■ 株式会社ワンズ 事業概要
運送会社に10年間勤めていた酒井 洋佑さんが、2013年設立した引っ越しサービス会社。姫路市に本社を構え、加古川市にも営業所を開設し、姫路・加古川・明石・神戸・大阪エリアに対応。大手企業にはないお客様視点のサービスを心がけ、一人ひとりの要望を実現していくうちに引っ越しサービスから不用品回収・売買、ハウスクリーニング、家電販売と幅広い事業を手がけるように。高齢化社会に伴い、ニーズが急増している遺品管理サービスにも力を入れている。
最近ではSDGsにも取り組み、働き方改革・運転業務の効率化を推進するため、労務・運行管理システム「ロジこんぱす」を導入。お客様だけでなく、働きやすい環境づくりを推進する社員想いの会社だ。
■ 毎日がわくわくする住空間を提供したい
白亜の世界遺産・姫路城で有名な兵庫県姫路市。歴史と自然が息づく街で引っ越しサービスを展開しているのが株式会社ワンズだ。代表取締役の酒井 洋佑さんは、運送会社に10年間勤務して引越業のすべてを一任されていたが、「新たな挑戦をしたい」と独立を決意した。
「会社が企業向けサービスの充実に舵を切るなか、私は一人ひとりのお客様のニーズや課題を解決して役に立ちたいという想いが強くありました」
今は、生活をするうえで必要な「衣」「食」「住」のすべてが簡単に手に入る。そんな時代だからこそ、住環境を整える大切さに気づいたという。
「長年、多くのお客様と出会い、『こんなサービスがあるといい』というご要望やご意見を聞くうちに、今よりもっと食事がおいしく感じ、服選びが楽しくなり、毎日がわくわくする。引っ越しサービスを通じて、そんな住空間を提供していきたいと思ったのです」
設立当初は、ハウスメーカーに勤務する兄からの紹介を中心にスタート。月日が経つにつれ、人から人へ、法人から法人へとヨコのつながりで事業は広がっていった。
「当社は人脈が基本です。お客様に紹介したいと思っていただけるように、金額以上の価値の提供を心がけてきました」
このように、お客様視点のサービスを提供し、姫路市を中心に関西エリアで事業基盤を構築していった。
■ 大手にはない、ワンズの存在意義を追求
大手企業をはじめ、競合他社がひしめく引っ越し業界において、同社はどのように事業を拡大していったのであろうか。
「型にはまった引っ越しは、大手企業に強みがあります。そうでないイレギュラーなもの。例えば、夜中に引っ越しをしたい、手間のかかる作業をしてほしいといった要望にも対応。また、当社では、初回に対応した社員が最初から最後まで責任を持って担当することで、お客様の声をしっかりと聞き、きめ細かいニーズに応えています」
お客様の要望に「できない」と答えるのではなく、どうやったらできるのかを考える。効率や利益を優先するのではなく、あくまでもお客様本位を貫いていった。引っ越しプランについては予算やニーズに合わせて3つのコースを用意。今年からは、自分たちで荷物を運びたいお客様を対象に、運転手付きのトラックレンタカープランを地域限定でスタートさせた。
「大手企業は大勢の方に選んでもらえるサービスを提供しています。当社は同じ土俵ではなく、大手ができないことにも挑戦する。そこに企業としての存在意義があると思っています」
■ お客様の大切な“想い”を運ぶ
常にお客様視点のサービスを心がけてきたが、意思疎通がうまく図れずにクレームが発生したり、満足を提供できないこともあったそうだ。
「こちらが意図しているわけではありませんが、結果としてお客様を悲しませたり、怒らせてしまったことがあります。家財の中には小さなキズでも修理・修復できない、お客様の思い出を壊してしまう可能性もある。私たちはとても繊細なものを扱っているのです」
責任や苦労の多い仕事である一方で、無事に引っ越しが終わり、「助かりました、ありがとう」と感謝された瞬間には、言いようのない充実感に満たされるそうだ。
「お客様の人生の節目をお手伝いができ、新生活にわくわくする楽しさを共有できる。お客様とスタッフが一丸となり、大きな仕事を成し遂げた達成感は、お金に代えがたい価値があると思います」
酒井さんが20年以上、引っ越し業界を続けている理由がここにある。
■ 引っ越しをきっかけにライフサポートを
当初は引っ越しサービスのみを行っていたが、「電化製品や家具が古くなったので引き取ってほしい」との要望が増えて不用品回収や買取、人形供養……、さらにハウスクリーニング、家具の組み立てなどのサービスを提供。「家電の販売はやっていないんですか」と聞かれることも多かったため、2021年2月からは10万種以上をそろえて家具の販売を開始した。ここ数年、高齢化社会を背景に遺品整理のニーズも急増しているそうだ。
