テンプル食堂よしざき/えんまんcafe

子育ては本当に「家族だけ」で行わなければならないのだろうか?
頼れる先が地域の中にあることを知らない人も多く、また、「頼ってもいい」という意識をもっている子育て世代もまだまだ少ないのではないか。

「こういう場所を『使っていいんだ』というふうに社会の意識が変わっていくといいと思います。『頼ってしまう』ではなく」
そう語るのは、あわら市吉崎地区で「テンプル食堂よしざき」「えんまんcafe」を営む八幡真衣さん。
テンプル食堂よしざきでは、月に1回、400食を提供する子ども食堂を実施。
また、えんまんcafeでは売上金が子ども食堂の活動費へとあてられるcafe営業のほか、寄付食材の範囲で「今日はご飯を作る元気がない」という親子に対して予約制でご飯を提供する支援などを行う。

テンプル食堂よしざきは、毎月最終日曜日12〜14時で開催される。
本願寺吉崎別院にて400食が提供されるこの子ども食堂は、子どもは無料、大人も300円でお昼ご飯が食べられる。
※予約などの詳細は本ページ下部の公式LINEより。

また、この本願寺吉崎別院から徒歩3分のえんまんcafeでは、通常のカフェ営業の他、様々なイベントも開催。
過去には、クリスマス会や料理教室、フードロスの食材を使ったBBQなどを行った。
中には、タイヤ交換イベントや、寄付のお節を食べる会といったイベントも開催されており、八幡さんは「ただのイベントではなく、生活にマッチしたものを行いたい」と語る。

また、食堂やイベント準備などを手伝っているのは、すべてボランティアで関わる様々な世代の人たち。
イベントがない場合でも、子どもから大人まで、多種多様な背景をもつ人たちの交流の場として利用されている。

「ひとり親の親御さんなどは、どうしても周りからの『困っているでしょ?』というスタンスをプレッシャーに感じてしまうことがあります。だから、ここでは『ほしいものは何でも持っていっていいよ』というスタンス。こういう場所があるから『使っていいんだ』と思ってもらい、誰もが無理せず長い息でやれるように活動しています」と八幡さんは語る。

今回、八幡さんの活動を通して、たくさんの人たちがゆるやかに、この場を頼りにして繋がっているのが垣間見えた。
「自分だけでやらなければいけない」ことなんて、本当はもっともっと少ないのかもしれない。
少しでも気になる方は、子ども食堂のご飯を食べに行ったり、カフェに遊びに行ったりして、是非この吉崎での八幡さんたちの動きに触れてみてほしい。