土地探しからはじめたこだわりの家づくり

田中邸

新しい住まいを考えるなら、一から自分でこだわった家を建てたいという人も多いはず。
福井では、広い土地や自然環境を活用した、こだわった家づくりをする人も多い。
今回は「土地探し」からこだわりぬいた、田中邸についてご紹介する。

田中家は、田中さんご夫妻とお子さんお一人の3人家族。
2022年の9月にできたこの平屋の新居で、10月後半から生活を始めている。

ハウスメーカーの決め手

「家の森展示場で、担当者の方と話す中で、人柄と話が合う担当者さんのハウスメーカーに決めました」と話す田中さん。
丁寧にアドバイスもしてくれるし、こちらの要望を聞き入れ、成約を急がず気長に待ってくれたとのこと。
また、そのハウスメーカーはご親戚が過去に就職していたということもあり、家のイメージを相談した際に浮上してきたメーカーでもあったそうだ。

立地の決め手

最初は田中さんのご実家の土地で建てることを検討していたとのこと。
ただ、当初から田中夫妻の希望は平屋。ご実家の土地の大きさとして2世帯は難しいと判断し、一から土地を探し直した。

土地探しの一番の条件は、二人の地元である「三国がいい」ということ。
「雑誌(フリーペーパー)やインターネットで探したり、ホームメーカーに条件を伝えて聞いてみたり、自分たちで車を走らせて探したりしました」と話す田中さん。
結局、掲載されている情報ではピンとこず、自分の足で「ここに建てたい」という土地を見つけた。
実際売りに出ている様子は見受けられなかったが、知り合いの不動産屋にその土地のことを問い合わせてみた。
「この土地って買えますか?」と聞くと、たまたま土地の所有者が不動産屋の個人的な繋がりのある方だったとのこと。
結果、不動産屋さんの個人的な繋がりで所有者を紹介してもらい、購入まで漕ぎ着けた。

このように個人的な繋がりから情報を得るということは、地縁を活かせる福井ならではのプロセスではないだろうか。

実際に住んでみて

田中邸の最大の特徴は、リビングから全面に広がる裏庭だ。
「朝起きて、ずっと外を見ていられる。友達を呼んでBBQをしたり、外空間を使ってやりたいことがいっぱいできる」と語る田中さん。
春にはワラビが生える。夏の昼間はセミの大合唱。秋の夜はこおろぎの声。冬のつららもとても美しいと言う。
とある夜は、窓を全て網戸にして電気を消してキャンドルナイトを楽しんだこともあるそうだ。
「いつか畑をしたいな」など、家や庭の使い方をたくさん考えられるのも楽しみのひとつとのこと。

地元三国での生活について「地元の繋がりが多く、戻ってきたい気持ちはずっとあった」と語る田中さん。
「都会よりいそいそしてなくて、のんびりしてる。都会はすぐなんでもできるけど、不便だから人に聞いたりとか、自分で探したりできる楽しさがある」と言う。

こだわり抜いた家づくりを、福井ならではの地縁を活かしておこなった田中邸。
福井での住まいを考えるにあたり、「人との繋がり」といった一見家づくりと関係がなさそうな資源も、有効になり得るという好事例ではないだろうか。