福井県への移住を考える上で、やっぱり気になるのが「冬の雪」。
実際のところはどうなのだろうか。福井のリアルな冬ライフをご紹介しよう。
11月後半にもなると一気に気温が下がり、冬本番。
雷鳴が轟くようになると、雪が降るのはもう間近。車もスタッドレスタイヤに交換する時期だ。
「福井は北陸だからすごく積もるでしょう」
福井に住んでいると、県外の人からこう言われることが多い。しかし、南北に象の鼻のようなかたちをしている福井県は意外に広く、山もあれば海もあり、エリアによって冬の積雪模様はガラっと変わる。
例えば奥越地域と呼ばれる大野市や勝山市、そして山深い池田町は豪雪地帯として知られているが、日本海が広がる越前海岸沿いは海風だけでほとんど雪が積もることはない。市街地においてはここ数年、1シーズンに2〜3回雪かきをするくらいの降雪量だ。住まいを探す時は事前にエリアの特性を知っておくと、雪への備えもしっかりできる。
▲福井県の山間部、奥越地域は毎年雪がしんしんと積もる
▲越前海岸沿いには冬の時期、ほとんど雪は降らず、水仙が咲き誇る姿を見ることができる
都市部から福井に移り住み、初めて冬を過ごすと、その雪質に驚く人も多いだろう。例えば北海道の場合、梅雨もなく冬の湿度も低めなので、雪はふわふわ。服についても手で払うとさらさら落ちていくが、福井の冬は湿度が高く雪の水分量が多いため、雪が降っているときに傘を差さなければ服が濡れてしまう。洗濯物も外に出せない日が続くので、除湿機があると便利なのでおすすめだ。
さらに用意しておきたい冬の装備としては、膝下まである長靴や防水冬手袋、除雪用アルミ製スコップ、スノーブラシ(車載)。挙げればきりがないが、これらはすべてホームセンターで売っているので、揃えておけば問題なく冬を過ごせるだろう。
都市部では雪が降ると電車がストップし、ラッシュ時に大混乱が起きている様子をテレビで見かけるが、福井県内の公共交通機関は雪対策に比較的強い。例えば、ローカル線「えちぜん鉄道」は線路に積もった雪を除雪するラッセル車が走るため、積雪があってもダイヤが乱れることはほとんどない。また道路上でも融雪のためのスプリンクラーがあり、雪国でかつ車社会が発達した福井ならではの光景が見られる。
しかし、除雪や融雪がしっかりしているとはいえ、やはり通勤時間などはいつも通りというわけにはいかない。なので、雪の日はできるだけ早起きをおすすめする。
車の屋根から雪を下ろす時間
車のエンジンをかけてフロントガラスの凍結をヒーターで溶かす時間
渋滞を見越した時間……
バス通勤の場合だと、道路事情によっては大幅に遅れてしまうので、雪の時は歩いた方が早いこともある。
それぞれの事情に合わせて、「春や夏などに比べて○○分早めに家を出よう」など、どのくらい時間の余裕が必要か、あらかじめ考えておくことが必要だろう。
福井の積雪量自体は昔に比べるとはずいぶん減ったそうだが、それでも毎年1、2回は必ず雪は降るし、数年に一度は豪雪にも見舞われることもある。例えば、2018年2月は記録的な豪雪になり、福井市中心部でも積雪が147cmにまで至った。130cmを超えたのは1981年の「五六豪雪」以来37年ぶりで、例年の3倍以上だったそうだ。
除雪が追いつかず、交通網がマヒして物流も滞ってしまったため、スーパーではほとんどの商品が空になり大きなニュースにもなった。防災対策の一環と考え、寒い時期は食料など物資の備蓄を習慣づけておくことはおすすめしたい。
…これはあくまで数年に1度の豪雪という特殊な事例だが、雪の準備は備えすぎることに越したことはない。賢く備えて、快適な福井の冬ライフを過ごそう!