「お客様のご要望を肌で感じ、常にアップデートしています。サービスの幅が広がったことで、お客様には大変喜んでいただき、たくさんの方からご紹介をいただくようになりました」
引っ越しをきっかけにお客様の生活全般を応援するライフサポート企業を目指していく。そのために今できる最善の提案を実践したいと酒井さんは新たなビジネスにも意欲的に取り組む。
■ アンティークの販売などの新展開も
では、お客様に喜んでもらい、会社を発展させるために、これからどのようなビジネスを考えているのだろう。
「私たちは日々、生活日用品を扱い、家財に関する知識を広く身につけています。これはいつの年代の、どのメーカーでつくられた製品なのか、現物を見たらおおよそ見当がつく。これも引っ越し会社のノウハウです。私は、本当に良いものが処分されないように、すべての家財について網羅し、その知識を新たなビジネスに発展させたいと思っています。そのひとつとして考えているのが、家具や食器、雑貨などを販売するアンティークショップの開業です。個人的に古いものが好きな私は、そんな夢を描いています」
リサイクル・リユース・リデュースの3Rを意識した事業活動を行い、食器梱包材はプラから紙へと変更。最近ではSDGsにも取り組み、働き方改革・運転業務の効率化を推進するため、労務・運行管理システム「ロジこんぱす」を導入した。社員はより安全運転を心がけるようになり、燃費改善にもつながっているという。
「一人一人の幸せが社会の幸せとなり、社会の幸せが私たち一人一人の幸せとなるよう、一歩ずつ歩んでいきます」と笑顔で語る酒井さん。これからもお客様に寄り添いながら新たな価値を創造し、地域に貢献していきたという情熱が伝わってきた。そんな想いを共にし、設立当初から二人三脚で会社をつくりあげていった近藤 佑紀さんにも話をうかがった。
■ 誰もが楽しく仕事ができる和気あいあいとした社風
近藤さんインタビュー
Q これまでのキャリアを教えてください。
高校生のときに運送業でアルバイトを始め、その後に飲食などいろいろな業界を経験しました。初めての引っ越しで、すべての作業が終わった瞬間に達成感を味わって以来、この業界で働くようになりました。
Q ワンズに入社した経緯について教えてください。
酒井さんが運送会社のドライバーをしていたとき、私はアルバイトの作業員として一緒に仕事をしました。ドライバーの方に作業を手伝ってほしいとは言えない雰囲気なのですが、酒井さんは積極的に協力してくれたんです。独立する話を聞いたとき、ぜひ、立ち上げから関わらせてほしいと思い、入社を決意しました。
Q お住まいはどちらですか?
姫路の出身で、現在は加古川に住んでいます。加古川は田舎のイメージが強いですが、最近では駅前も開発されてマンションも増え、とても便利で住みやすい街だと感じています。
Q どんな業務を担当していますか。
引っ越し作業はもちろん、営業での見積もり、お客様への提案から成約まで業務全般に携わっています。一人のお客様に対して、最初から最後まで一貫して担当するのがワンズの特徴です。
Q 仕事をするうえで大切にしていることは?
人と接する仕事なので、相手に喜んでもらえることを常に意識しています。言われなくても相手の気持ちも汲み取って行動できる。そんな人を目指しています。
Q 今後、やってみたいことはありますか。
酒井さんが一番働いているので、その仕事をお手伝いできたらと思っています。クレームの対応や異業種交流の場にも参加したいですね。仕事以外では、10年振りにサッカーを始めました。プレーも観ることも好きなので、いつかヨーロッパでサッカー観戦をしたいですね。
Q どんな人と一緒に働きたいですか。
次世代を担う若手、素直に相手の話を聞き、学べる人に来て欲しいですね。経験は一切問いません。真っ新な状態で入社していただき、当社の仕事の姿勢や社風を感じながらイチからスキルを身につけてほしいと思います。
Q 会社はどんな雰囲気ですか。
引っ越し業界は厳しそうなイメージを持つかもしれませんが、ワンズは未経験の方でも楽しく働ける和気あいあいとした雰囲気です。これも社長の人柄でしょう。仕事では緊張感を持ち、普段は冗談を言い合えるフランクな職場。誰もがメリハリを持って働いています。
堅苦しい上下関係はなく、誰もが気軽に会話をする笑顔溢れる職場。一人ひとりが生き生きと働く環境が整っているからこそ、お客様にも楽しく快適なライフサポートを提供できる。そんな居心地のいい職場で、新しい人生をぜひスタートしてほしい。