。小柄で可愛らしい容姿に弾むような明るさが魅力的だ。



人は成長しようと思えば
いくつになっても成長できる

移住のきっかけ石川県で製造業を営む家に生まれた夫との結婚。現在は総務として会社を支えている。「一品ものを一個から作っているため、職人と言われる人の技術が不可欠の中、未経験20代の入社も多く、先輩職人からの技能伝承に取り組んでいます」。未経験で入社した人たちが、日々、成長していく姿と40代のベテランたちも、職人として「作る技術」以外に、「教える」技術において成長しようという姿を見て未経験で総務の仕事を始めた愛さんも勇気をもらったという。

夫のサポートにより不安なく石川県へ
結婚を機に石川県への移住も決意するも、はじめての結婚。はじめての石川県。はじめての職場。不安はなかったのだろうか。
「家族と離れて遠い土地へ行くことに不安はありましたが結婚前から、夫が幼なじみや高校の同級生たちを紹介していてくれたので、石川に来る時には友達と呼べる人が何人かいました」。その中には数日違いで出産した友達も。地元が遠い中での育児の面でも精神的に救われたという。
「今はコロナでみんなで集まるというのがなかなかできていないですが、保育園の送り迎えの時にその友達たちと話せる数分が日々の楽しみな時間です」。

夫婦で一台づつ車は必要
最大の心配は運転。
「方向音痴だし、これまで電車でどこでも行けていたし、免許はあったけど完全なるペーパードライバーで...」。

北陸三県は交通機関が十分に発達していない上に雨や雪も多い為車は必須。
移住当初は運転が不安すぎて片道小一時間の道のりも自転車で爆走したことも。
「仕事や保育園の送迎など近辺であれば運転に慣れましたが、初めて行く場所は今でも緊張です」。

人口1人あたり所有車ランキング上位
「好きな時に行きたい場所に行くには夫婦それぞれに車一台が必要だという事は移住して来てから気づきましたね」。
暮らす地域と行動範囲にもよるが車必須社会な石川県。
人口1人あたりの所有車ランキング※2021年調べ。
では北陸三県が仲良く上位を独占している。
数駅くらい平気で歩くという都民に対し
10分先のコンビニへ行く時にも車を発進させがちなのが北陸人。

日本一雨の日が多い石川県
「石川県は雨の日が日本一多いという噂は聞いていましたが、サンルームなしでは毎日の洗濯物がかなり大変」。「関西にいた頃はサンルームって限られたお金持ちの家にしかないものと思ってた」と愛さんは驚くが日照率が低い石川県では洗濯物を効率良く乾かすためにサンルームか浴室乾燥機が常備されている事が多い。関西に住んでいた時には身近でなかった車とサンルームが、生活になくてはならないものになってるという。

「石川は雨が多くて、冬は晴れの日も少ないですが、晴れた日には自然のありがたみを以前より感じますし、会社でベテランも若手もみんなで日向ぼっこしながら休憩している風景が、心もホッと暖めてくれます」。

自然は厳しいけれど、人は控えめで優しい
慣れない土地と気候に最初は戸惑っていた愛さん。石川県民の人柄についてはどう思っているのか聞いて見た。「奥ゆかしいというか、忍耐強くて優しい人が多いと感じます。真面目でいい人が多い」。「石川で出会った人たちのおかげで地元がなかった私に、地元と呼べる場所ができつつあります」。

信頼できる人のサポートが
移住生活を豊かにする

同じ日本国内なのにこんなにも違う石川県へ結婚を期に移住し7年。
愛さんにとって一番長く暮らしている場所となったのも共に過ごして行く人の為に事前に環境を整え、サポートしてれた夫の存在があったから。
慣れなかった移住先から愛する子どもと夫と共に一番長く暮らす土地になっている。


 

写真撮影:©IMGRAPH